当社グループの事業の目的は、我が国で少子高齢化が進み医療費の増加が大きな社会問題となる中、国民の健康と医療費適正化に持続的に貢献することにあります。当社グループは、当社および連結子会社2社で構成されております。
当社グループが営むヘルスケア事業は、自社で制作している医療関連データベース(*1)を利用したソフトウエアを開発し、このソフトウエアを利用したデータヘルス(*2)関連サービスを保険者等に提供することを主としております。
また、自治体、大学、製薬会社等へ様々なデータソリューション提供を通じて創出したエビデンスを社会に還元するデータ利活用サービスを展開しております。なお、当社グループはヘルスケア事業の単一セグメントであります。
1.ヘルスケア事業 当社グループのヘルスケア事業は、主に保険者(*3)に提供するデータヘルス関連の保険者向け情報サービスと、自治体、大学、製薬会社等へ様々なデータソリューション提供を通じて創出したエビデンスを社会に還元するデータ利活用サービスで構成されております。
(1)データヘルス関連サービス データヘルス関連サービスは、主に保険者と契約し保険者と加入者に提供しております。
保険者から預かったレセプト(*4)と特定健診のデータを分析し、医療費適正化のために、データヘルス計画作成支援等の分析レポートの提供と、保健事業の支援として、加入者への各種通知書の送付、加入者への保健指導を行うとともに、健康管理アプリ「kencom」を提供しております。
レセプトは、医科・調剤等の全てに対応しており、電子レセプトは未コード化病名(*5)もコード化し、紙レセプトの画像データをレセプトOCR変換技術(*6)でコード化した上で、分析を行っております。
コード化と分析については、長年にわたって開発してきた医療関連データベースと、三つの独自の技術(傷病ごとの医療費を把握する医療費分解(*7)、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化する傷病管理システム(*8)、現在治療中の傷病名だけを判定することができるレセプト分析システムおよび分析方法(*9))を、活用しております。
①データヘルス計画作成支援等の分析レポートの提供 分析結果に基づく医療費の適正化ポテンシャルを測定したポテンシャル分析および、データヘルス計画作成支援を行っています。
データヘルス計画作成支援は、保険者の現状の把握、課題の抽出、課題に応じた事業の選定、目標の設定〈ポテンシャル分析〉から製本まで、保険者のニーズに合わせた支援を行っております。
②保健事業支援 分析結果から対象者を抽出し、保険者に代わって加入者へ通知書の送付や指導、健康管理アプリの提供を行うことで、保険者の保健事業を支援しております。
また、保健事業の結果をレセプトで分析することで、モニタリング・チェック・成果測定を行い、PDCAサイクルに乗ったアウトカムの見える事業として提供しております。
a. 加入者への各種通知書の送付 ポリファーマシー、重複服薬、重複受診、頻回受診、生活習慣病放置者の対策のための通知と、ジェネリック医薬品(*10)普及促進のための通知等を行っております。
b. 加入者への保健指導 糖尿病を中心として重症化予防、頻回受診などの受診行動適正の指導を、面談、電話、タブレット端末により行っております。
なお、重症化予防指導は、慢性疾患(現在は主に糖尿病を対象)に罹患された方に対し、適切な情報および問題解決技法等の提供を通じ、病気の進行の防止や健康なライフスタイルの維持を図るものであります。
c. 健康管理アプリ「kencom」の運営・提供 健診結果などの健康データ、個々の健康状態に合わせた情報などのコンテンツ提供を行うヘルスケアエンターテインメントアプリ「kencom」を加入者に提供するサービスです。連結子会社であるDeSCヘルスケア㈱が本サービスの運営を行っております。
(2)データ利活用サービス データ利活用サービスは、製薬会社やアカデミア等を顧客とし、当社が保険者(地方公共団体等)と締結する契約に基づき、適法に利用許諾を得た匿名加工情報等を公益目的に沿った形で各種ソリューションを提供するサービスです。
当社のデータヘルス関連サービスは、高齢者層に関する情報を豊富に有する市町村国保、後期高齢者医療広域連合を含む保険者への提供が多く、これら保険者との契約に基づき慢性疾患と医薬品に関する分析やエビデンス創出に有用なソリューションの提供が可能となっております。
本サービスは顧客に対しては分析、解析、ならびに各種ツール等の提供を通じて、エビデンス創出を支援しております。2026年3月末時点の直近12カ月におけるソリューション提供先は94社(うち製薬企業等43社)にのぼり、累計400件以上の学会発表・論文掲載の実績を有しております。
[事業系統図] 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
(注) 日本の医療保険制度の解説 日本では、国民皆保険制度により、日本国民ならだれでも、健康保険(会社で働く人が加入する組合管掌健康保険と全国健康保険協会)、共済組合(公務員等)、船員保険、後期高齢者医療制度(75歳以上の全ての人)、国民健康保険(自営業、無職の人を中心に前記制度に加入していない全ての人)のいずれかの医療保険制度に加入することになっております。
次の図は、医療保険制度に加入した国民(被保険者)が保険料を支払い、医療機関が診療報酬を受けとる流れを表したものであります。① 被保険者は、保険者に毎月、保険料を支払います。
健康保険組合、全国健康保険協会の加入者は事業主を通じて保険者に支払い、後期高齢者医療制度、国民健康保険の加入者は直接保険者に支払います。② 患者(被保険者とその扶養家族)は、病気やケガをすると、医療機関で診察・投薬等を受けます。③ 患者は医療機関に自己負担分(多くは3割)を支払います。
