現在、スマートフォンやIoTの普及により、日々生み出されるデータは加速度的に増加しております。当社グループは、この様々なデータ(ビッグデータ)を「新しい資源」として捉えており、この資源を活用して企業や社会に様々な価値をもたらすソフトウェア及びサービスの提供を行っております。
当社グループは、当社、連結子会社8社および持分法適用会社1社で構成されており、「データエンパワーメント事業」を単一の報告セグメントとしておりますが、提供しているソフトウェア及びサービスの性質により、企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し、今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つに売上収益を区分しております。
[帳票・文書管理ソリューション(BDS)] 帳票・文書管理ソリューションでは、帳票に関する業務基盤として国内で最も多く利用されているソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。
請求書、納品書、発送伝票、eチケットなどの業務帳票から公的機関が発行する各種証明書まで社会の様々な場所で帳票の作成や出力、管理に利用されています。主力の「SVF」は、帳票の作成や出力を担っています。現在では「SVF」での帳票出力の85%はデジタル化されています。
文書管理基盤の「invoiceAgent」と合わせて企業、公的機関の多くでデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に貢献しています。当社グループは帳票ソフトウェアの先駆者として、多くの顧客にご利用頂いており、機能の豊富さやシステムの安定性等が評価されております。
その結果、「SVF」の帳票市場(帳票運用製品)における市場シェアは、65.1%(注)となっております。主なソフトウェア及びサービスは以下のとおりです。
(注)デロイト トーマツ ミック経済研究所株式会社発刊 ミックITリポート2021年11月号「帳票設計・運用製品の市場動向 2021年度版」図表2-3.[運用]製品のベンダー別売上・シェア動向 2020年度実績 (主な連結会社) 当社、文雅科信息技術(大連)有限公司、文雅科信息技術(上海)有限公司、 WINGARC SINGAPORE PTE. LTD. (a)SVF 当社グループの主力製品である「SVF」は、帳票開発の効率化と多様な出力要件に応えるための帳票基盤ソリューションです。
「SVF」は、日本固有の複雑な帳票フォームをノンプログラミングで直感的に設計し、PDF、Excel、紙などへ多様な形式で出力できるソフトウェア/ソリューションです。独自開発のソフトウェアにより高い汎用性を有しており、メーカーやOSの種類に依存しない帳票運用を実現しています。
企業や公的機関の多くで複数のシステムを共通化した帳票基盤として活用されており、システム運用の効率化や内部統制の強化に貢献しています。「SVF Cloud」は、従来の「SVF」の強みに加え、柔軟性とリアルタイム性を兼ね備えた帳票クラウドサービスです。
クラウド上でのSFAサービスを提供している株式会社セールスフォース・ドットコムと連携した「SVF Cloud for Salesforce」やビジネスプラットフォームを提供しているサイボウズ株式会社と連携した「SVF Cloud for kintone」を提供しております。
更に、Web API機能により様々なクラウドサービスと連携し、企業間のシステムの違いやシステム変更にも柔軟に対応することができます。また、外出先で、スマートフォンやタブレットからその場でPDFの見積書を出力する、といったリアルタイム性が求められる場面での利用も可能となっております。
(b)invoiceAgent 「invoiceAgent」は、企業や公的機関で流通している帳票を電子化し、保管から流通までを一元管理することで、生産性の大幅な向上を実現するソフトウェア及びクラウドサービスです。
「invoiceAgent」は、電子文書の保管・管理業務を効率化するとともに、電子化された文書からデータを自動的に抽出し、他の業務システムにシームレスに連携させることができます。
さらに、企業間で紙をベースにやり取りされている見積書や請求書等の書類をプラットフォーム上で電子的に送付・受領を行うことが可能で、関連する業務の大幅な効率化が可能です。
また、2022年1月に施行された改正電子帳簿保存法及び2023年10月に導入されたインボイス制度に対応しており、企業は「invoiceAgent」を導入することによりこれらの法的要件を満たすことが可能となります。
[データエンパワーメントソリューション(DE)] データエンパワーメントソリューションでは、エンドユーザーに対して、ソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポートの提供を主に行っております。
これらは様々な種類のデータを組み合わせ、分析することにより、気づきや今までにない価値を生み出すビジネスの基盤となる(一般的にビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)と呼ばれる)ソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。
生産性の向上やビジネスプロセスの効率化による経営スピードの向上を実現することをコンセプトとし、データの集計、分析、可視化、意思決定支援というデータ活用の一連の流れをカバーしております。企業の業務プロセス等に組み込まれるなどして、経営者から現場の業務担当者まで多くの方々にご利用頂いております。
