(1)事業の概要当社グループは、機械が現実空間を認識・理解し、自律的に判断・行動するために必要となる「空間知覚」技術を基盤として、デジタルツイン及びロボティクス向けのソフトウェア、ソリューション及び関連ハードウェアパッケージを提供しております。
近年、AI(人工知能)は、テキスト、画像、映像等のデジタルデータを対象とする領域から、現実空間においてデータを取得し、学習し、行動するフィジカルAIへと発展しつつあります。
この発展においては、AIが現実空間を理解するための「機械の眼」に相当する技術が不可欠であり、当社グループはこの役割を担う空間知覚技術の研究開発及び事業化を進めております。
当社グループの空間知覚技術は、カメラ、Lidar、ToFセンサ、IMU、GPS、機械オドメトリ等から取得されるデータを処理し、機械が自己位置、周辺環境、3次元構造、物体、移動可能領域、環境変化等を認識・理解するためのソフトウェア技術であります。
これにより、現実空間をデジタル空間上に複製するデジタルツインと、ロボットが現実空間を知覚して行動する自律制御の双方を支援しております。
当社グループは、従来よりSLAMを中核技術として事業展開してまいりましたが、現在は、自己位置推定・地図生成に加え、ロボットナビゲーション、セマンティック3D認識、フォトリアル3D表現、AIとの技術融合等へと技術領域を拡張しております。
これらの技術を、開発者向けのSWアルゴリズム、業務用途向けのSWソリューション、及びソフトウェア利用を補完するHWパッケージとして提供し、顧客の製品開発、現場DX、自動化・省人化を支援しております。
なお、当社グループは、空間知覚関連事業を主要な事業としており、他の事業セグメントは重要性が乏しいため、記載を省略しております。(2)空間知覚技術とフィジカルAIフィジカルAIとは、デジタル空間上の情報処理にとどまらず、現実空間においてデータ取得、学習、行動、継続学習を行うAIを指します。
従来のAIが主にデジタルデータを分析・生成する技術であったのに対し、フィジカルAIは、ロボット、モビリティ、産業機械、インフラ設備等と結びつき、現実世界で自律的に機能することを目指すものです。このフィジカルAIの実現には、AIが現実空間を正確に把握するための空間知覚技術が必要となります。
当社グループは、空間知覚を、フィジカルAIにおける「機械の眼」と位置付けております。機械が周囲の3次元構造、自己位置、物体、設備、経路、危険領域等を認識できるようにすることで、現実空間の理解、自律移動、遠隔管理、業務判断の自動化等を可能にします。
当社グループが対象とする主な応用領域は、デジタルツイン及びロボティクスであります。デジタルツイン領域では、現実空間を3Dスキャンし、デジタル空間上に複製することで、設備、構造物、作業環境等をAIが理解可能な空間データとして扱うことを可能にします。
これにより、設備管理、インフラ点検、建設・土木、製造、物流、不動産、スマートシティ等の現場において、遠隔確認、点検効率化、異常検知、リスク把握、業務効率化等への応用が見込まれます。
ロボティクス領域では、ロボットが現実空間を知覚し、自己位置推定、地図生成、経路計画、障害物回避等を行うことで、自律的な移動・作業を可能にします。
今後、デジタルツインにより蓄積された空間データと、ロボットによる現実空間での行動データが連携することで、知覚、行動、継続学習の循環が形成され、フィジカルAIの発展が進むものと当社グループは考えております。
(3)事業及び研究開発の具体的な状況当社グループは、空間知覚技術を基盤として、以下の3つの提供形態を中心に事業を展開しております。
①SWアルゴリズムSWアルゴリズムは、SLAM、自己位置推定、環境地図生成、ロボットナビゲーション、セマンティック3D認識、フォトリアル3D表現等の数理処理プログラムであります。
ロボット、センサ、半導体、デジタルツイン関連システム等に組み込まれる基盤技術として、ソフトウェアライセンス及び開発支援の形で顧客に提供しております。②SWソリューションSWソリューションは、当社グループの基盤技術を、業務用途に適したアプリケーションとして統合したものであります。
代表的な取り組みとして、設備点検・管理向けソリューションであるKudan PRISMがあります。Kudan PRISMは、現実空間を3Dデータ化し、設備・構造物等の認識、現場情報の可視化、点検・管理業務への活用を通じて、現場管理DX及び生産性向上を支援することを目的としております。
③HWパッケージHWパッケージは、当社グループのソフトウェア利用を補完し、顧客導入を促進するための3Dスキャナー、センサ、コンピュータ、ロボット等の関連機器であります。ソフトウェアと組み合わせて提供することで、空間データの取得、システム導入、実証実験、商用展開を円滑に進めることを可能にします。
当社グループは、これらの提供形態を組み合わせ、デジタルツイン向け及びロボット向けの両領域において事業開発を進めております。対象市場は、建設・土木、設備管理、インフラ、製造、物流、災害対応、スマートシティ、自動運転等、現実空間としての「現場」を有する幅広い産業であります。
