当社グループは「ヒラメキあふれる世界をつくる」をミッションとして掲げております。今後日本国内では労働人口の減少から人材獲得がより難しくなるとともに、事業環境の変化がますます速まることが予想され、事業に関わる社員等の育成や組織能力の向上は不可欠になると見込まれます。
そして正解のわからない環境下において、多様かつ信頼できる知は、組織及びビジネスパーソンの選択肢を増やし、一人ひとりの歩みを強め、組織の成功や個人の活躍を導くと考えております。
そのため当社は、知のエッセンスを伝わりやすい形で多くの人に届け、知の活用や連鎖による組織能力の向上と個人の活躍推進を促すプラットフォームを築き、社会に貢献することを目指しています。
当社の運営する「本の要約サービス flier(フライヤー)」は、本を読みたいけれども読み切れない、自分が必要としている本を見つけられないという2つの課題の解決を支援するサービスとして生まれました。
年間6,000冊以上発刊されるビジネス書から厳選された本の要約コンテンツや動画、特集記事等を提供するサービスとして、創業時より一貫して継続運営しています。要約は1冊約10分で読める分量としていて、テキスト形式だけでなく、音声再生にも対応しています。
通勤時間、休憩時間、就寝前等のすきま時間を有効活用し、教養やビジネススキルを身につけることができます。全ての要約コンテンツは出版社や著者等の本の作り手の許諾を得たのちに原稿制作に着手し、制作した要約原稿も全て出版社等に確認いただいています。
信頼性の高い媒体である本を元に、関係者の確認を経た要約を提供していることに、当社独自の特徴が表れています。(1) 当社のビジネスモデルについて「本の要約サービス flier(フライヤー)」は、クラウドサービスの形で提供しております。
法人あるいは個人から継続的に対価を受領するサブスクリプション(月額課金)モデルです。
法人向けには、社内利用促進や利用状況確認のための機能を合わせて提供するクラウドサービス「flier business」で、課金形態はサブスクリプションのSaaS(Software as a Service)型のビジネスモデルとなっています。
2026年2月期連結会計年度の売上高の2/3超を占める法人顧客向けの事業(エンタープライズ事業セグメント)が当社の事業の中核を担っています。
また、個人顧客向けの事業(コンシューマ事業セグメント)はビジネスパーソンを中心とした個人の自己研鑽に資するサービスとして安定的な成長を実現するとともに、当社ブランドの認知度向上に大きく貢献しています。
顧客ターゲットはそれぞれ、個人顧客向けでは学習欲の高いアーリーアダプター層、法人向けは学習欲の高い層に加え、あまり意欲的ではない学習欲中程度以下のボリュームゾーンも含めてターゲットとしています。
個人顧客向けは、終身雇用制度の終焉、フリーランスの増加、雇用の流動化のトレンドの中で学習欲の高い層が増加していくことが予想されるため、コンテンツの質をさらに磨き続けることで継続的な利用と新規の利用を促します。
法人向けでは、企業が社員の定着・優秀人材確保のために、継続的な研修・学びの機会を求めており、社員教育・研修を担当する人事研修担当者を通じて、間接的にボリュームゾーンへアプローチすることで、サービスの裾野を広げていきます。
(注)CAGRは2023年2月期~2026年2月期における売上高の年平均成長率を記載しています。
当社の組織は、主にエンジニアとコンテンツ編集者がサービスの基盤となり、セールス及びカスタマーサクセスがエンタープライズ事業セグメントを支え、出版社・著者等の知を生み出す方々との関係を強化するチームを有するという特性があります。
(2) 主要な事業の概要 <エンタープライズ事業セグメント>企業における人材育成や福利厚生等を目的として従業員向けに当社が提供する法人向け事業が中核となっています。
そのほかにもインターネットカフェや公共図書館等の施設向けの事業、法人向けの研修事業、組織の人材投資に対する成果を見える化するスコアリングサービス「flier成長組織ナビ」等の新規サービスも積極的に展開しております。
既出のグラフ「セグメント別売上高推移(四半期)」のとおり、エンタープライズ事業セグメントは直近の3年で約2倍の売上高に拡大しています。累計法人契約社数は1,362社(注)となっています(2026年2月末時点)。
(注) エンタープライズ事業セグメントにおける有償の累計契約社数 ◆ 「flier business」(法人向け)法人向けサービスである「flier business」は、「本の要約サービスflier」を活用した人材育成サービスです。
提供アカウント数に応じた月額固定費をお支払いいただくSaaSのサブスクリプション型のビジネスモデルで、従業員の自律的学習の推進や学びの文化形成等を目的として導入されています。また、事業の拡大に向け代理店網の開拓や様々な企業との協業を積極的に推進しています。