主なソフトウェア及びサービスは以下の通りです。
(主な連結会社) 当社、株式会社Everforth、株式会社traevo、ウイングアークNEX株式会社、WINGARC AUSTRALIA PTY LTD (c)Dr.Sum 「Dr.Sum」は、企業内外のデータを収集、蓄積し、そのデータを加工・分析することによって企業の意思決定に活用することを目的としたソフトウェアです。
数百億件ものビッグデータを数秒で処理できる性能と、ユーザーが使い慣れたwebベースとExcelベースのユーザーインターフェースを備えており、システム担当者でなくともビッグデータの集計や分析を容易に行うことが可能となっております。
また、「Dr.Sum」上で販売や会計といった社内の様々なデータを統合管理することで、企業を支える情報分析基盤として利用されております。
また、様々なクラウドサービスの普及によりクラウド上に存在するデータが加速度的に増加しているため、クラウドサービスとの連携が容易な「Dr.Sum Cloud」のニーズも拡大しております。
(d)MotionBoard 「MotionBoard」は、企業をとりまく様々なデータを価値ある情報に変え、企業にイノベーションをもたらすことをコンセプトとした情報活用ダッシュボードです。第一の特徴は多彩な表現力です。
PC画面上にグラフィカルな数多くのチャートを自由に配置可能で、業務内容の確認から事業戦略の遂行状況の確認まで、目的に合わせた使い方が可能です。また、GIS機能を備えており、位置情報を持つデータを地図上にプロットすることが可能です。
これにより、競合店舗情報と人口動態情報を組み合わせた店舗戦略や走行情報を利用したトラックの運行管理等、新しい情報活用の形が生まれております。第二の特徴は、リアルタイム処理です。
「MotionBoard」は、基幹システム、情報系システム、SFAや CRM、外部のクラウドサービス等様々なデータソースとリアルタイムに接続し、これらの情報を一つのチャート上で統合し、分析して可視化することができます。
またノンプログラミングで利用できることが特長で、多くは企業内のシステムに組み込まれる形で利用されています。近年では、Salesforceと連携した営業の生産性向上や小売業でのビッグデータ活用に加え、IoTで発生するデータの分析、可視化や閾値の設定によるリスク検知等にも利用されています。
第三の特徴は、高いメンテナンス性です。通常、情報システムの構築は、高度な知識を持ったシステム担当者が行うことが一般的ですが、「MotionBoard」は、ユーザーが自由な発想で可視化や分析を行うことを想定しているため、データの設定から表示項目やチャートの選定、配置までユーザー自身で行うことが可能です。
これにより、業務フローの変更等にも迅速に対応できます。(e)プロフェッショナルサービス 当社グループのソフトウェア及びサービスは、導入が容易であることが特徴の一つですが、大規模案件では、複雑なシステム要件が発生することがあります。
そのような場合には、システムに熟知した当社の技術スタッフが、導入支援サービスの提供を行っております。
また、近年では、製造業でのIoTを用いた工場の可視化や小売業でのビッグデータ分析といった業界特有の課題解決のニーズが増加しており、このような要望に対しては、社内の専門チームが要件定義から導入まで、総合的なコンサルティングサービスを提供しております。
[用語の説明] 本書において使用しているIT業界特有の主な用語についてご説明いたします。用語 説明 SIer システムインテグレーター(System Integrator)の略。主に企業のシステム構築、運用業務を一括して請け負う事業者。IoT Internet of Thingsの略。
通信技術やインフラの発達により、インターネットを介して、あらゆるものがネットワークにつながること。AI Artificial Intelligenceの略。人間の脳が行っているような認識や判断といった作業を自律的に行うソフトウェアやシステム。SFA Sales Force Automationの略。
案件管理や見込管理等、企業の営業活動の効率化を目的とするソフトウェアやシステム。CRM Customer Relationship Managementの略。
顧客属性や対応履歴を管理し、顧客ごとに最適な対応を行うことで、長期的に良好な関係を築き、結果として収益の最大化を目的とするソフトウェアやシステム。API Application Programming Interfaceの略。
外部の他のプログラムから機能やデータなどを呼び出して利用するための手順やデータ形式などを定めたもの。開発効率やシステム間連携が大幅に向上する。BI ビジネスインテリジェンス(Business Intelligence)の略。
企業活動によって生じた様々なデータを集計・分析し、企業の意思決定を支援するソフトウェアやシステム。GIS Geographical Information Systemの略。デジタル化された地図情報と位置情報を持ったデータを統合し、情報全体の視覚的な把握を可能とするソフトウェアやシステム。
KPI Key Performance Indicatorの略。企業における業績管理評価のための重要な指標。DX デジタルトランスフォーメーションの略。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。事業系統図は次のとおりであります。
