(1) ミッション及びビジョン当社グループは、「“働く”にもっと『楽しい』を創造する。」をミッションとして掲げています。
私たちは、“働く”を心底楽しいと思えることが最も生産性を向上させると信じており、お客様の課題を解決していく喜びや楽しさを通じて、誰もが仕事にもっと夢中になれる世の中を作り続けていくことを究極的な目標としています。
このミッションを建設業界において実現していくため、当社グループは新たに「つくる人の“働く”を夢中にする、現場インフラ」という中期コーポレートビジョンを策定いたしました。
建設現場における特定の業務課題を解決する「SaaS企業」にとどまらず、現場のあらゆる課題を広く網羅的に解決する「現場インフラ企業」へと進化していくことで、私たちのミッションを実現してまいります。
(2) 事業概要当社グループは、熱絶縁工事事業にて創業し、自社の生産性改善に真摯に向き合った結果、ITを活用する必要性を感じ、自社のみならず建設業界全体の生産性改善に貢献すべく2010年にICT事業を開始いたしました。
建設業界は、国土強靭化や都市部の再開発、インフラ整備需要等により、建設投資額が2025年度の68兆円から2035年度には84兆円まで長期的に拡大する(注1)と見込まれています。
一方で、少子高齢化や技術承継の課題、2024年4月から適用開始された残業時間上限規制などを背景に働き手・担い手は減少の一途を辿っており、2035年には129万人の建設技能労働者が不足する(注2)と予測されています。
このような「拡大する需要」と「減少する担い手」のギャップにより、建設業界では需要拡大に対応するための「施工力の確保」と、人手不足の深刻化に備える「生産性向上」が急務となっています。
さらに、労務単価の上昇や世界的な資源価格高騰に伴う建設資材価格の上昇など、コスト面からも経営や業務の抜本的な変革が求められています。当社グループはこれらの課題に対し、「ヒト」と「テクノロジー」を掛け合わせることで現場の業務プロセスを変革するアプローチをとっています。
具体的には、ソフトウエア(SPIDER+Workspace)による「標準化」、BPOサービスによる「外部化」、プロフェッショナルサービス(コンサルティングやカスタマイズ)による「高度化」、そしてAIを活用した「自動化」を統合的に提供し、建設業界の抜本的な生産性向上に貢献しています。
こうした市場環境において、当社グループの主力サービスである「SPIDER+」の各指標は、以下のとおり順調に推移しております。
項目 単位 2021年12月 2022年12月 2023年12月 2024年12月 2025年12月 ARR(注)3 千円 2,180,164 2,751,975 3,520,055 4,530,818 4,992,027 契約社数 社 1,204 1,524 1,841 2,117 2,251 ARPA(注)4 千円 150 150 159 178 184 (注)1及び2.建設投資額及び不足する担い手(建設技能労働者)の人数に関する予測は、一般社団法人日本建設業連合会「建設業の長期ビジョン2.0 第Ⅱ部第1章 2035年における建設市場及び担い手の見通し」より抜粋しております。
なお、建設投資額は同資料の名目値を記載しており、不足する担い手の人数は、同資料において派遣技術者の過不足状況の把握が困難とされていることから、建設技能労働者の人員数のみを記載しております。3.ARR:Annual Recurring Revenueの略称。
各年12月末時点のストック収入を12倍して算出。4.ARPA:Average Revenue Per Accountの略称。各年12月末時点のストック収入を契約社数で除して算出。
(3) 当社グループの競争優位性と選ばれる理由当社グループが選ばれる理由は、単なるITツールの提供にとどまらず、現場のリアルな課題に寄り添い、総合的な解決策を提示できる点にあります。その競争優位性の源泉は以下のとおりです。
① 建設業界の大手企業を中心とした顧客基盤 当社グループは、建設事業に従事してきた経験から培った、建設業界及び現場業務に関する深いドメイン知識を有しております。この知見を活かしたサービス開発により、業界を牽引する大手ゼネコン・サブコンを中心とした強固な顧客基盤を築き上げてまいりました。
営業面においては、業界を代表する大手企業への豊富な導入実績が、新規開拓時における顧客の安心感に繋がり、商談を有利に進める要因となっています。
さらに、元請けである大手企業の導入が進むことで、そのサプライチェーンを構成する全国の中堅・中小の協力会社群へと利用が波及するネットワーク効果が生まれ、効率的な顧客基盤の拡大に寄与しています。
また、サービス開発面においては、DXを先行して推進する大手顧客から寄せられる高度な要望や膨大な現場の活用データが、現場の真のニーズを的確に捉える源泉となっています。
この顧客からの実践的なフィードバックを活かしたデータ駆動型の開発サイクルにより、継続的な機能改善と新サービスの迅速な創出を実現し、競争力の高いサービス群を構築しています。
② ソフトウエアとソリューションの融合による複合的な課題解決 ITツールだけでは解決できない高度化・多様化するDXニーズに対し、当社グループはSaaSに加えて「プロフェッショナルサービス」と「BPOサービス」を提供しています。
大手企業特有の基幹システム連携や独自機能の共同開発(プロフェッショナルサービス)、及びデジタル化が困難なアナログ業務の代行(BPOサービス)を組み合わせることで、顧客の業務プロセスに深く入り込んでいます。
これにより、顧客との粘着性が高まり他社サービスへの乗り換えを防ぐ(解約率の低減)とともに、1社あたりの提供価値(ARPA)の大幅な向上を実現しています。
(4)事業の展望建設業界において働き手の減少が一段と深刻化していくと見込まれる中、現場における抜本的な生産性向上ニーズは今後さらに高まっていくと想定しております。
この事業環境を背景に、当社グループは特定の課題を解決する「SaaS企業」から、現場課題を広く網羅的に解決する建設現場の「インフラ企業」へと発展してまいります。
