当事業年度末における当社グループは、当社及びその他の関係会社(三井金属株式会社)1社の2社より構成されております。当社は、1951年の創業以来、防食のリーディングカンパニーとして歩み続けてまいりました。
当社のパーパスは「ひたむきに防食技術を追求し、社会基盤の価値をまもり続けることにより、安全安心な日常を次代につなげます」であり、「いまある“価値”を次代へ!」をスローガンに、インフラ施設の長寿命化を図るための防食技術を提供することにより、持続可能な社会の実現に貢献することを使命としております。
そのために、各種環境に曝されている構造物の腐食・劣化調査と解析・評価を行い、その結果に基づいた腐食対策の提案、防食設計、対策工事そして維持管理という総合的な防食システムの提供(以下「工事」)を主たる業務としております。また、防食関連材料や装置の製造・販売(以下「製品等販売」)も行っております。
当社は建設業法に則り、特定建設業許可のもとに、事業を行っております。事業の活動組織は、事業本部のもと国内に製造調達統括部、支店、営業所を配置し、地域顧客に密着した様々な商品・サービスを提供できる体制としております。
営業本部は将来に向けたマーケティングと新規事業の育成を担い、技術本部が新技術・新商品の開発や、それらの現場への適用促進を行っております。事業区分としましては、対象施設別に港湾事業、地中事業、陸上事業、その他に区分しており、当該事業区分は、セグメント情報における区分と同一であります。
それぞれの事業区分において、電気防食、被覆防食、塗装の技術の中から環境及び対象施設に適した工法を選定し、工事及び製品等販売を行っております。また、電気防食技術を応用して冷却管の内面を防食する電解鉄イオン供給、海生生物の付着を防止する防汚の工事及び製品等販売も行っております。
事業区分 防食技術及びその応用技術 対象施設 港湾事業 (1) 電気防食 港湾施設及び船舶等(岸壁、桟橋、護岸、沖合構造物、防波堤、取水・放水施設、沈埋トンネル、生簀、浮体構造物等) (2) 被覆防食 (3) 塗装 地中事業 (1) 電気防食 地中埋設施設及び地上・地下タンク等(ガス、水道、農業用水、工業用水、石油等の埋設管、タンク底板、地下タンク、基礎杭等) 陸上事業 (1) 電気防食 陸上施設及びプラント装置等(復水器、熱交換器、冷却器、ポンプ、スクリーン、水門、ダム・堰、河川構造物、タンク内面、温水器・貯湯槽、水処理施設等) (2) 被覆防食 (3) 塗装 (4) 電解鉄イオン供給 (5) 防汚 その他 (1) 電気防食 鉄筋コンクリート構造物等(岸壁、桟橋、護岸、橋脚、橋梁等) (2) 被覆防食 (注) 「防食技術及びその応用技術」に表示しております(1)から(5)の番号につきましては、次葉より記載しております「1.防食技術及びその応用技術の説明」の番号に対応しております。
1.防食技術及びその応用技術の説明 (1) 電気防食 ① 腐食現象の概要金属の表面は一見均一に見えますが、局部においてはその化学組成、組織、酸化皮膜、付着物等が異なっております。また、環境側でも含まれている各種のイオン濃度、溶存酸素濃度、温度等が異なります。
これらの不均一性によって、局部的に電位の高低(陽極部と陰極部)を生じ、電池が形成されます。その結果、金属の中を電流は電位の高い方(陰極部)から低い方(陽極部)へ流れ、環境側では電位の低い方から高い方へ電流(腐食電流)が流れます。そして電位の低い部分で腐食(錆の発生)が起こります。
腐食の概念図 ② 電気防食の概要電気防食は、腐食が生じている金属表面に防食電流を流入させることで、腐食電流を消滅させる技術であります。電気防食法には、防食電流を流す方式の違いにより流電陽極方式と外部電源方式があります。
流電陽極方式は、異なる金属間の電位差による電池作用を利用して防食電流を流す方式であります。鋼材を防食する場合は、より電位の低い金属であるアルミニウム合金(ALAP)、マグネシウム合金(MAGNAP)あるいは亜鉛合金(ZAP・ZINAP)を取り付けます。
これらの金属は鋼材に取り付けられると陽極となり、鋼材に防食電流を流し、腐食を抑制します。
流電陽極方式の概念図 港湾施設(鋼管杭)に取付けられた アルミニウム合金陽極 外部電源方式は、直流電源装置と難溶性の電極を使用し、防食対象物と電極の間に直流電圧をかけて防食電流を流す方式であります。
