当社グループは、「KAIZEN the World 〜なめらかな働き方で世界をカイゼンする〜」をミッションに掲げ、企業のビジネス部門とともにDX(デジタルトランスフォーメーション)(注1)を推進するパートナーとして、顧客体験(UX)の革新を通じた事業成長を支援しております。
デジタル技術の発展と生成AI(注2)の普及が加速する中、「AIインテグレーター」として、当社グループは単なるデジタル化を超えた「攻めのDX」を実現し、企業が競争力を強化できる環境を提供しております。
当社グループを取り巻く事業環境におきましては、日本国内のDX市場は企業のデジタルシフト進展に伴い中長期的な拡大を続けており、2030年には9兆2,666億円の規模に達すると予測されております(注3)。
中でも当社グループがコアターゲットとする顧客接点領域のDX市場は、同年までに9,451億円に成長すると見込まれております(注4)。一方で、国内労働市場における人材不足は今後一層深刻化することが予測され、DXの推進は企業の事業継続及び競争力確保において不可避の課題となっております。
しかしながら、多くの日本企業においては既存システムの複雑化やブラックボックス化が課題として顕在化しており、IT予算の約80%がシステムの保守運用に充当され、新たな付加価値創出のための投資が制約されている状況にあります(注5)。
このように、事業変革をもたらすマーケティング領域におけるDXの重要性が高まる中、デジタル上の顧客体験を改善し事業成長を支援する当社グループへの需要は堅調に推移しており、事業機会は拡大しているものと認識しております。
このような経営環境の下、当社グループは、「プロフェッショナルセグメント」と「クラウドセグメント」の2つのセグメントにより事業を構成し、相互に連携することで包括的なソリューションを提供しております。
当社グループの事業の特徴及び強みは、前述の市場課題に対し、DX専門人材と独自のクラウド技術を融合させたハイブリッドモデルにより解決策を提供できる点にあります。
人材面におきましては、プラットフォーム上のDX専門人材であるグロースハッカー(注6)を活用し、柔軟にプロジェクトへ人員を配置できる体制を構築しております。
15,000名を超える専門人材ネットワークから、データ分析、マーケティング、UI/UXデザイン、システム開発など多岐にわたるスキルを持つプロフェッショナルを選抜し、最適なチームを組成しております。
これにより、戦略策定から実行までを一気通貫で支援することが可能となり、クライアント企業のKPI最大化に貢献しております。
技術面におきましては、既存のレガシーシステムに影響を与えることなく、タグ(注7)を設置するのみでサイト分析、UI改善、パーソナライズ等の施策を迅速に実行できる独自のクラウド環境を整備しております。
当連結会計年度においては、顧客体験と業務プロセスの両面におけるDXを推進するため、提供体制の強化に取り組んでまいりました。
2025年4月には、生成AIを活用し、既存のウェブサイトや業務ツールと連携することで、利用者が特別な操作を意識することなく顧客体験の高度化を実現するコンセプトとして「Magical UX」を発表いたしました。
さらに、2025年6月には、生成AIを活用したエージェント型ソリューションとして、「Kaizen Conversion Agent」及び「Kaizen Personalize Agent」の提供を開始いたしました。
これらは顧客獲得支援やパーソナライズの高度化を通じて、マーケティング領域におけるDXの費用対効果向上に寄与するものであります。これら独自の技術基盤により、企業はシステム改修に伴う多大なコストと時間を要することなく、迅速な課題解決が可能となります。
グループ戦略におきましては、収益性及び事業効率の向上を目的として、米国子会社の事業移管など海外事業の再編を実施し、日本国内市場への経営資源集中を進めました。
国内体制においては、ブランド統合を通じてDX人材ソリューション及び関連事業の提供体制強化を図ることを目的に、グループ会社である株式会社ハイウェルの商号を「株式会社Kaizen Tech Agent」に変更し、AI導入による事業変革を支援する株式会社Kaizen AIX Consultingの設立を発表いたしました。
今後も当社グループは、生成AI技術の進化に対応した機能拡充と提供サービスの更なる付加価値の向上を推進してまいります。クライアント企業の顧客接点強化と業務生産性向上を同時に実現し、日本企業のDXを加速させることで、社会全体の課題解決と当社グループの持続的な成長を実現してまいります。
(注)1.Digital Transformationの略称であり、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズをもとに、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること 2.生成AIは、人工知能を活用し、テキストや画像、音声などのコンテンツを自動生成する技術であり、業務効率化や創造的作業の支援に活用される 3.㈱富士キメラ総研「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」 4.同上 5.経済産業省「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」 6.Webサイトの効果や収益を高め、企業やサービスを成長させる施策を担う専門人材の総称 7.HTML(Webページを制作するためのコンピューター言語)などで用いられる制御情報のこと。
Webページの文字の大きさ、色の指定や画像の配置、リンクなどを表示させる機能を持つ ■事業概要 ■事業の特徴 当社グループは、当社及び連結子会社3社により構成されております。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。
詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。当社は国内において「プロフェッショナルセグメント」及び「クラウドセグメント」の2つのセグメントに区分して事業を展開しております。
また、Kaizen Platform USA, Inc.は、米国を中心に、動画制作をメインとした「プロフェッショナルセグメント」の事業を展開しております。当社グループが営む事業の内容は以下のとおりであります。
この2つのセグメントのソリューション及びそのクロスセルを通して、クライアントのUX改善やDXを支援しております。①プロフェッショナルセグメント プロフェッショナルセグメントは、コンサルティング、クリエイティブ制作、BPO、SES等の専門サービスを通じて、企業のDX推進を総合的に支援しております。
本セグメントでは、戦略策定から実行、開発フェーズに至るまでを一貫して支援する体制を構築し、高い専門性と柔軟性を兼ね備えたソリューション提供により、顧客企業の課題解決と事業成長に貢献しております。
本セグメントの最大の特徴は、広範なDX専門人材ネットワーク基盤を活用し、顧客企業の経営課題や事業フェーズを勘案した最適なプロジェクトチームを組成できる点にあります。
当該ネットワーク基盤を通じて、特定の技術領域に特化したスペシャリストからプロジェクト全体を統括するマネジメント人材まで、多様な人材プールの中から案件ごとに最適なリソースを選定・配置いたします。