flier businessで提供するサービスの主な機能とその概要 主な機能 機能概要 要約詳細 1冊約10分で読める本の要約コンテンツの閲覧画面。9割以上のコンテンツは音声版にも対応。要約ランキング flierユーザ全体及び導入企業内の要約閲覧ランキングを紹介。
ビジネスパーソンや社内で話題の書籍が探しやすい一覧。学びメモ 要約から得られた学びをアウトプットする機能。他ユーザからも閲覧書籍や学びメモが見えるSNS(注1)構造により、新たな本に興味を持つ機会や他者からの視点を知ることでさらに学びを深める機会を提供。
読書プログラム 要約全体から特定の書籍をピックアップしてお勧めする社内専用の要約推薦リスト機能。企業における教育プログラムに応じた要約を選出することが可能。プレイリスト 要約全体から有識者や当社編集部から良書をお勧めする要約の推薦リスト機能。
みんなの投票箱 要約読了後の問いに答え、他者の回答分布に触れる参加型機能。1クリックでの「自分ごと化」により、アウトプットを伴う能動的な学びを促進。AIお悩み解決サーチ(β) AI(注2)が4,200冊超の要約を解析し(注3)、個々の悩みや課題に最適な一冊を提案する機能。
文脈を理解したマッチングと個別推薦理由の提示により、選書のハードルを解消。管理者機能 導入担当者向けの管理機能群。要約閲覧数推移 企業内の要約閲覧数を日次・月次で確認することが可能。ユーザ別閲覧数ランキング 企業内のユーザごとの閲覧数をランキング形式で確認することが可能。
要約閲覧数ランキング 企業内の書籍ごとの閲覧数をランキング形式で確認することができ、社内や部署でのトレンドの把握が可能。推薦書籍のプッシュ機能 企業独自に、従業員へのおすすめ要約を登録・通知する機能。ユーザ登録・削除 アカウントの登録・削除は、担当者による作業で完結することが可能。
人的資本開示機能 人的資本情報に関連する項目を閲覧できる機能。サービスの利用状況を集計し、研修時間等人的資本の開示項目に利用可能な情報を提供。サービス連携 管理画面へのSAML/SSO認証(注4)やSlackとのチャットツール連携等、各種サービス連携への対応。
(注) 1.Social Networking Serviceの略。Web上で社会的ネットワークを構築するサービス。
2.セマンティック検索(単なるキーワード照合ではなく「概念的な親和性」でマッチングを行う技術)と、LLM(Large Language Model=生成AI)を活用した推薦文生成を組み合わせた独自の仕組み。
3.解析対象は、許諾を得て作成した要約のデータセット及び書籍名のみであり、推薦文の生成にあたり、書籍本文データの読み込みや利用は一切行っておりません。4.Security Assertion Markup Language/Single Sign On認証の略。
インターネットドメイン間でユーザ認証を行うためのマークアップ言語をベースにした標準規格であり、特にSSOは一度のログインで複数のサービスへのログインを実現するための規格となります。
◆ 施設向け事業施設向け事業に関しては、施設のWi-Fiにスマートフォンを接続することにより、その施設内での要約閲覧が可能になるサービスとして「本の要約サービス flier(フライヤー)」をカスタマイズしています。
施設の滞在時間をより価値が高い時間にすることで施設の場の力をより高めることにつながります。他にも書店等で本のPOP(注)に2次元コードを添付することで、その本の要約が閲覧できる機能を提供しています。
2026年2月末現在、全国の200店超の書店においてフライヤーの本の閲覧実績に基づいた特集陳列コーナーの「フライヤー棚」を提供しています。本取り組みは出版社・著者とのリレーション強化において、重要な役割を担っています。
収益形態は主に「flier business」同様SaaSのサブスクリプション型のビジネスモデルとなっています。主なカスタマイズ カスタマイズ概要 Wi-Fi接続 シェアオフィス、インターネットカフェ、公共図書館等の施設向け機能。
スマートフォン、PC、タブレット等から施設が提供するWi-Fiに接続することで、要約が読み放題になる。2次元コード読み取り 書店等の店舗向け機能。スマートフォン等の端末から2次元コードを読み込むことで、特定の本の要約が閲覧できる。(注) Point Of Purchase advertisingの略。
書店等の売り場における展示物。◆ 法人向け研修事業主にflier businessの利用企業向けに研修を提供しています。
リーダー層向けに本を主題にして他企業の同階層の人とともに越境型学習を行い自分なりのリーダーシップを見つける「越境マネジメントプログラム」、第一線の講師の方と集中的に学ぶ講座、著者によるセミナー等がラインナップされています。実施された研修単位で料金が発生する収益形態となっています。
◆ 「flier成長組織ナビ」「flier成長組織ナビ」は、従業員一人ひとりの成長環境を確保するための要素を独自に調査・分析し、従業員と企業を成長に導く新しい概念のサーベイです。