電極としては高珪素鋳鉄電極、白金めっきチタン、金属酸化物被覆電極(MMO)等が使用されます。また、直流電源装置としては、一般的にシリコン整流器が使用されます。直流電源装置を稼働させるための電源の受電方法としては電力会社からの買電が一般的ですが、太陽光や風力等の自然エネルギーを利用することもできます。
外部電源方式の概念図 埋設管に対する外部電源方式の概念図 ③ 電気防食システム電気防食は、調査⇒設計⇒施工⇒維持管理⇒更新のサイクルで行われます。それぞれの概要は次のとおりであります。
(調査)構造物が設置される環境は、海水、淡水、土壌、コンクリート中と多岐にわたっており、それぞれの環境も地域、海域等により腐食や防食条件に及ぼす影響度が異なります。このため、構造物の腐食原因の調査、また、それぞれの環境に適合した電気防食設計を行うための環境調査を行っております。
(設計)前記の調査結果を踏まえて、防食装置の仕様、数量、設置位置等を含め、より合理的で経済的な防食設計を行っております。(施工)調査、設計によって作成された仕様書に基づき施工計画書を作成し、これをもとに施工しております。
当社の主力工事である港湾施設(岸壁、桟橋等)の電気防食工事の場合、その大部分がアルミニウム合金陽極(ALAP)の取付工事であり、鋼矢板や鋼管杭の所定の位置に陽極を水中溶接にて取り付けております。陽極取付完了後は、防食対象物の電位を測定して防食状態にあることを確認します。
港湾施設のアルミニウム合金陽極取付け概要図 (維持管理)電気防食装置の耐用年数は、10年から50年の場合が大半ですが、港湾施設に取り付けられるアルミニウム合金陽極は、100年という長期耐用の製品もあります。
港湾施設の電気防食でアルミニウム合金陽極を取り付けた場合、防食状態が維持されているかを確認するため、防食対象物の電位を測定しております。また、定期的に陽極の実際の消耗状態を調査することも行われます。
ガス、石油、水道等の埋設管は、周辺の土壌環境の変化、他の埋設管の電気防食装置あるいは電車の軌道からの洩れ電流の影響等により電気防食施工当初と条件が変わる場合があり、当初の電気防食装置では防食状態が維持できない状態になることもあるので、定期的に電気防食装置の維持管理を行う必要があります。
維持管理の方法には、遠隔監視装置を電気防食装置に取り付け、電位測定や直流電源装置の稼働状態を確認する方法もあります。(更新)電気防食装置の所定の耐用年数が経過し、継続して防食対象施設の腐食防止を図る場合には、維持管理の結果をもとに、電気防食装置の更新工事を行っております。
(2) 被覆防食被覆防食は、防食対象物を腐食環境から遮断する防食方法であります。岸壁、桟橋、護岸、橋脚等の鋼材の飛沫帯及び干満帯部分を防食テープ等の防食材及びFRPやチタン、ステンレス等の保護カバーで覆って防食します。
当社では近年の環境問題の高まりを考慮して、無溶出性の特殊樹脂を防食層とした被覆防食工法を開発しております。防食テープによる被覆防食工法 特殊樹脂による被覆防食工法 (3) 塗装塗装も防食対象物を腐食環境から遮断する防食方法であります。
石油タンクの外板、岸壁・桟橋、橋梁等に使用されている鋼材の腐食を特殊な塗料によって防食します。(4) 電解鉄イオン供給海水を冷却水として使用する復水器や熱交換器において、冷却水中に電解した鉄イオンを供給し、銅合金製の管板や冷却管内面に鉄皮膜を形成させて防食します。
移動式槽型鉄イオン供給装置は、トラックの荷台上に鉄電極を組み込んだ電解槽と直流電源装置を設置し、必要に応じて鉄イオンの供給を行うことが可能な装置であります。
(5) 防汚(海生生物付着防止技術)臨海地帯に建設されている発電所の取水路、スクリーン、熱交換器内面においては、海水との接水面でフジツボやイガイ等の海生生物が付着し、装置の機能障害が生じる場合があります。
当社の防汚技術は、電気化学理論を利用した方法であり、対象物の表面に触媒と一体化したチタンシートを貼り付け、表面から微弱な電流を流すことにより海生生物の付着を防止させるものであります。
2.鉄筋コンクリート構造物の電気防食コンクリート中の鉄筋は、通常はコンクリートの強いアルカリ性により表面に不動態皮膜という保護膜を作りサビることはありません。