④ 医療機関は診療報酬の請求のために毎月患者ごとにレセプトを作成し、審査支払機関(*11)に提出します。⑤ 審査支払機関は、レセプトに誤りがないかを審査し、誤ったレセプトは医療機関に差し戻します。⑥ 審査支払機関は、合格した審査済レセプトを保険者に送付します。
⑦ 保険者は、レセプトの合計金額を審査支払機関に支払います。⑧ 審査支払機関は、診療報酬を医療機関ごとに支払います。⑨ 保険者は、被保険者に健康診断と保健指導を行います。なお、2008年4月から40歳以上の被保険者に対して、特定健診、特定保健指導が義務付けられました。
(注) 用語の解説 *1 医療関連データベース 1996年から蓄積してきた、当社グループの約11万件に及ぶ傷病、診療行為辞書データベース、約570万件に及ぶ傷病と診療行為、医薬品チェックデータベース、そして年間約7.5億件のレセプト分析情報などの医療関連データベースは当社グループの主要な製品・サービスに使用されています。
*2 データヘルス データヘルスとは、レセプトや特定健康診査(特定健診)などから得られるデータの分析に基づいて、PDCAサイクルで実施する効率のよい保健事業です。
*3 保険者 保険者とは,保険制度を運営する主体のことで、全国健康保険協会、健康保険組合、共済組合(公務員等)、後期高齢者医療広域連合、市町村および特別区(国民健康保険)などです。
*4 レセプト レセプトは、医療機関から、月に一度、審査支払機関へ提出する患者ごとの請求書のことで、診療報酬明細書とも言われます。その内容は、診療報酬点数表に基づき、薬、処置、検査などを点数化して、医療費を計算したものです。
*5 未コード化病名 いわゆるワープロ病名で、傷病名マスターに収載されていない病名を使用する場合に、未コード化傷病名コードを使用して、病名がワープロ入力されたものです。*6 レセプトOCR変換技術 画像データを単にテキスト化することは他社でも可能であります。
しかし、レセプトの画像から文字だけを抜き出し、その文字を病名、診療行為、医薬品などに分類し、病名と診療行為および医薬品を結びつけてテキスト化するのは困難です。これを、当社グループでは、医療関連データベースを基にした技術で自動的にテキスト化しています。
*7 医療費分解 レセプトには、複数の傷病名が記載され、使用した医薬品、検査、処置、保険点数は傷病名ごとに分類されることなく記載されており、傷病名ごとの医療費は明確ではありません。
医療費分解とは、傷病名ごとに医薬品、検査、処置などの保険点数を分解し、傷病名ごとの医療費を計算することと当社グループで定義しております。
*8 傷病管理システム 傷病管理システムは、レセプト(診療報酬明細書)に記載の傷病識別情報、医薬品識別情報および診療行為識別情報に基づき、傷病のステージ別の患者を抽出・階層化するものです。
*9 レセプト分析システムおよび分析方法 レセプト分析技術および分析方法は、レセプトに記載されている傷病名のうち、現在治療中の傷病名だけを判定することができ、高精度な保健事業対象者の抽出を可能にするものです。
*10 ジェネリック医薬品 ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、成分そのものやその製造方法を対象とする特許権が消滅した先発医薬品について、特許権者ではなかった製薬会社がその特許の内容を利用して製造した、同じ主成分を含んだ医薬品です。
ジェネリック医薬品は新薬に比べ実施する試験項目が少ないため、開発費が少なく、価格は先発医薬品に対して2割~8割の価格になっています。
*11 審査支払機関 審査支払機関は、レセプトの審査と、医療機関への診療報酬の支払業務を保険者に代わって行い、「社会保険診療報酬支払基金」「国民健康保険団体連合会」があります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
27.38/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 18億 | 25億 ↑39.2% | 23億 ↓11.3% | 28億 ↑23.3% | 33億 ↑19.7% | 30億 ↓10.2% | 44億 ↑47.5% | 50億 ↑13.5% | 39億 ↓23.0% | 51億 ↑33.4% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 1億 | 3億 ↑174.1% | 3,657万 ↓87.4% | 3億 ↑619.1% | 3億 ↑32.6% | -3億 ↓190.6% | -5億 ↓57.8% | -8億 ↓58.4% | -5億 ↑34.6% | 2,294万 ↑104.4% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 1億 | 3億 ↑159.4% | 3,755万 ↓87.0% | 3億 ↑602.2% | 4億 ↑38.0% | -4億 ↓204.2% | -6億 ↓58.2% | -8億 ↓28.9% | -5億 ↑34.9% | 1,030万 ↑102.0% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 1億 | 2億 ↑106.5% | 2,131万 ↓89.9% | 2億 ↑828.2% | 3億 ↑47.7% | -4億 ↓237.6% | -7億 ↓68.8% | -8億 ↓23.9% | -30億 ↓252.9% | 3億 ↑109.0% |