また、当社グループは、フィジカルAI向けのデータ技術にも取り組んでおります。現実空間データの取得、3D化、意味付け、シミュレーション活用、ロボット行動データとの連携等を通じて、フィジカルAIモデルの学習及び実環境適用を支援する技術基盤の構築を進めております。
(4)技術の特徴当社グループの空間知覚技術は、デジタルツイン及びロボティクスの双方に応用可能な基盤技術であり、以下の特徴を有しております。①高度な空間認識技術当社グループは、SLAMを中核として、自己位置推定、環境地図生成、3次元認識、ロボットナビゲーション等の技術を開発してまいりました。
これらの技術により、機械は現実空間における自己位置と周辺環境を把握し、デジタルツインの生成やロボットの自律移動に必要な空間情報を取得することができます。
②デジタルツインとロボット双方への展開力当社グループは、現実空間をデジタル空間上に複製するデジタルツイン技術と、ロボットが空間を知覚して行動する自律制御技術の双方に取り組んでおります。
両領域は、フィジカルAIの発展に向けて相互に融合していくものと考えられ、当社グループはその交差領域において、空間データの取得、理解、活用、行動制御を統合的に支援することを目指しております。
③AIとの融合当社グループは、従来の幾何学的な空間認識技術に加え、AIによる意味理解やデータ活用との融合を進めております。3次元空間内の設備、構造物、物体、リスク箇所等を意味情報とともに認識することで、単なる3D地図の生成にとどまらず、現場管理、点検、判断支援、自律制御等への応用を可能にします。
④センサ及び演算環境への柔軟性当社グループの技術は、カメラ、LiDAR、ToFセンサ、IMU、GPS、機械オドメトリ等の多様なセンサと組み合わせることが可能であります。
また、CPU、GPU、DSP等の各種プロセッサ、及び主要なオペレーティングシステムに対応することで、顧客の製品・システム環境に応じた柔軟な実装が可能です。
⑤モジュール性と技術統合力当社グループの技術は、顧客の用途や既存システムに応じて、必要な機能をソフトウェアモジュールとして提供することが可能であります。これにより、半導体・組込みシステム、ロボット、3Dスキャナー、クラウド、業務アプリケーション等、多様な階層において外部技術との統合が可能となります。
⑥情報安全性への対応空間知覚技術が扱う3D空間データには、工場、インフラ、物流施設、公共空間等に関する重要情報が含まれる場合があります。
当社グループは、産業向け及び公共領域での活用を見据え、顧客の利用環境や情報管理方針に応じた柔軟な技術提供を行うことで、空間データの活用と情報安全性の両立を図ってまいります。(5) 用語の説明当社グループの事業に関わる専門用語の定義について以下のとおりです。
[注] 1.「SLAM」とは、「Simultaneous Localization and Mapping」の略称であり、コンピュータが現実環境における自己位置推定と3次元立体地図作成を同時に行う技術を指します。
2.「空間知覚」とは、カメラ、3次元センサ、IMU、GPS等から得られる情報を処理し、機械が現実空間における自己位置、周辺環境、物体、移動可能領域、空間構造等を認識・理解するための技術を指します。
3.「フィジカルAI」とは、デジタル空間上の情報処理にとどまらず、現実空間においてデータ取得、学習、行動、継続学習を行うAI及びその技術体系を指します。
4.「デジタルツイン」とは、現実環境や設備、構造物等をデジタル空間上に再現し、現実空間の状態把握、分析、シミュレーション、管理等に活用する技術及びその体系を指します。
5.「ロボットナビゲーション」とは、ロボットが自己位置、周辺環境、障害物、目的地等を認識し、経路計画及び移動制御を行うための技術を指します。
6.「セマンティック3D認識」とは、3次元データ又は3D地図に含まれる物体、構造、領域等に意味情報を付与し、機械が空間内の対象を識別・理解するための技術を指します。7.「フォトリアル3D表現」とは、3次元データ又は3D地図を写実的に表示・再構成する技術を指します。
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※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
18.23/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 4億 | 5億 ↑21.3% | 1億 ↓72.0% | 3億 ↑112.7% | 3億 ↑22.4% | 5億 ↑47.5% | 5億 ↑5.4% | 12億 ↑131.3% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 1億 | 938万 ↓92.4% | -5億 ↓4911.0% | -4億 ↑4.0% | -6億 ↓38.2% | -5億 ↑11.9% | -8億 ↓51.9% | -6億 ↑26.8% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 1億 | -1,234万 ↓111.9% | -16億 ↓12669.1% | -7億 ↑56.8% | -4億 ↑42.1% | -5,049万 ↑87.2% | -7億 ↓1372.0% | -2億 ↑76.5% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 1億 | -2,932万 ↓128.4% | -16億 ↓5387.4% | -22億 ↓39.0% | -4億 ↑81.5% | -6,992万 ↑83.1% | -8億 ↓1046.7% | -2億 ↑76.5% |