しかし、飛来塩分や凍結防止剤などがコンクリート中に浸透して、塩化物イオンが一定量以上になると不動態皮膜が破壊され、鉄筋の腐食が進行しサビを形成します。このサビがコンクリートを押し広げ、ひび割れや剥離などを生じさせます。このコンクリート中の鉄筋の腐食についても電気防食で防止することができます。
外部電源方式の「リボンメッシュ方式」は、リボン状のチタン製帯状陽極を溝切りしたコンクリートの中に埋め込み、直流電源装置を使用して鉄筋に防食電流を供給する方式で、多くの適用実績があります。近年、流電陽極方式の「NAKAROD方式」を開発しました。
犠牲陽極材と電解質層を収納するFRPトラフをコンクリート表面にビス留めします。陽極材とコンクリート中の鋼材は導線でつなぎます。施工が簡便であることや外部電源方式に比べ,維持管理が容易であるといった特徴があります。
NAKAROD方式によるコンクリート構造物の電気防食 [事業系統図]地域支店制をベースとした事業系統図は次のとおりであります。(注) 各支店はそれぞれ、港湾、地中、陸上、その他の事業活動を行っております。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
47.55/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 109億 | 109億 ↓0.1% | 110億 ↑0.5% | 110億 ↑0.4% | 130億 ↑18.1% | 129億 ↓0.8% | 142億 ↑9.7% | 138億 ↓2.7% | 147億 ↑6.9% | 149億 ↑1.2% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 8億 | 4億 ↓47.3% | 6億 ↑39.9% | 6億 ↑3.7% | 13億 ↑105.1% | 11億 ↓16.6% | 12億 ↑17.3% | 12億 ↓5.6% | 15億 ↑23.9% | 13億 ↓10.0% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 9億 | 5億 ↓44.8% | 6億 ↑36.0% | 7億 ↑4.0% | 13億 ↑97.2% | 11億 ↓16.3% | 13億 ↑16.2% | 12億 ↓5.4% | 15億 ↑24.8% | 14億 ↓7.8% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 6億 | 3億 ↓44.3% | 4億 ↑36.6% | 5億 ↑6.6% | 9億 ↑93.3% | 8億 ↓15.3% | 9億 ↑17.7% | 8億 ↓7.2% | 10億 ↑25.4% | 12億 ↑13.3% |
| 収益性 | ||||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 111.3円 | 62.1円 ↓44.2% | 171.8円 ↑176.8% | 185.6円 ↑8.0% | 365.8円 ↑97.1% | 312.2円 ↓14.7% | 365.0円 ↑16.9% | 339.1円 ↓7.1% | 425.5円 ↑25.5% | 482.5円 ↑13.4% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 8.28% | 4.48% ↓45.9% | 6.11% ↑36.4% | 6.54% ↑7.0% | 12.37% ↑89.1% | 10.12% ↓18.2% | 11.50% ↑13.6% | 10.20% ↓11.3% | 12.30% ↑20.6% | 13.10% ↑6.5% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 5.50% | 3.03% ↓44.9% | 4.06% ↑34.0% | 4.41% ↑8.6% | 8.01% ↑81.6% | 7.03% ↓12.2% | 7.87% ↑11.9% | 7.37% ↓6.4% | 8.62% ↑17.0% | 9.75% ↑13.1% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 7.45% | 3.93% ↓47.2% | 5.46% ↑38.9% | 5.64% ↑3.3% | 9.80% ↑73.8% | 8.23% ↓16.0% | 8.81% ↑7.0% | 8.54% ↓3.1% | 9.90% ↑15.9% | 8.80% ↓11.1% |