「制度・関係性・循環・学びの姿勢・成長実感」という5つの項目から、「成長組織スコア」を構成し、人が育ち成長する「成長組織」への変革を支援します。
<コンシューマ事業セグメント>◆ 「本の要約サービス flier」(個人向け)話題のビジネス書や名著・ベストセラーを1冊約10分の要約で楽しめる自己研鑽サービスとして、個人向けに「本の要約サービス flier」を提供しています。
要約が読み放題の月額2,200円(税込)のゴールドプラン、月5冊まで好きな要約が読める月額550円(税込)のシルバープラン、20冊程度のサンプルの要約が閲覧できるフリープランがあります。なお、要約の9割以上は音声で聞くこともできます。
エンタープライズ事業セグメントの「flier business」と同様に、月額課金のサブスクリプションモデルとなっています。
◆ 「flier book labo」「flier book camp」(オンラインコミュニティ)コンシューマ向けに読書好きが集まるオンライン読書コミュニティの「flier book labo」を運営しています(月額5,500円(税込))。
会員同士の交流のほか、著者等の著名パーソナリティが開催する読者会や短期講座「flier book camp」(16,500円(税込)/講座※)を開催。
2026年2月末現在、「flier book labo」に協力いただいている著名パーソナリティーは76名となり、「flier book labo」は本という共通の興味を持つ仲間と刺激し合う場を築いています。※受講者はコミュニティ会員費とは別に「flier book camp」受講料の支払が発生します。
◆ 「flier公式チャンネル」(広告事業)「flier 公式チャンネル」は本を軸にしたディープなインタビュー番組として、学びを深める多様な動画コンテンツを配信しています。
アカデミア・クリエイター・ビジネス等の幅広い分野のトップランナーや著名人をゲストに迎え、今ビジネスパーソンに知ってもらいたい「学び」の動画を提供しています。
◆ 「AIStep」(スクール事業)子会社AIStep社が運営する、未経験から最短1か月で副業・フリーランスデビューを目指すことのできる次世代フリーランスの養成講座です。
受講期間ごとに4.5か月から5.5か月のコースを提供しており、スキル習得から商談獲得までを支援するカリキュラム構成を特徴としています。◆ 「Find me !」(スクール事業)子会社Zealox社が運営する、未経験の女性に特化したWebデザインスクール。
マンツーマン体制で、在宅ワークや副業など自分らしい働き方を伴走支援。入会時の初期費用と、サポート別に月額固定費をお支払いいただくSaaSのサブスクリプション型のハイブリッド型のビジネスモデルです。
(3) 「本の要約サービス flier」コンテンツ概要「flier」は、本の要約コンテンツ、動画コンテンツ、特集コンテンツの主に3種類の自社作成コンテンツを提供しています。
本の要約コンテンツを作成するにあたり、ビジネスパーソンが今おさえるべき話題の本やロングセラーの本を社内外の有識者を集めた選書委員会にて選出し、出版社や著者等の権利者の許諾を得て、要約を作成します(注1)。
要約は、50名以上の外部の専門性の高いライターが主に作成し、当社編集者が確認・校正したものを権利者に確認いただいた上で、ユーザに公開します。全ての要約コンテンツがこの流れで作成され、事前の要約作成許諾及び要約原稿の確認を進めることにより、信頼性を高めることに努めています。
2026年2月末現在、提携出版社数は190社超に及びます。そして、提供している要約の数は、毎日1冊以上、年間では400冊程度を追加しており、2026年2月末現在で4,200冊超となります。
動画コンテンツは、著名人の人生に大きな影響を与えた本をその方自身が紹介するDigTalkシリーズ(注2)と、ビジネスパーソンが知るべきリベラルアーツを専門家が語るサブ・アカデミアシリーズ(注3)等を展開しています。
その他に、著名人へのインタビュー記事や、当社編集部による本の推薦記事、出版社からの推薦記事等の特集コンテンツを展開しています。(注) 1.出版社・著者は宣伝機会・販売機会等の一環としており、許諾取得に際して著作権使用料の支払いは発生しません。
2.各分野のトップランナーをゲストに招き、人生において大きな影響を受けた本を紹介する約10分間の動画コンテンツのシリーズ。3.自分らしい人生を生きるために必要な問いを「リベラルアーツ」から学べる約10分間の動画コンテンツのシリーズ。
(4) 当社の強み当社の事業は、エンタープライズ事業セグメント、コンシューマ事業セグメントともにサブスクリプションモデルの収入を主としており、中でも主力であるエンタープライズ事業の解約率(Net Revenue Churn Rate(注1))は1.45%と低く抑えられているため、将来の収益が見通しやすいという点が強みであると考えております。
エンタープライズ事業セグメント、コンシューマ事業セグメント合わせた累計会員数は130万人(2026年2月末時点)、メールマガジンの購読者数は約60万人(2026年2月末時点)となっており、拡大傾向にあります。
