当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(株式会社北里コーポレーション)、連結子会社4社(株式会社北里バイオサイエンス、株式会社北里検査センター、株式会社北里ヘルスケア、株式会社北里クライオバンク)、非連結子会社1社(Kitazato America, Inc.)で構成されております。
当社グループは、人工授精及び体外受精、細胞凍結保存(※1)、再生医療における生殖工学技術に特化し、不妊治療を行うため、市場の期待に応えるべく製品を開発・製造し、世界約110か国・地域のマーケットに自社製品を供給しております。
会社別では、当社は不妊治療をサポートする医療機器や試薬等の主に消耗品の製造・販売、株式会社北里バイオサイエンスは医療機器の部品等の製造・販売、株式会社北里検査センターは遺伝子検査、株式会社北里ヘルスケアは高齢者向け医療機器の販売、Kitazato America, Inc.は、米国における輸入卸業、製品販売、市場調査・現地での許認可等の取得を行っております。
また、株式会社北里クライオバンクは生体細胞の受託管理等に取り組むことを目的として設立し、事業開始に向けて準備中であります。当社グループが使命と捉え、重視しているのは「生殖医療における新たな可能性の追求」です。
その使命のために、世界中の医師や研究者との共同研究を通じ、過去に蓄積された専門技術や知識を有効に活かし、既存技術の改善と新たな技術の創出に取り組んでおります。
当社グループの商流につきましては、外部の取引先や部材を製造している子会社から原材料を仕入れ、当社の工場で医療機器の製造等を行い、日本国内の医療機関や代理店(ディストリビューター方式)を通して海外の医療機関への販売を行っております。
当社グループの製品は、国内では病院、クリニックを通じて「Cryotop」、「ETカテーテル」や「卵子・受精卵凍結用試薬」等の多くの製品を患者様にご利用いただいております。
また、海外では世界約110か国・地域で自社製品を販売するため、2026年3月31日時点において世界で約80社の代理店ネットワークを通じて供給が行われております。
不妊治療は、基本的には以下の4つの方法が行われており、まずは①タイミング法を行い、妊娠に至らない場合は、②人工授精、③体外受精、④顕微授精へと進んでいくことが一般的です。当社グループで扱う製品は、主に③体外受精、④顕微授精で利用する研究用試薬や医療機器になります。
これらは高度生殖医療とも呼ばれており、一般的な不妊治療で使用する製品に比べて高度な専門性を必要とする製品となります。「不妊治療の概要」 ※上記のうち、「高度な不妊治療」が当社グループ製品を主に使用する領域となります。
「当社取扱製品の説明」当社グループの提供する不妊治療に関する医療機器等は、以下のように製品区分されます。なお、当社グループは医療機器事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
製品区分 製品 用途 Media(試薬) 卵子/胚ガラス化・凍結液 融解液(VT) 卵子や受精卵を凍結保存、融解するための試薬 卵子・受精卵培養試薬(HTFメディウム等) 卵子や受精卵を培養するための試薬 密度勾配遠心用試薬(SE等) 良好精子を収集するための試薬 培養カバーオイル 培養液に被せるためのオイル 配偶子洗浄用試薬(GBS等) 卵子や精子の洗浄や、試薬の濃度調整のための試薬 Cryodevice(凍結保存製品) Cryotop 取り出した卵子又は培養した受精卵を液体窒素内で凍結保存するために使用する容器 Cryotop-CL 取り出した卵子又は培養した受精卵を液体窒素に触れずに、凍結保存するために使用する容器 Ova Cryo Sheet 取り出した卵巣組織切片を液体窒素に触れずに、凍結保存するために使用する容器 医療機器 採卵針(OPUニードル) 女性の卵巣へ針を穿刺し、卵胞内から卵子を取り出すための機器 人工授精用(IUI)カテーテル 男性から採取した良好精子を女性の子宮に入れるための機器 胚移植用(ET)カテーテル 体外受精した受精卵を女性の子宮内へ移植するための機器 Micro Tools(顕微授精製品) ICSI Injection Pipette 顕微授精で精子を卵子へ注入するためのガラスピペット ICSI Holding Pipette 顕微授精で卵子を保持するためのガラスピペット PZD Needle(アシステッドハッチング用ニードル) アシステッドハッチング(胚が子宮内で着床しやすいようにする処理)をするためのガラスニードル 当社グループの事業の特徴は以下のとおりとなっております。
① 不妊治療における全ての工程で製品を提供当社グループが扱う主な製品は、「卵子採取・洗浄」、「精子採取・洗浄」、「受精」、「培養」、「移植」のフェーズで利用されますが、当社グループでは、不妊治療における卵子及び精子の採取、洗浄、培養、受精、卵子や胚の凍結保存及び融解に至る全ての工程にかかわる製品を静岡本社工場又は東京オフィスにて総合的に提供可能であることが強みとなっております。
② Made in Japanに裏付けされた技術力当社グループでは、全ての製品の製造を静岡本社工場及び東京オフィスにおいて国内生産しており、Made in Japanに裏付けされた品質水準で、安心、安全な医療器具の提供を目指しております。
当社グループの製品は、1本1本を手作業で作製しており、数mm又は数μm単位の差のカスタム製品の製造が可能な技術力を有しております。そのため、ユーザーニーズに見合った柔軟な製品の製造が可能になっております。
また、特に凍結分野における開発を世界で先駆けて行ってきたことから、同分野において世界各国で当社の製品が使用されております。体外受精では卵子及び受精卵を凍結保存することで、より良いタイミングでの胚移植を実現し、妊娠率を高める凍結プログラムがあります。