この方針のもと、統合プラットフォーム「SPIDER+Workspace構想」の開発を推し進めるとともに、BPOサービスやプロフェッショナルサービスを強化いたします。「ヒト」と「テクノロジー」を掛け合わせた独自の提供体制により顧客の業務プロセス全体を支援し、提供価値の継続的な向上を実現してまいります。
さらに、強固な顧客基盤から蓄積した膨大な現場データと、AI等の先端テクノロジーをいち早く実用的な形でプロダクトへ実装してまいります。これらを掛け合わせることで独自の価値を創出し、建設DX領域におけるリーディングカンパニーとしてのポジションをより強固なものにしてまいります。
あわせて、当社グループの長期的な成長機会を創出するため、国内市場での事業展開に加え、海外展開をはじめとする新たな市場開拓にも同時に取り組んでまいります。国内外を問わず建設現場に共通する課題に対して当社グループの知見を展開し、将来にわたる事業領域の持続的な拡大を目指してまいります。
(5) 事業系統図 当社事業を、事業系統図によって示すと次のとおりであります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
20.28/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 20億 | 22億 ↑11.8% | 25億 ↑12.3% | 32億 ↑28.8% | 41億 ↑27.5% | 49億 ↑20.2% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 1億 | -4億 ↓483.3% | -11億 ↓163.8% | -4億 ↑61.3% | -5億 ↓17.3% | -1,090万 ↑97.9% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 1億 | -5億 ↓572.3% | -12億 ↓130.6% | -5億 ↑61.0% | -5億 ↓16.2% | -4,067万 ↑92.3% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 1億 | -5億 ↓596.3% | -10億 ↓102.6% | -5億 ↑55.3% | -8億 ↓66.5% | -1,736万 ↑97.8% |
| 収益性 | ||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 3.6円 | -16.0円 ↓547.5% | -30.7円 ↓91.8% | -13.3円 ↑56.7% | -21.9円 ↓64.6% | -0.5円 ↑97.8% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 27.30% | -11.07% ↓140.5% | -28.14% ↓154.2% | -13.69% ↑51.4% | -29.10% ↓112.6% | -0.65% ↑97.8% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 11.39% | -9.43% ↓182.8% | -21.62% ↓129.3% | -10.08% ↑53.4% | -18.32% ↓81.7% | -0.42% ↑97.7% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 5.73% | -19.62% ↓442.4% | -46.07% ↓134.8% | -13.86% ↑69.9% | -12.75% ↑8.0% | -0.22% ↑98.3% |
| キャッシュフロー | ||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 1億 | -5億 ↓478.9% | -10億 ↓102.8% | -3億 ↑66.9% | -4億 ↓11.4% | 7,889万 ↑121.4% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | 1,291万 | -6億 ↓4828.1% | -5億 ↑16.7% | -8,501万 ↑83.3% | -5,241万 ↑38.3% | -2億 ↓247.2% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | -4,367万 | 48億 ↑11160.3% | 4億 ↓92.5% | 2億 ↓40.1% | 3億 ↑48.3% | -2億 ↓149.2% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 1億 | -11億 ↓871.0% | -15億 ↓36.7% | -4億 ↑72.4% | -4億 ↓1.3% | -1億 ↑75.5% |
| 財務 | ||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 9億 | 54億 ↑499.4% | 48億 ↓11.6% | 46億 ↓4.1% | 42億 ↓8.4% | 42億 ↓1.2% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 4億 | 46億 ↑1031.6% | 37億 ↓20.3% | 34億 ↓8.1% | 27億 ↓21.7% | 27億 ↑0.7% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 45.10% | 85.20% ↑88.9% | 76.80% ↓9.9% | 73.60% ↓4.2% | 62.80% ↓14.7% | 64.00% ↑1.9% |
| 配当 | ||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。