当社は、「2100年、空き家ゼロ」というミッションのもと、日本の空き家(注1)問題の解決を目指し、主に自社WEBメディアを通して集客した、空き家を手放したい持ち主(以下、「売主」。)から空き家を買取り、空き家を活用したい買い手(以下、「買主」。
)へ販売する、空き家マッチング事業を日本全国で運営しています。なお、当事業年度末より、投資家の皆様に事業の実態をより正確に把握していただくことを目的に、セグメント名称を不動産事業から空き家マッチング事業へ変更しています。日本の空き家は、過去数十年にわたって増加し続けています。
空家特別措置法(2015年制定、2024年改正)や空き家バンク制度の創設等を通じて、国や地方自治体による対策は行われていますが、本書提出日現在においても減少傾向は見られません。
空き家は、何らかの瑕疵がある、いわゆる訳あり物件(注2)であることが多く、新築戸建てやマンションと比べて実需(注3)は低いと言えます。また、中古不動産の取引において一般的な取引形態である仲介取引では、事業者が得られる手数料は、取引金額を基準とした上限が宅地建物取引業法によって定められています。
そのため、取引金額が低額となることが多い空き家の取引では、仲介手数料も低額となります。
当社は、これらが空き家の流動性が低いことの主な要因であると考えている一方で、これまでの事業運営等を通じて、機会に恵まれていないだけで潜在的な売主及び買主が多数いることを理解しており、空き家が活用されない状況をもったいないと考えると同時に、事業成長の機会と捉えています。
売主、買主ともに動機は様々なものがありますが、当社実績では、売主においては相続により所有することになった物件を持て余していること、具体的には空き家を利活用する方法がなく、所有しているだけで税金や管理費等の経済的負担、管理不全による物件自体の汚損や、火災や倒壊等により物件周辺に悪影響を与えるリスクに懸念を感じていること、買主においては取得した物件を賃貸物件として利用することによる収益獲得が主な動機となっています。
その中で、当社は、次のような取り組みで売主、買主両者の動機に応えることで、「2100年、空き家ゼロ」を目指しています。なお、当社は空き家マッチング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しています。
(1)日本全国の支店網 当社は、売主にとっても、買主にとっても重要な意思決定をして頂くためには対面でのコンタクトが必要であり、また、適時適切な物件査定を行うためには、速やかに現地を訪問できる体制が必要と考えていることから、全国の都道府県に継続的に支店を出店し、営業人員を配置することで、その環境整備に努めています。
(2)内製化されたマーケティング機能 当社は、仕入のリード(注4)獲得を役割とするマーケティング部門を社内に配置し、売主の声を営業担当者から社内のマーケティング部門に直接伝えることで、速やかにマーケティング施策に反映することができる体制としています。
当社のマーケティング活動の主な種類は次の通りであり、それぞれ最適と考える施策を検討、実施しています。
種類 内容 広告出稿 各種SNS、インターネット検索媒体、不動産専門WEB媒体への広告掲載 自社媒体、オウンドメディア 訳あり不動産買取プロ(https://wakearipro.com/)、訳あり物件買取りナビ(https://albalink.co.jp/realestate/)、不動産投資の森(https://2do-3.com/)等、自社で運営するWEBメディアによる集客 オフライン広告 新聞、チラシ等への広告掲載 自治体提携 自治体との協定締結した上で、空き家バンク内の困難物件の対応、空き家相談会の開催、空き家の利活用・再生支援活動等の取り組み (3)仮需(注5)による査定 当社は、これまで実需ではなく、仮需のある買主に対して多数の空き家を販売してきていることから、買主が購入後にどのように物件の手直し等を行い、賃料をいくらに設定し、どのくらいの収益を得ているかのアンケートを実施し、蓄積しています。
そのため、買主が期待する物件価格を推定することができ、ひいては当社が売主からいくらで買取るべきかの査定を速やかに行うことができます。(4)買取り再販 当社は、原則仲介取引は行わず、当社が売主から空き家を買取り、買主へ販売する取引形態を採用しています。
これにより、宅建業法が定める仲介手数料の上限額の制約を受けず、当社の実績に基づいて、当社が適正と判断する収益を確保した取引を行うことができるメリットがあります。一方で、当社の在庫として保有することにより、資金の固定化、登記関連費用の負担、在庫管理の必要が生じる等のデメリットがあります。
そこで、当社は、第三者のためにする契約(注6)(以下、「三為取引」)を活用することで、買取り再販モデルによって生じるデメリットの低減を図っています。
(5)投資家ネットワーク 当社は、訳あり物件・空き家専門の投資サイトである、不動産投資の森(https://2do-3.com/)というWEBサイトを運営しており、不動産投資に関する情報提供を行っています。また、会員登録者には当社が販売する未公開の物件情報を配信しています。
これらの取り組みにより不動産投資の森の会員数は継続的に増加しており、また、販売物件の3割超は当社から複数回の購入実績を有する買主が購入しています。
(6)育成から採用、データベース化までが連動した組織構築 当社の仕入活動における最大の特徴は仮需による査定であり、営業人員の育成における最重要項目も同ノウハウの習得です。当社は、創業以来行ってきた数万件の査定データを蓄積し、研修内容に反映することで、ノウハウの精度向上、習得の早期化を図っています。
これは、営業人員の採用時における業界経験の有無等に関するハードルを下げることになるため、採用競争力を高め、新規支店の出店スピードを高めることにつながります。
さらに、支店が増えると売主とのコンタクトが増加し、査定データも増加することから、さらなるノウハウの精度向上、習得の早期化に活かせる好循環をもたらします。
(7)有料引取(注7) 当社は、(1)~(3)の特徴から一般的な事業者と比較して買取り可能な物件の範囲は広いと考えていますが、一部には地価や建物の状態等から判断して、当社でも買取りが困難な物件もあります。
その上で、買主からのニーズがある場合には物件の処分に関するコンサルティングを有償で請け負い、最終的に当社が該当物件を買取ることがあります。
この場合、実質的には有料引取となりますが、当社は、不動産の有料引取業界の健全化を目的とする不動産有料引取協議会に加盟し、同協議会が定める自主規制ルールに基づいて取引を行うことで、取引の健全性確保に努めています。
(注)1.賃貸・売却用及び二次的住宅(別荘やリモートワーク、残業時の寝泊り用)を除く空き家 2.以下、当社が定義する訳あり物件の種類 種類 内容 法律的瑕疵 占有者がいる、物件の共有持分のみ、再建築不可等 物理的瑕疵 物理的に破損しており、雨漏り、シロアリ被害、傾き等 環境的瑕疵 近隣で騒音がある、異臭がする、風営法の規制対象となる店舗がある等 心理的瑕疵 自殺や他殺があった等 3.自ら居住するために購入する需要 4.売主からの所有物件の売却に関する問い合わせ 5.賃貸利用、転売を目的に購入する需要 6.買主に販売することを明示したうえで事業者と売主とが売買契約を締結し、その後事業者と買主とが売買契約を締結することで、事業者における所有権登記が不要となり、事業者が在庫として保有することもなくなる取引形態 7.所有者から金銭を得て不動産を引き取る取引形態 [事業系統図] 上記に述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
34.05/ 100
| 指標 | 2025年 |
|---|---|
| 損益 | |
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 82億 |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 13億 |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 13億 |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 10億 |
| 収益性 | |
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 121.6円 |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 67.10% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 18.66% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 16.01% |
| キャッシュフロー | |
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 11億 |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -1億 |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 11億 |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 10億 |
| 財務 | |
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 53億 |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 20億 |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 38.30% |
| 配当 | |
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。