当社グループ(当社及び関係会社)は、当社(㈱ココペリ)、連結子会社2社(㈱ココペリ経営サポート、キー・ポイント㈱)、関連会社(SIAM KOKOPELLI Co., Ltd.)により構成されており、中小企業の成長を支援するBtoB・SaaS(注)モデルのビジネスプラットフォーム事業を展開しております。
(注)Software as a Serviceの略称。サービス提供者がソフトウエア・アプリケーションの機能をクラウド上で提供し、ユーザー側はネットワーク経由で利用する形態のサービスを指します。(1) ミッション・ビジョン当社グループは「企業価値の中に、未来を見つける。
」というミッションのもと、「中小企業にテクノロジーを届けよう。」というビジョンを掲げ、中小企業の成長を支援するBtoB・SaaSモデルのビジネスプラットフォーム事業を展開しております。
(2) 取り巻く環境・背景中小企業は日本の企業全体の99.7%を占め、労働市場においては全労働者のうち約70%が中小企業に勤めており(「令和3年経済センサス」総務省・経済産業省)、現在の日本経済の基盤であると同時に、これからの未来の経済発展を牽引する不可欠な存在であると当社グループでは考えています。
しかし、労働供給制約社会の到来に伴い、人手不足問題がいっそう顕在化する懸念がある中で、中小企業は人材獲得や販路拡大における経営資源の不足、資金繰り、事業承継といった多岐にわたる深刻な経営課題に直面しています。
この結果、従業員一人当たりの労働生産性は、大企業と比べて依然として低い状態が続いており、中長期的な成長投資やDX・AX(AIトランスフォーメーション)(注1)の推進による「稼ぐ力」の底上げが急務となっています(「中小企業白書2026年版」中小企業庁)。
一方、中小企業の成長を支える重要な役割を担う地域金融機関もまた、厳しい経営環境に直面しています。
融資を中心とした従来のビジネスモデルでは収益性を維持することが困難な状況であり、中小企業の本業支援等によるコンサルティング業務やDX(デジタルトランスフォーメーション)(注2)の実施が喫緊の経営課題となっております。
そのような状況の中、中小企業が地域金融機関に対し、人材育成やビジネスマッチング(販売先紹介)など事業に対する多角的なソリューション提供を求めており(「金融機関の取組の評価に関する企業アンケート調査」金融庁(同庁の委託に基づき帝国データバンクが2018年にアンケート調査を実施))、政府の「成長戦略2019」においても中小企業支援の担い手としての地域金融機関の機能強化が掲げられるなど、その社会的役割の重要性は今後ますます高まっていくものと認識しております。
当社グループは、上記のような「中小企業が抱える課題」と「地域金融機関が抱える課題」に対し、テクノロジーの力で解決していくことを大きな事業機会と位置付け、両者が抱える課題の解決を通じて日本経済の発展に寄与してまいります。
(注1)AX(AIトランスフォーメーション)とは、AIを活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することと定義します。
(注2)デジタルトランスフォーメーションとは、デジタル技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革することと定義します。(3) 事業概要当社グループは、中小企業の成長と地方創生を支援するBtoB SaaSを中心に展開しております。
主力サービスは、日本全国の地域金融機関(2026年3月末時点76社)と連携し、各金融機関に対してSaaS形式で展開する、中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」でありますが、この他にも、中堅・中小企業の海外展開を支援する、海外ビジネスマッチングプラットフォーム「BIG ADVANCE GLOBAL」を新たに展開したほか、金融機関向けビジネスマッチング管理サービス「BMポータル」を提供しております。
さらに、専門性AI FAQサービス「SAF(サフ)」、ファイル送受信・共有「WebFile」等を提供し、金融機関のDXやセキュリティ強化の支援を拡大しております。主力サービスである「Big Advance」は、金融機関の取引先中小企業へ経営課題解決や成長支援の機能を提供しております。
2018年4月のリリース以降、継続的な機能改善を図るとともに、近年ではAIを用いた「AIエージェント」の実装など、AI等のテクノロジーを積極的に活用しサービスの高度化を推進しております。
金融機関との連携を通じて中小企業への支援効果を最大化するとともに、金融機関のDXやビジネス変革も支援するソリューションとして機能しており、プラットフォームに参加する全ステークホルダーがメリットを享受できるWin-Winのビジネスモデルを構築しております。
当社は、今後も「地方創生×テクノロジー」を軸に、地域の価値を全国・世界へ繋ぐ新たな経済循環モデルを創出し、「Big Advance」をはじめとする当社サービスが中小企業の成長促進と地方創生に不可欠なプラットフォームとなるべく、事業を推進してまいります。
(注)当社グループはビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略し、サービス別に記載しております。
(4) サービス概要① 中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance(ビッグアドバンス)」当社は、地域金融機関と連携し、中小企業向けの経営支援プラットフォーム「Big Advance」を提供しています。
各金融機関には「○○ Big Advance」という名称で導入され、その取引先中小企業へサービスが提供されます。「Big Advance」の最大の特徴は、金融機関の枠を超えて全国の会員企業情報を連携できる点です。
これにより、地域や金融機関の限定された範囲を超え、会員企業同士の新たなビジネス創出を可能にする広域のネットワークを発揮し、これまでにない金融機関による中小企業への経営支援を実現しております。
当社は、「Face to Face」と「テクノロジー」の融合をコンセプトに掲げ、金融機関と会員企業のリレーションの強化を通じて、より充実した経営支援の実現を目指しています。
