当社は、持株会社として当社グループの経営方針策定及び経営管理を行っています。当社グループは、当社、国内子会社2社、海外子会社15社、関連会社4社で構成され、12の国と地域に展開しています。
なお、当社は有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当し、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準のうち、上場会社の規模との対比で定められる数値基準については連結ベースの計数に基づいて判断することとなります。
(1)ミッション 当社グループは、「多様性を活かし、テクノロジーで世界を変える」をミッションとしております。
世界の課題を解決するようなプロダクトやサービス、エコシステムをデジタルパートナーとしてクライアントと共に作り上げると同時に、世界中の多様で素晴らしい才能に満ち溢れた人々に、国境を越えて「働く機会」「成長する機会」「世界の問題を解決するようなプロジェクトに参画する機会」などの「機会」を提供することで、より良い世界を実現したいと考えております。
(2)事業セグメント 当社グループは、メイン事業として主に大企業や自治体に対して、AIとデジタルの力で企業の変革と価値創造に伴走する「AI & Digital Partners事業」を展開しております。
また、「その他事業」として、RPA(ロボットによる業務自動化)ツール、音楽配信事業等のプロダクト事業を展開しております。
AI & Digital Partners事業はクライアント毎にカスタマイズされたサービスですが、市場の共通課題に対しては、「プロダクト事業」として複数のSaaS型サービス(注1)を提供しており、「その他事業」の大半を占めております。
① AI & Digital Partners事業 AI & Digital Partners事業では、クライアントのデジタル戦略立案から始まり、デザイン、システム開発、さらにデータ解析、プロセス最適化までワンストップでクライアントのデジタルトランスフォーメーション(注2)の包括的なサポートを行っております。
これらの活動を通して、多数のクライアントに対し、AIやAR等(注3、注4)の先端技術を駆使しながら、新規事業、ビジネス変革、業務改善などクライアントの経営課題解決及びビジネスに大きなインパクトのあるデジタルトランスフォーメーションの実現を目指しております。
AI & Digital Partners事業の売上は、大多数は準委任契約(クライアントにサービスを提供する人材の時間あたり単価と稼働時間をベースに請求)となっており、プロダクトリリース後も継続的に改善や新規機能の開発を行うことが多いため、継続性の高い事業になっております。
世界12の国と地域で事業を展開しており、クライアントの所在地である日本やアメリカ、シンガポールなどはレベニューセンター(注5)として営業やコンサルティング、デザインなど上流工程の人材を配置し、一方でエンジニア人口が多く、コスト水準が低い国にデリバリーセンター(注5)として多くのエンジニアを配置することで、コスト競争力を持ちながらスケーラブルにエンジニアの採用、教育及び開発を行っております。
デリバリーセンターは各レベニューセンターの時差に対応できるようベトナム、フィリピン、コロンビアなど各地域に分散して構えております。注:2025年12月末時点。拠点数は子会社のものも含む。
注:APAC=Asia Pacific 注:Palestineの1名はMonstarlab Bangladesh Ltd.に所属しております。
② その他事業 AI & Digital Partners事業では、個々のクライアントと伴走するパートナーとしてデジタルトランスフォーメーションを推進しておりますが、その他事業の大半を占めるプロダクト事業では、当社グループが事業主体として、市場の共通課題を解決する複数のSaaS型サービスを展開しております。
プロダクトとしては、店舗向けBGMサービスの「モンスター・チャンネル」、中小企業・自治体向けRPAソフトウェアの「RAX」などを展開しております。「モンスター・チャンネル」は、パソコン・スマートフォン・タブレットで簡単に始められる店舗向けBGMサービスです。
お店などの商用空間に適した音楽チャンネルが1,000以上あり、業種・業態に合った音楽を探すことができます。著作権管理団体と契約しているため面倒な著作権処理も不要で、従来の有線放送の半額以下の料金で利用できることが強みとなっており、飲食店、美容室、小売店、医療施設を中心にシェアを拡大しております。
「RAX」は主に大規模なシステム導入のハードルが高い中小企業を対象とした、自社開発のRPAソフトウェアです。
労働力が不足しがちな小規模企業及び個人事業者に対して、ソフトウェアの提供に加えて、専門のコンサルタントによる業務の見える化や業務効率改善といった包括的なサービスを、導入しやすい価格帯で提供しております。2025年12月末時点の累計アカウント数は、200以上となっております。
デジタルコンサルティング事業が予算を確保できる大企業向けオーダーメイド型であるのに対して、プロダクト事業はコンサルティング事業の経験を元に、市場の共通課題に対して市場規模や競争環境から成功可能性が高いと判断したものをSaaSプロダクト化しております。
その結果、大企業だけでなく中小企業向けにもデジタルサービスの提供が可能となっております。AI & Digital Partners事業及びプロダクト事業の事業系統図は次の通りであります。
(3)事業の特徴 昨今、多くの領域でスタートアップ企業やテック企業が大企業のビジネス領域まで浸食してきており、大企業はデジタルの力で新規事業やビジネスモデルの変革を行うことを余儀なくされておりました。
そこに、新型コロナウイルス感染症の流行によるニューノーマルの定着などを背景としてデジタルトランスフォーメーション市場の成長が加速された結果、市場規模は2024年時点で世界で約166兆円、2030年まで年率28.5%で成長し、世界で約716兆円になると見込まれております。