具体的には、経営課題やDX戦略を整理するコンサルタント、システム実装を担うエンジニア、UI/UXを具現化するデザイナー、運用改善を行うマーケターなど、多岐にわたる専門機能を有機的に連携させることで、単なる人材リソースの提供に留まらず、DX推進に必要なあらゆる機能を包括的に提供しております。
また、企業が抱える慢性的なデジタル人材不足という構造的課題に対し、必要なスキルを持つ外部リソースをプロジェクト単位で活用できる体制を提供することで、顧客企業における人材確保に係るコストや固定費負担のリスクを低減させるとともに、高付加価値なDX推進を可能にしております。
市場環境の変化が激しい現代において、固定的な組織構造に縛られることなく、機動的にプロジェクトチームを編成・再編することで、迅速な意思決定と施策実行を支援し、クライアント企業のKPI達成と競争優位性の確立を実現しております。
②クラウドセグメント クラウドセグメントは、当社独自のクラウドサービスを通じて、Webサイト、業務ツール、コミュニケーションプラットフォーム上での顧客体験(UX)の最適化を支援しております。
タグの設置という簡易な実装のみで導入可能な技術特性により、生成AIを活用したA/Bテスト、パーソナライズ、スマート検索、多言語対応等のUX改善機能を迅速かつ柔軟に提供しております。
当セグメントにおいては、これらの機能を実現し、企業のDXを加速させる中核サービスとして、「Kaizen Engine」及び「Kaizen AI Cloud」を展開しております。
「Kaizen Engine」は、顧客企業の既存システムに大幅な改修を加えることなく、Webサイト等におけるUXを柔軟に制御・改善できる実行環境を提供するプラットフォームであります。
これにより、バックエンドシステムの制約にとらわれず、利用者一人ひとりに合わせた最適なパーソナライズやUI改善を、システム改修コストを抑制しながら短期間で実現いたします。一方、「Kaizen AI Cloud」は、企業が生成AIを業務やサービスに実装するためのサービス基盤であります。
本サービスを活用することで、企業は情報漏洩等のセキュリティリスクを考慮した専用環境下で、自社のデータやナレッジと生成AIを組み合わせた高度な検索やコンテンツ生成などの機能を、Webサイトや業務ツールへ柔軟に組み込むことを可能とするものであります。
これらのソリューションにより、既存のレガシーシステムへの影響を最小限に抑え、事業部門が主導となってスピーディーなDX推進を可能としている点が、本セグメントの大きな特徴であります。[事業系統図]。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
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※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 17億 | 23億 ↑34.0% | 27億 ↑18.0% | 43億 ↑62.8% | 45億 ↑4.2% | 44億 ↓3.7% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 2,337万 | 4,572万 ↑95.6% | -1億 ↓324.9% | -2,566万 ↑75.0% | -2,855万 ↓11.3% | 2,920万 ↑202.3% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 3,644万 | -2,563万 ↓170.3% | -1億 ↓396.8% | 1,160万 ↑109.1% | 645万 ↓44.4% | 3,866万 ↑499.5% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 1億 | -9,603万 ↓189.4% | -3億 ↓189.5% | -525万 ↑98.1% | -2億 ↓2979.4% | 2,982万 ↑118.4% |
| 収益性 | ||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 13.8円 | -6.4円 ↓146.3% | -17.2円 ↓168.8% | -1.3円 ↑92.5% | -10.2円 ↓688.4% | 1.8円 ↑117.2% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 5.40% | -2.94% ↓154.4% | -9.21% ↓213.3% | -0.18% ↑98.0% | -6.22% ↓3355.6% | 1.00% ↑116.1% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 3.17% | -2.20% ↓169.4% | -5.31% ↓141.4% | -0.12% ↑97.7% | -3.66% ↓2950.0% | 0.70% ↑119.1% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 1.39% | 2.02% ↑45.3% | -3.85% ↓290.6% | -0.59% ↑84.7% | -0.63% ↓6.8% | 0.67% ↑206.3% |
| キャッシュフロー | ||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 1億 | 1,645万 ↓86.3% | 1億 ↑675.9% | 7,849万 ↓38.5% | 2億 ↑176.0% | 3億 ↑32.5% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -3億 | -6億 ↓119.2% | -4億 ↑23.1% | -8億 ↓83.4% | -1億 ↑84.2% | -2,304万 ↑82.2% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 19億 | 9億 ↓54.8% | 5億 ↓40.7% | -9億 ↓279.9% | 1億 ↑112.2% | -2億 ↓278.7% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | -1億 | -6億 ↓289.3% | -3億 ↑43.5% | -7億 ↓132.1% | 8,716万 ↑111.8% | 3億 ↑202.9% |
| 財務 | ||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 34億 | 44億 ↑28.6% | 52億 ↑20.2% | 44億 ↓16.6% | 44億 ↑1.1% | 43億 ↓3.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 29億 | 33億 ↑11.3% | 30億 ↓7.5% | 29億 ↓3.4% | 26億 ↓10.9% | 26億 ↑1.4% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 84.20% | 75.30% ↓10.6% | 60.80% ↓19.3% | 72.10% ↑18.6% | 66.90% ↓7.2% | 69.90% ↑4.5% |
| 配当 | ||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。