| 収益性 | ||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 15.3円 | -4.2円 ↓127.2% | -215.0円 ↓5055.2% | -283.7円 ↓32.0% | -49.3円 ↑82.6% | -7.9円 ↑84.0% | -72.8円 ↓824.5% | -16.7円 ↑77.1% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 19.10% | -3.26% ↓117.1% | -108.39% ↓3224.8% | -310.73% ↓186.7% | -42.32% ↑86.4% | -2.61% ↑93.8% | -21.47% ↓722.6% | -5.26% ↑75.5% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 11.09% | -2.09% ↓118.8% | -104.45% ↓4897.6% | -290.48% ↓178.1% | -41.03% ↑85.9% | -2.94% ↑92.8% | -23.50% ↓699.3% | -6.32% ↑73.1% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 32.71% | 2.06% ↓93.7% | -352.85% ↓17228.6% | -159.24% ↑54.9% | -179.91% ↓13.0% | -107.38% ↑40.3% | -154.69% ↓44.1% | -48.95% ↑68.4% |
| キャッシュフロー | ||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 1億 | -1億 ↓218.5% | -3億 ↓167.4% | -5億 ↓47.2% | -6億 ↓20.2% | -5億 ↑20.7% | -8億 ↓66.1% | -6億 ↑22.5% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -45万 | -7億 ↓165995.3% | -7億 ↑4.5% | -1億 ↑80.5% | -2,034万 ↑85.2% | -4億 ↓2028.0% | -2億 ↑62.6% | -1,373万 ↑91.5% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 6億 | 5億 ↓14.8% | 18億 ↑253.1% | 940万 ↓99.5% | 9億 ↑9161.2% | 18億 ↑102.2% | 19億 ↑5.2% | 1,846万 ↓99.0% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 1億 | -9億 ↓891.3% | -11億 ↓21.3% | -7億 ↑38.2% | -6億 ↑2.0% | -9億 ↓44.5% | -10億 ↓5.8% | -6億 ↑33.9% |
| 財務 | ||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 9億 | 14億 ↑50.6% | 15億 ↑9.8% | 8億 ↓50.0% | 10億 ↑30.9% | 24億 ↑135.9% | 34億 ↑43.4% | 30億 ↓12.7% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 9億 | 9億 ↑3.6% | 15億 ↑64.8% | 7億 ↓51.5% | 10億 ↑35.7% | 27億 ↑173.7% | 37億 ↑39.6% | 36億 ↓4.1% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 95.80% | 65.90% ↓31.2% | 94.40% ↑43.2% | 82.80% ↓12.3% | 75.00% ↓9.4% | 87.90% ↑17.2% | 91.70% ↑4.3% | 88.20% ↓3.8% |
| 配当 | ||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - | - | - | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。