(注6) 広大なDX市場の中で当社が得意とする領域は「新規サービス開発」や「既存ビジネスの変革」「既存ビジネスの顧客体験変革」といった「クライアントの売上を向上させる」イノベーション創出、売上向上型デジタルトランスフォーメーションとなっております。
一方、SIer(システムインテグレーションを行う事業者)や総合コンサルティングファームは「コスト削減」や「業務効率化」を主とする業務システムの導入、開発、運用を得意領域としてきました。
当社グループが得意とする「クライアントの売上を向上させる」イノベーション創出、売上向上型デジタルトランスフォーメーションの領域は「業務システム」領域と大きく異なる、「アジャイル開発」「UXデザイン」と呼ばれる手法が必要なため、SIerや総合コンサルティングファームにとっては市場参入が難しい領域となっていました。
そのため、当社グループとSIerや総合コンサルティングファームとで領域の棲み分けが起こることとなり、当社グループはデジタルトランスフォーメーションにおいて「クライアントの売上を向上させる」イノベーション創出、売上向上型デジタルトランスフォーメーションに強いというユニークなポジショニングを獲得していると当社グループは考えております。
実際、ビジネス変革や新規サービス開発と業務システムが関連した案件などは、これまで総合コンサルティングファームやSIerと協業をしてきた実績があります。
DX市場における当社グループの競争優位性(当社グループによる分析) 注:Business & Strategy = 全社DX戦略策定、ビジネス変革戦略、新規事業戦略。Experience Design = ビジネス&サービスデザイン、UX/UIデザイン。
Technology & Development = AI、AR/VR、IoT等。
Data Analytics =データプラットフォーム構築、ビジネスインテリジェンス、事業データ分析 新規事業やビジネス変革、顧客体験変革は、戦略→デザイン→開発→データ分析といった必要プロセスを、個別に、かつ順番に推進していくのではなく、これらの一連のプロセスを連携させ、迅速かつ包括的にPDCAサイクルを回しながら推進するアジャイル型アプローチが適しており、従来の総合コンサルティングファームやSIerに比べて当該アプローチに強みがある点が当社グループの競争優位性となっていると考えております。
当社グループの具体的競争優位性(当社グループ分析) 注:当社グループの視点からの傾向 また、「クライアントの売上を向上させる」イノベーション創出、売上向上型デジタルトランスフォーメーションには、アジャイル型プロセスの他に、イノベーションの共創という点が重要になっております。
それは新規ビジネスの共創であり、AI、ARなどの最先端のテクノロジーが重要であると当社グループは考えており、これらのスキルセットは、スタートアップ企業やテック企業で求められてきたものになっております。
そのため、売上向上型デジタルトランスフォーメーションサービスは、これまで大手コンサルティングファームやSIerではなく、世界各国の比較的小規模のファームが主なサービス提供者となっていました。
これに対して、当社グループは、スタートアップやテック企業と同じようなスキルセットやプロセスを持ちながら、大規模プロジェクトへの対応が可能な大企業が必要とする規模、セキュリティ、品質を担保している稀有な企業となっていると考えております。
さらに、当社は、世界の主要都市に拠点を有することで、グローバルで最先端のケーススタディを蓄積することが可能になっており、競合他社と対比するとインターナショナル企業の顧客課題により深く接点を持つという点で優位性を保持していると考えております。
なお、グローバル展開は、当社グループのケイパビリティ強化の観点からも大きな意味合いを持っております。世界のDXの進行状況は、地域及び業界によって大きく異なっており、ある地域の先進的なDX事例の知見を別の地域に展開することによって、グループ全体としての顧客提供価値の底上げが可能となります。
特に、多くの世界的デジタルコンサルティングファームのホームマーケットである米州市場では、競争激化により、業界特化型DXソリューションが多く生まれております。
それらの知見を、当社グループのホームマーケットであるAPACに展開することでそれら市場において大きな成長を目指すと共に、APACでの大規模プロジェクトの知見をAPAC以外の市場に還流することで、各市場でのプレゼンス強化を目指しております。
(注) 1.SaaS:Software as a serviceの略称。
2008年1月21日に経済産業省が「SaaS向けSLAガイドライン」において「SaaSとは、インターネットを通して必要なアプリケーション(機能)をユーザが利用できる仕組みであり、利用者は自社でシステムを構築、あるいはアプリケーションソフトを購入・インストールしなくても、インターネットに接続された必要条件を満たすPCがあれば、ブラウザ経由で財務会計や顧客管理等の業務アプリケーションを利用することができる。
つまり、自社の財務や顧客データ等も含めて情報システムはすべて“ネットの向こう側”にあり、SaaSサービスの提供者が維持管理を行っている。」と定義しております。2.デジタルトランスフォーメーション:2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授によって提唱された概念。
2018年12月に経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver.1.0」にて、デジタルトランスフォーメーションとは、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」だと定義しております。
デジタルトランスフォーメーションの呼称が「DX」となります。3.AI:Artificial Intelligence(人工知能)。人工的にコンピューター上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、あるいはそのための一連の基礎技術を指します。