収益モデル「Big Advance」は、金融機関からの収益とレベニューシェア収益で構成されるサブスクリプション型(継続課金型)の収益モデルを採用しています。・金融機関からの収益:サービス導入時の初期導入費用に加え、毎月運用・保守費を月額固定形式で受領します。
・レベニューシェア収益:金融機関が会員企業より受領する月額利用料に対して、レベニューシェア方式を採用しています。この収益モデルは、金融機関数の増加に加え、「Big Advance」会員企業数の増加が当社グループと金融機関双方の収益最大化につながるWin-Winの関係を構築しています。
導入金融機関においては、「Big Advance」からの月額利用料やマッチング成約手数料が収益を押し上げるだけでなく、中小企業への本業支援を通じた貸出残高の増加にも寄与しています。
新規会員企業の獲得に加え、既存の会員企業が継続的利用し、解約しない限り当該利用料が積み上がるストック型の収益モデルであるため、新規会員企業数が解約数を下回らない限り、収益は前事業年度を上回ることから、安定的に収益確保が可能です。
また、金融機関及び会員企業にサービスを継続利用してもらうことで関係性を深め、アップセル・クロスセル(注)による更なる収益機会の獲得を見込んでいます。
(注)アップセルとは、当社グループが現在提供している商品やサービスに加えて、質及び金額ともにより上位の商品やサービスを提供し、利用者が現在利用する商品やサービスに代わり上位の商品やサービスを購入することであります。
一方、クロスセルとは、利用者が現在利用している商品やサービスに加えて、別の商品やサービスも購入することをいいます。基本性能「Big Advance」の基本機能は以下の通りです。
中小企業の事業運営や日常業務に有用な多数の機能を搭載しており、月額利用料は3,000円(税抜)と安価な価格設定にてワンパッケージとして提供しています。これにより、高額な初期費用をかけることなく、中小企業が業務のDXを推進できるよう貢献しています。
本書提出日における「Big Advance」基本機能(月額3,000円)は以下の通りです。
機能名 内容 ビジネスマッチング 地域や金融機関の枠を越え、会員企業同士すなわち「Big Advance」を導入している全ての取引先とマッチングが可能 金融機関連絡チャット 金融機関とチャットで連絡が可能 補助金・助成金 毎週更新される全国の補助金・助成金の情報を検索することが可能。
ホームページ自動作成 フォーマットに文言を記載するだけで、簡単にホームページの作成が可能共通ドメインでの多数のサイト運営によりSEO効果(注)を発揮し、ホームページ12,942件(2026年3月末)を作成 福利厚生「FUKURI」 従業員向けクーポンサイト。
会員企業は使用するだけでなく、自社も新規顧客を増やすツールとしてクーポンを発行することが可能 安否確認 災害時に、従業員の安否確認が可能 ビジネスチャット 社内チャットで、社内コミュニケーションが可能*社内チャット:ID数は無制限、ルーム数は上限10 従業員アカウント 従業員用のアカウントを発行することで、ビジネスチャット、福利厚生「FUKURI」、安否確認などの機能を各従業員向けに提供。
また、従業員アカウントは無制限に追加可能 (注)Webサイトが、検索サイトの検索順位の上位に表示されることです。ビジネスマッチング機能は、会員企業が自社の案件ニーズを入力することにより、他の会員企業から商談依頼を受けるとともに、他の会員企業へ商談依頼をすることができます。
従来、金融機関が行ってきたビジネスマッチングは、その金融機関内における企業同士の案件ニーズのマッチングに留まっていましたが、「Big Advance」では、金融機関を越えて、「Big Advance」を利用している全会員企業の案件ニーズが検索できるため、地域や金融機関の枠を越えた広域マッチングを実現しています。
結果として、導入金融機関へのヒアリング等を通じて、従来マッチングの意向を示した企業のうち、実際に面談を実施した企業の割合は、「Big Advance」導入後に向上していることを確認できており、地域金融機関の収益機会の増加に寄与しています。
そのため、新たなビジネスマッチングの機会の創出により、新たな付加価値が創造され企業の業績が向上することはもちろん、地方創生にもつながるものと考えます。
ビジネスチャット機能により、企業における業務時間の多くを占めるコミュニケーションを効率化し、中小企業の経営課題であった労働生産性の改善を実現していると考えます。
また、地域金融機関におけるIT化の遅れ等により電話もしくは対面が基本であった当該金融機関とのコミュニケーションもチャットで行うことができるようになるため、金融機関との情報共有の頻度が増え、一層のリレーション強化に加えて、適切な金融サービスを受けることにつながります。
そのほか、補助金・助成金機能においては、従来は各中小企業が個別に官庁のホームページ等を確認し情報収集する必要があったものの、中小企業に代わり当社グループが補助金及び助成金に係る情報を官庁より収集し週次で更新していることから、会員企業にとって効率的な情報取得を可能としています。
また、ホームページの自動作成機能を活用することにより、15分程度で簡単にスマートフォンに対応したホームページを開設することが可能です。
手軽に情報発信することができる上に、共通ドメインで多数のサイトを運営することによりSEO効果を発揮するため、2026年3月末時点では12,942件のホームページ作成に寄与しており、会員企業の認知度向上に貢献しております。
「FUKURI」は会員企業の従業員向け福利厚生サイトとして、旅行やレジャー、グルメ、ショッピングなどのお得なクーポンを掲載しています。2026年3月末時点では使用できるクーポンを1万店舗以上に拡大しており、会員企業の従業員満足度の向上に貢献しています。
「Big Advance」は月額3,000円の価格水準で提供しております。会員企業は月額3,000円で様々な経営支援サービスを利用することができるため、会員企業の発展に貢献できるものと考えています。
なお、2024年3月期から2026年3月期までの当社グループにおける「Big Advance」の導入金融機関数、会員企業数の推移は以下の通りです。2018年6月末から2026年3月末にかけて、導入金融機関数は1社から76社、会員企業数は1,036社から53,895社に増加しております。