| 収益性 | ||||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 29.1円 | 60.0円 ↑105.9% | 6.0円 ↓90.0% | 57.0円 ↑846.7% | 80.2円 ↑40.7% | -38.7円 ↓148.2% | -53.3円 ↓37.9% | -63.7円 ↓19.4% | -233.7円 ↓266.8% | 21.1円 ↑109.0% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 11.30% | 20.70% ↑83.2% | 1.90% ↓90.8% | 16.80% ↑784.2% | 20.30% ↑20.8% | -33.48% ↓264.9% | -17.47% ↑47.8% | 2.30% ↑113.2% | -1942.54% ↓84558.3% | 93.50% ↑104.8% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 7.73% | 11.76% ↑52.1% | 1.35% ↓88.5% | 9.95% ↑637.0% | 12.83% ↑28.9% | -17.75% ↓238.3% | -10.61% ↑40.2% | -12.62% ↓18.9% | -48.66% ↓285.6% | 3.94% ↑108.1% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 5.79% | 11.39% ↑96.7% | 1.62% ↓85.8% | 9.45% ↑483.3% | 10.47% ↑10.8% | -10.56% ↓200.9% | -11.30% ↓7.0% | -15.77% ↓39.6% | -13.40% ↑15.0% | 0.45% ↑103.4% |
| キャッシュフロー | ||||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 2億 | 5億 ↑196.2% | -7,654万 ↓114.0% | 5億 ↑796.2% | 4億 ↓25.7% | -4億 ↓211.9% | -2億 ↑55.2% | 1億 ↑160.6% | -19億 ↓1662.2% | -2億 ↑88.3% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -1億 | -9,405万 ↑34.8% | -7,078万 ↑24.7% | -8,047万 ↓13.7% | -4億 ↓386.5% | -6億 ↓46.3% | -35億 ↓513.6% | -8億 ↑77.5% | -7億 ↑14.6% | -8億 ↓18.4% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | -1,168万 | -878万 ↑24.8% | -4,311万 ↓391.0% | -4,158万 ↑3.6% | -5,621万 ↓35.2% | 3億 ↑689.3% | 44億 ↑1231.9% | 10億 ↓77.0% | 23億 ↑131.4% | 8億 ↓65.6% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 3,988万 | 5億 ↑1031.8% | -1億 ↓132.6% | 5億 ↑407.1% | 443万 ↓99.0% | -10億 ↓23029.4% | -37億 ↓265.5% | -7億 ↑82.0% | -26億 ↓281.2% | -10億 ↑60.1% |
| 財務 | ||||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 13億 | 18億 ↑35.7% | 16億 ↓12.0% | 20億 ↑26.1% | 23億 ↑14.6% | 23億 ↓0.6% | 64億 ↑182.3% | 67億 ↑4.2% | 61億 ↓8.5% | 68億 ↑11.6% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 9億 | 11億 ↑25.1% | 11億 ↓0.8% | 13億 ↑15.7% | 15億 ↑18.8% | 12億 ↓21.1% | 39億 ↑223.6% | 31億 ↓19.9% | 2億 ↓95.1% | 4億 ↑175.5% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 68.60% | 63.20% ↓7.9% | 71.30% ↑12.8% | 64.40% ↓9.7% | 66.80% ↑3.7% | 53.00% ↓20.7% | 60.80% ↑14.7% | 46.70% ↓23.2% | 2.50% ↓94.6% | 6.20% ↑148.0% |
| 配当 | ||||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 5.0円 | 8.0円 ↑60.0% | 8.0円 ↑0.0% | 12.0円 ↑50.0% | 18.0円 ↑50.0% | 6.7円 ↓62.9% | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 17.17% | 13.34% ↓22.3% | 132.89% ↑896.2% | 21.06% ↓84.2% | 22.44% ↑6.6% | - | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ 株式分割を考慮し、現在の株数基準に換算した調整後配当を表示しています
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。