[事業系統図] (注) 上記系統図の子会社は当社グループの事業上重要なものについて記載しております。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
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※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 183億 | 198億 ↑8.5% | 223億 ↑12.7% | 258億 ↑15.2% | 287億 ↑11.5% | 309億 ↑7.8% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 25億 | 35億 ↑42.7% | 34億 ↓3.9% | 50億 ↑46.3% | 58億 ↑16.0% | 64億 ↑11.4% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 24億 | 35億 ↑44.4% | 34億 ↓2.5% | 50億 ↑45.7% | 58億 ↑17.3% | 65億 ↑11.9% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 25億 | 44億 ↑77.5% | 44億 ↑1.1% | 54億 ↑23.0% | 59億 ↑9.6% | 65億 ↑9.6% |
| 収益性 | ||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 79.5円 | 132.3円 ↑66.5% | 129.5円 ↓2.1% | 158.1円 ↑22.0% | 172.0円 ↑8.8% | 187.6円 ↑9.1% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 9.97% | 15.49% ↑55.4% | 13.53% ↓12.7% | 14.71% ↑8.7% | 14.66% ↓0.3% | 14.64% ↓0.1% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 4.39% | 7.39% ↑68.3% | 7.04% ↓4.7% | 8.21% ↑16.6% | 8.66% ↑5.5% | 8.84% ↑2.1% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 13.56% | 17.84% ↑31.6% | 15.21% ↓14.7% | 19.32% ↑27.0% | 20.10% ↑4.0% | 20.78% ↑3.4% |
| キャッシュフロー | ||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 50億 | 64億 ↑30.0% | 69億 ↑6.7% | 78億 ↑14.1% | 82億 ↑4.5% | 72億 ↓12.2% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -1億 | -5億 ↓294.8% | -10億 ↓91.6% | -16億 ↓56.9% | -17億 ↓3.5% | -29億 ↓74.7% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | -46億 | -21億 ↑55.1% | -37億 ↓78.9% | -45億 ↓19.6% | -48億 ↓7.6% | -58億 ↓20.6% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 48億 | 59億 ↑22.6% | 59億 ↓1.0% | 62億 ↑6.6% | 65億 ↑4.8% | 43億 ↓34.2% |
| 財務 | ||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 559億 | 589億 ↑5.4% | 626億 ↑6.2% | 660億 ↑5.4% | 684億 ↑3.8% | 735億 ↑7.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 142億 | 167億 ↑17.5% | 175億 ↑4.8% | 192億 ↑9.5% | 199億 ↑3.9% | 202億 ↑1.4% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 45.93% | 51.84% ↑12.9% | 55.18% ↑6.4% | 59.25% ↑7.4% | 61.07% ↑3.1% | 63.95% ↑4.7% |
| 配当 | ||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 24.0円 | 42.6円 ↑77.5% | 43.1円 ↑1.2% | 78.7円 ↑82.6% | 104.0円 ↑32.1% | 104.0円 ↑0.0% |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 283.35% | 32.20% ↓88.6% | 33.27% ↑3.3% | 49.79% ↑49.7% | 60.48% ↑21.5% | 55.45% ↓8.3% |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。