結果として42都道府県(2026年3月末)の導入に至っております。
2024年3月期 2025年3月期 2026年3月期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 第2四半期 第3四半期 第4四半期 導入金融機関数(社) 85 85 85 82 80 79 78 78 79 78 76 76 会員企業数(社)(注) 66,821 66,911 64,908 64,344 63,564 62,375 61,065 60,172 58,394 57,008 55,074 53,895 (注)会員企業数は、パートナー企業数(無料会員企業数)を除いた有料会員企業数を指します。
② DX Solutions 金融機関向けに、金融機関のDXを推進し業務効率化を支援するため、業務規定や手引書などをAIに学習させ、FAQに自動回答するチャットボットサービスである、専門性AI FAQサービス「SAF(サフ)」を提供するほか、セキュリティを確保したファイル送受信・共有サービス「WebFile」等の提供も行っております。
中小企業向けには、補助金活用コンサルティングサービスを提供し、中小企業の事業成長及びDXの支援を行っております。これらのDX支援サービスを通じて、中小企業や金融機関のデジタル化を多角的に支援し、生産性と業務効率化を向上することで、持続的な成長を支える経営基盤の構築に貢献しています。
[事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
26.46/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 10億 | 16億 ↑60.4% | 18億 ↑8.1% | 18億 ↑2.5% | 20億 ↑10.2% | 18億 ↓12.4% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 3億 | 4億 ↑42.5% | 6,388万 ↓82.2% | 3,389万 ↓46.9% | 2億 ↑483.8% | -4億 ↓306.8% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 2億 | 4億 ↑49.2% | 6,512万 ↓81.8% | 4,037万 ↓38.0% | 2億 ↑395.3% | -2億 ↓201.4% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 3億 | 3億 ↑11.0% | 2,116万 ↓92.5% | 3,335万 ↑57.6% | 1億 ↑277.4% | -4億 ↓429.4% |
| 収益性 | ||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 41.2円 | 35.9円 ↓12.8% | 2.7円 ↓92.5% | 4.3円 ↑58.5% | 16.6円 ↑288.3% | -54.5円 ↓428.1% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 16.40% | 16.50% ↑0.6% | 1.20% ↓92.7% | 1.90% ↑58.3% | 6.80% ↑257.9% | -28.32% ↓516.5% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 14.53% | 13.12% ↓9.7% | 0.96% ↓92.7% | 1.50% ↑56.3% | 5.18% ↑245.3% | -21.97% ↓524.1% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 24.57% | 21.82% ↓11.2% | 3.60% ↓83.5% | 1.86% ↓48.3% | 9.86% ↑430.1% | -23.27% ↓336.0% |
| キャッシュフロー | ||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 3億 | 4億 ↑35.3% | -2,491万 ↓106.2% | 1億 ↑664.9% | 4億 ↑191.2% | 3,256万 ↓92.1% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -1,708万 | -2億 ↓1174.8% | -2億 ↓3.5% | -2億 ↑22.3% | -3億 ↓76.0% | -3億 ↓7.2% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 10億 | 1,499万 ↓98.5% | -474万 ↓131.6% | -1億 ↓2868.3% | -2,205万 ↑84.3% | -5,232万 ↓137.2% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 3億 | 2億 ↓34.5% | -3億 ↓237.2% | -3,453万 ↑86.2% | 1億 ↑393.6% | -3億 ↓393.9% |
| 財務 | ||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 17億 | 21億 ↑23.0% | 22億 ↑2.5% | 22億 ↑0.7% | 24億 ↑9.5% | 19億 ↓22.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 16億 | 19億 ↑19.7% | 18億 ↓3.7% | 17億 ↓3.3% | 19億 ↑7.7% | 15億 ↓21.4% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 88.80% | 86.40% ↓2.7% | 81.20% ↓6.0% | 77.90% ↓4.1% | 76.60% ↓1.7% | 77.60% ↑1.3% |
| 配当 | ||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。