ユーザ数の拡大により、出版社・著者等の知の生産者にとっての魅力が高まり、魅力が高まることにより出版社・著者等の協力関係が強固となり、より多くの質の高いコンテンツを発信することができ、コンテンツがサービスの魅力を量と質ともに高めることで、さらにユーザ数の拡大に寄与します。
これらは相互に作用しながら、資産として蓄積されることで高い参入障壁を形成しフライヤーの競争優位を築いているものと認識しています。さらに、出版社及び著者やユーザ企業との関係が継続的に拡大する傾向があることから、新しい企画や取り組み時にも活かしやすいという点も強みであると考えております。
加えて、特にエンタープライズ事業セグメントにおいては、ユニットエコノミクス(売上案件ごとの顧客獲得コストに対する将来期待収益(ライフタイムバリュー)(注2))が約6.6倍を記録しており、営業活動においても費用に対して高い収益効果を実現している収益構造となっている点が強みであると考えております。
(注) 1.(月次の新規受注額+既存顧客の金額変更―既存顧客の解約額)/(前月末の既存顧客に対する継続課金残高)をレベニューチャーンレートとして月次解約率の指標として用いています。数値は2024年3月~2025年2月における各月の月次解約率の平均値となります。
2.ユニットエコノミクスの計算式は、売上案件ごとの将来期待収益(ライフタイムバリュー)÷ 売上案件ごとの顧客獲得コストとなります。また、売上案件ごとの将来期待収益(ライフタイムバリュー)は、売上案件ごとの月次平均売上額÷ Net Revenue Churn Rateにて算出しています。
グラフ(左):累計会員数推移(エンタープライズ事業セグメントとコンシューマ事業セグメントの合計)グラフ(右):累計法人契約社数推移(「flier business」に加えて施設向け事業も含めた法人契約社数) [事業系統図]。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
29.25/ 100
| 指標 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 損益 | ||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 9億 | 11億 ↑12.7% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 810万 | 3,051万 ↑276.5% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 205万 | 3,041万 ↑1384.9% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 1,104万 | 1,331万 ↑20.5% |
| 収益性 | ||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 3.6円 | 3.9円 ↑8.3% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 8.20% | 4.40% ↓46.3% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 1.87% | 1.06% ↓43.3% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 0.85% | 2.85% ↑235.3% |
| キャッシュフロー | ||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 5,977万 | 3,453万 ↓42.2% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | 54万 | -4億 ↓70205.2% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 9,623万 | 4億 ↑313.5% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 6,031万 | -3億 ↓672.7% |
| 財務 | ||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 6億 | 13億 ↑112.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 2億 | 3億 ↑33.4% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 38.30% | 24.10% ↓37.1% |
| 配当 | ||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。