AIという言葉が初めて用いられたのは1956年にアメリカのダートマス大学で開催されたダートマス会議で、計算機科学者・認知科学者のジョン・マッカーシー教授によって提案され、一般社団法人 人工知能学会では、AIという言葉の生みの親であるジョン・マッカーシー教授の言葉を「知的な機械、特に知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」と翻訳して紹介しております。
4.AR:Augmented Reality(拡張現実)。VR(Virtual Reality、仮想現実)としばしば併用されます。2020年2月に経済産業省近畿経済産業局が発表した「ビジネスに効果的なVR/AR/MR活用の手引書・事例集」では、次のように定義されております。
「VRとはCGで作られた世界や360度動画等の実写映像を、あたかもその場所に居るかのような没入感で味わうことができる技術を指す。ARは、現実世界に、コンピューターで作った文字や映像等などのデジタル情報を重ね合わせて表示することができる技術を指す。
」 5.レベニューセンター、デリバリーセンター:当社グループでは、主にクライアントと対面して営業及びサービス提供をする拠点を、文字通り売上を上げる拠点ということでレベニューセンターという呼称を使用しており、日本、シンガポール、アメリカ等がレベニューセンターにあたります。
この拠点には主に営業、コンサルタント、デザイナーなどクライアントとコミュニケーションをとる人員が主な構成員となっており、反対に、サービスのデリバリーに特化した拠点、主にプログラミングなどクライアントとコミュニケーションをとる必要のない人員が配置されている拠点に対してデリバリーセンターという呼称を使用しております。
当社グループでは、ベトナム、フィリピン、コロンビア等がデリバリーセンターにあたります。
6.データソース: Digital Transformation Market Size, Share & Trends Analysis Report By Solution (Analytics, Cloud Computing, Social Media, Mobility), By Service, By Deployment, By Enterprise, By End Use, By Region, And Segment Forecasts, 2022 – 2030 USD=155JPYとして算出。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
9.2/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 143億 | 133億 ↓6.5% | 100億 ↓25.1% | 78億 ↓22.1% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | -4億 | -10億 ↓116.1% | -15億 ↓58.6% | -4,547万 ↑97.0% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | -3億 | -8億 ↓218.2% | -96億 ↓1048.3% | -2億 ↑98.1% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | -7億 | -24億 ↓249.1% | -99億 ↓322.3% | -3億 ↑96.6% |
| 収益性 | ||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | -24.5円 | -70.1円 ↓185.9% | -285.1円 ↓306.9% | -7.5円 ↑97.4% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | -14.72% | -56.79% ↓285.8% | 266.13% ↑568.6% | -17.62% ↓106.6% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | -5.22% | -16.29% ↓212.1% | -131.08% ↓704.7% | -3.66% ↑97.2% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | -3.12% | -7.20% ↓130.8% | -15.24% ↓111.7% | -0.58% ↑96.2% |
| キャッシュフロー | ||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | -15億 | -35億 ↓127.8% | -31億 ↑12.3% | -1億 ↑95.2% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -23億 | -12億 ↑45.9% | -4億 ↑68.2% | -2,919万 ↑92.6% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 22億 | 37億 ↑66.2% | 32億 ↓14.4% | 26億 ↓19.4% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | -38億 | -48億 ↓24.1% | -35億 ↑26.8% | -2億 ↑94.9% |
| 財務 | ||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 129億 | 145億 ↑11.9% | 76億 ↓47.5% | 92億 ↑21.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 39億 | 29億 ↓25.5% | -37億 ↓229.8% | 19億 ↑151.2% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 35.48% | 25.66% ↓27.7% | -62.44% ↓343.3% | 7.61% ↑112.2% |
| 配当 | ||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。