| キャッシュフロー | ||||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | -7,916万 | 8億 ↑1054.6% | 6億 ↓25.2% | 4億 ↓26.3% | -717万 ↓101.7% | 13億 ↑18621.7% | 8億 ↓38.1% | 12億 ↑49.2% | 7億 ↓43.6% | 17億 ↑144.2% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -6,448万 | -2億 ↓265.0% | -1億 ↑47.8% | -1億 ↓12.7% | -1億 ↑11.4% | -2億 ↓82.9% | -2億 ↑17.4% | -8,936万 ↑51.8% | -1億 ↓27.8% | 2,518万 ↑122.0% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | -3億 | -3億 ↓9.9% | -4億 ↓53.9% | -5億 ↓5.3% | -6億 ↓33.2% | -8億 ↓27.7% | -5億 ↑32.0% | -6億 ↓15.4% | -6億 ↑6.0% | -8億 ↓34.1% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | -1億 | 5億 ↑462.2% | 4億 ↓14.9% | 3億 ↓37.2% | -1億 ↓146.6% | 11億 ↑951.3% | 6億 ↓42.3% | 11億 ↑78.6% | 6億 ↓49.2% | 17億 ↑196.8% |
| 財務 | ||||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 105億 | 106億 ↑0.9% | 108億 ↑2.0% | 106億 ↓1.7% | 113億 ↑6.4% | 109億 ↓3.5% | 114億 ↑5.1% | 113億 ↓0.8% | 121億 ↑7.2% | 122億 ↑0.2% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 70億 | 71億 ↑0.4% | 71億 ↓0.1% | 71億 ↓0.0% | 73億 ↑3.9% | 75億 ↑2.7% | 79億 ↑4.7% | 81億 ↑2.6% | 86億 ↑5.6% | 90億 ↑4.7% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 67.90% | 68.00% ↑0.1% | 66.40% ↓2.4% | 67.30% ↑1.4% | 66.20% ↓1.6% | 70.40% ↑6.3% | 70.10% ↓0.4% | 73.30% ↑4.6% | 71.90% ↓1.9% | 77.00% ↑7.1% |
| 配当 | ||||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 55.0円 | 55.0円 ↑0.0% | 125.0円 ↑127.3% | 130.0円 ↑4.0% | 330.0円 ↑153.8% | 220.0円 ↓33.3% | 255.0円 ↑15.9% | 240.0円 ↓5.9% | 300.0円 ↑25.0% | 335.0円 ↑11.7% |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 49.41% | 88.61% ↑79.3% | 72.75% ↓17.9% | 70.05% ↓3.7% | 90.21% ↑28.8% | 70.47% ↓21.9% | 69.86% ↓0.9% | 70.78% ↑1.3% | 70.50% ↓0.4% | 69.43% ↓1.5% |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ 株式分割を考慮し、現在の株数基準に換算した調整後配当を表示しています
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。