当社及びその子会社(以下「当社グループ」という。)は、本書提出日現在、当社及び連結子会社22社(国内7社、海外15社)により構成されています。当社グループは、メモリ及び関連製品の製造、販売、研究開発、その他サービスを行っています。
当社グループ及び関連会社等6社(国内4社、海外2社)は、メモリ及び関連製品の製造、販売、研究開発、その他サービスを行う、世界最大級(注)のフラッシュメモリ専業プレイヤーです。(注) 出典:TechInsights Inc.“NAND Market Report Q1 2026”による。
2025年4月から2026年3月におけるビット生産量ベース(Sandiskグループの生産量を含む。
) なお、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。
当社グループの報告セグメントは「メモリ事業」単一でありますが、売上収益を製品の用途に応じたアプリケーション別に、「SSD & ストレージ」、「スマートデバイス」及び「その他」に区分しております。
「SSD & ストレージ」には主にPC、データセンター、エンタープライズ向けSSD製品及びメモリ製品が含まれております。「スマートデバイス」にはスマートフォン、タブレット、テレビ等の民生機器、車載、産業機器等の用途で使用される制御機能付きの組み込み式メモリ製品が含まれています。
「その他」にはSDメモリカード、USBメモリ等のリテール向け製品及び製造合弁会社3社経由で計上されるSandiskグループ向けの売上収益等が含まれています。当社グループ及び関連会社等各社の報告セグメントにおける位置付けと製品分野別の事業内容は以下のとおりです。
(本書提出日現在) 報告セグメント 当社及び関係会社の位置付け 製造 販売 研究開発 その他サービス メモリ事業 キオクシア㈱、キオクシア岩手㈱、キオクシアエンジニアリング㈱、キオクシアエネルギー・マネジメント㈱、キオクシア半導体台湾社、Solid State Storage Technology Corporation、フラッシュパートナーズ㈲、フラッシュアライアンス㈲、フラッシュフォワード合同会社、ディー・ティー・ファインエレクトロニクス㈱ キオクシア㈱、キオクシアアメリカ社、キオクシアヨーロッパ社、キオクシア中国社、キオクシア韓国社、キオクシアシンガポール社、キオクシア台湾社、Solid State Storage Technology Corporation キオクシア㈱、キオクシアエンジニアリング㈱、キオクシアシステムズ㈱、キオクシアテクノロジーUK社、キオクシアイスラエル社、Solid State Storage Technology Corporation キオクシアエトワール㈱ 当社グループのメモリ事業が開発・製造・販売しているNAND型フラッシュメモリとは、当社グループが1987年に発明し世界標準となった不揮発性半導体メモリ(注1)であり、大容量のデータ保存を可能にする記憶用デバイスです。
スマートフォンで写真・動画などを保存するために使われるほか、身近な電子機器やデータセンター等においても、欠かすことのできないコアデバイス(基幹部品)となっています。当社グループは市場の要求に応えるために、フラッシュメモリの微細化(注2)による大容量化、及びコスト低減を推進してきました。
もっとも、極度の微細化には電子同士が干渉しエラーが起きやすくなるという課題がありました。そこで当社グループではメモリセルを積み上げることで干渉を防ぐ積層化技術(注3)により、大容量化と信頼性の向上、低消費電力化を実現したBiCS FLASH™を開発しました。
本書提出日現在は第8世代BiCS FLASH™を量産しています。第8世代BiCS FLASH™には、高メモリ密度の実現により高性能動作を図るため、CBA(CMOS directly Bonded to Array)(注4)とOPS(On Pitch SGD)(注5)という新技術が用いられています。
近年、フラッシュメモリ市場においては、データセンター、エンタープライズ向けSSDの需要が拡大しており、これまで以上に大容量化、信頼性の向上、低消費電力化が求められています。当社グループは、更なる大容量化、高速化に向けた次世代の半導体メモリの開発も進めています。
フラッシュメモリチップは、当社グループの四日市工場及び北上工場において製造しています。半導体は材料となるシリコンウエハー上に微細な集積回路を作りこむため工程は数百に及び、製造プロセスの効率化は至上命題です。
四日市工場及び北上工場では、生産効率の向上と生産コストの低減に向けた生産ラインの自動化を徹底しており、特に四日市工場では2022年10月に竣工した四日市第7製造棟を含む6つの製造棟を棟間搬送で連結する統合生産体制を確立しております。
さらに、高い生産効率を実現するため、開発と量産の拠点一体化、AI・ビッグデータを活用したスマートファクトリー化も進めております。
また、今後も続くと想定される3次元フラッシュメモリの需要に継続的に対応するため、BiCS FLASH™の生産能力の増強を目的として、2022年4月から北上工場第2製造棟(K2棟)の建設を開始し、2025年9月に稼働を開始しております。
四日市既存製造棟と同様に、地震の揺れを吸収する免震構造を採用するとともに、最新の省エネ製造設備の導入や再生可能エネルギーの利用などで環境面も重視した工場となっております。
また、四日市工場とともに人工知能(AI)を活用した生産システムの導入などを推進し、全社製造オペレーションの生産性及びフラッシュメモリ製品の品質をさらに向上させます。
今後も大容量化に向けた技術開発、生産体制の拡大、コントローラ(ICチップ/ファームウェア)開発等の強化により、技術力とコスト競争力の両面における長期的な優位性の確保に努めてまいります。
なお、当社グループは、Sandiskグループとの間で製造合弁契約を締結し、キオクシア株式会社とSandiskグループが共同出資する製造合弁会社3社を設立しています。
合弁契約に基づき、製造合弁会社3社が当社グループ及びSandiskグループからの資金借り入れ又は製造合弁会社3社によるリース契約により生産設備を調達し、当社グループの四日市工場及び北上工場に設置、キオクシア株式会社が製造合弁会社3社から製造委託を受け、無償貸与された生産設備にて生産をしております。
当社グループとSandiskグループは、合弁事業を通じて四日市工場と北上工場の生産能力合計の約80%を共有し、当社グループが残りの約20%を単独で所有しています。
合弁契約に基づき、当社グループとSandiskグループは、それぞれ製造合弁会社3社が所有する生産能力の各半分(すなわち、上記2工場の生産能力合計の各約40%)を割り当てられている一方、当社グループは上記2工場の運営を行い、製造ノウハウを有しています。