当社グループでは、超急速ガラス化法(※)を用いて、卵子/受精卵(胚)を凍結保存する試薬及び保存機器の開発製造に携わり、医療施設における高い生存率の実現に貢献してきました。
(※)超急速ガラス化法は、胚に凍結保護剤を浸透させた後、ガラス化液につけて細胞内の水分を抜き、△196℃の液体窒素に瞬時に入れて急速に温度を下げることで胚をガラス化(非結晶化)させ、細胞の破壊を防ぎます。
③ グローバルでの販売力当社グループの製品を使用するユーザーは個人病院や大病院であり、国内では「Cryotop」、「ETカテーテル」や「卵子・受精卵凍結用試薬」等の多くの製品をご利用いただいております。
また、海外では、世界約110か国・地域で自社製品を販売するために、当連結会計年度末時点において世界で約80社の代理店(ディストリビューター方式)ネットワークを有しており、特に近年では、規模・成長性ともに大きい欧米諸国を中心に多くの医療機関で「受精卵凍結用試薬」、「Cryotop」等の製品をご利用いただいております。
これを可能としているのは、代理店や医療機関との連携による製品・サービスの使用状況の把握、また、それらに対する意見や評価に基づく的確なユーザーニーズの把握に拠るところが大きく、そのうえで、迅速に対応できる営業能力とそのユーザーニーズ等を製品に落とし込む確かな技術力や応用力が顧客拡大へつながっているものと考えております。
このような技術力・応用力の裏付けとして、世界各国の大学病院やクリニックとの共同開発・共同研究の連携を行っていることが挙げられます。なお、当社グループと継続的に関連当事者取引が発生している取引先及びその事業内容、取引内容の概要は次のとおりであります。
Biomedical Supply, S.L.当社の社外取締役が代表者である取引先であり、スペインにおいて生殖補助医療器具の流通販売を行っており、海外の販売代理店として当社製品の販売取引があります。
Biomedical Supply US, Inc.当社の社外取締役が代表者である取引先であり、米国において生殖補助医療器具の流通販売を行っており、海外の販売代理店として当社製品の販売取引があります。[事業系統図]前述した事項を事業系統図によって示すと次のとおりになります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
38.85/ 100
| 指標 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|
| 損益 | ||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 103億 | 109億 ↑6.3% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 58億 | 59億 ↑1.3% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 58億 | 59億 ↑2.4% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 38億 | 39億 ↑2.8% |
| 収益性 | ||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 94.7円 | 97.4円 ↑2.8% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 22.10% | 20.10% ↓9.0% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 19.18% | 17.71% ↓7.7% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 56.13% | 53.51% ↓4.7% |
| キャッシュフロー | ||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 35億 | 39億 ↑9.8% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -9億 | -2億 ↑73.1% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | -17億 | -17億 ↓4.8% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 26億 | 36億 ↑37.3% |
| 財務 | ||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 197億 | 220億 ↑11.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 182億 | 205億 ↑12.4% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 92.40% | 93.20% ↑0.9% |
| 配当 | ||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 41.0円 | 41.0円 ↑0.0% |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 43.29% | 42.10% ↓2.7% |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。