また、当社グループは、製造合弁会社3社各社の議決権の50.1%を所有しており、IFRSに基づく共同支配事業として、その資産、負債、収益及び費用の50%を連結財務諸表に計上しています。
なお、当社グループ及びSandiskグループは、2026年1月に四日市工場におけるこの製造合弁会社の契約期間を、従来の2029年12月31日から2034年12月31日に5年間延長しました。
この契約期間延長にあわせて、契約条件も見直し、当社グループは、Sandiskグループに対する製造サービスの対価として、2026年から2029年にかけて、合計11億6,500万米ドルを受領する予定です。
これにより、当社グループはSandiskグループとの合弁事業を当社グループが提供する戦略的及び技術的価値、並びに生産プロセスが創出するNAND市場での付加価値の対価を反映したモデルへと転換しました。
SSD & ストレージの主要製品であるSSD(Solid State Drive)は、半導体メモリ(フラッシュメモリ)を記憶素子とするストレージ製品です。HDDに比べて読み出し性能、衝撃・振動等の耐環境性、静寂性に優れ、待機時の消費電力が低いことも特徴の一つです。
AIを搭載したスマートフォンやPC、データセンターを含むAI関連の機器やサービスの普及等により、今後も成長が見込まれています。当社グループはクライアント及びエンタープライズ製品において最先端PCIe®製品を他社に先駆けて上市し、市場における優位性を確立しているものと認識しています。
また、自社製フラッシュメモリを活用し、一般汎用品から高付加価値品まで幅広いラインアップを展開しています。
スマートデバイスにおいては、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス、テレビ等の民生機器、車載、産業機器など、幅広いアプリケーションで利用される制御機能付きの組み込み式メモリ製品群に注力しています。
特にスマートフォン向けメモリ製品の市場は依然として規模が大きく、成長しているアプリケーションであり、当社グループにとって重要なマーケットとなっております。
また、その他には、SDメモリカード、USBメモリ等のリテール向け製品及び製造合弁会社3社経由で計上されるSandiskグループ向けの売上収益等が含まれます。今後も製品ラインアップの強化とサポート体制の強化により、市場でのプレゼンス向上を目指します。
アプリケーション別売上収益比率(2026年3月期)(注6) (注)1.不揮発性半導体メモリとは、電源を切っても記憶が消えないメモリです。2.微細化とは、メモリチップの中の回路線幅を狭くすることでメモリセル(1ビットの情報を保持するために必要な回路構成)の面積を縮小する技術です。
3.積層化技術とは、メモリセルを多層構造にする技術です。4.CBAとは、メモリセルの制御を担うCMOS回路とメモリセルアレイを2枚のウエハーに別々に作製し、その後2枚のウエハーを貼り合わせる技術です。
5.OPSとは、選択ゲート分離体を、メモリ機能を持つメモリストリング間に配置し、ダミーメモリストリングを削除することで、メモリ密度を高める技術です。6.小数点以下第2位を四捨五入しております。(事業系統図) ○印は連結子会社、※印は関連会社等です。
(注) キオクシア株式会社及びキオクシアシステムズ株式会社のほか、キオクシアエンジニアリング株式会社において研究開発活動を行っています。
また、キオクシアイスラエル社とキオクシアテクノロジーUK社においてはSSDソフトウェア・SSD製品に係る研究開発活動を、Solid State Storage Technology CorporationにおいてはSSD製品に係る研究開発活動を行っています。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
40.65/ 100
| 指標 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 損益 | ||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 1兆7,065億 | 2兆3,376億 ↑37.0% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 4,517億 | 8,704億 ↑92.7% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 8億 | 929億 ↑12069.7% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 2,723億 | 5,545億 ↑103.6% |
| 収益性 | ||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 520.0円 | 1024.1円 ↑97.0% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 45.90% | 51.90% ↑13.1% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 9.33% | 15.03% ↑61.1% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 26.47% | 37.23% ↑40.6% |
| キャッシュフロー | ||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 4,764億 | 6,165億 ↑29.4% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -1,730億 | -2,215億 ↓28.0% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | -3,227億 | -961億 ↑70.2% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 3,034億 | 3,950億 ↑30.2% |
| 財務 | ||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 2兆9,197億 | 3兆6,901億 ↑26.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 1兆1,695億 | 9,182億 ↓21.5% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 25.30% | 37.90% ↑49.8% |
| 配当 | ||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。