当社グループは、「イノベーションで世界中の人々にワクワクを」というミッション実現のため、テクノロジーがパラダイムシフトを起こし、生活を豊かにする力を秘めているという考えを持ち、独自のテクノロジーでイノベーションを起こすために事業成長に取り組んでおります。
当社グループの主な事業内容は、インターネット広告および関連領域におけるマーケティング支援サービスの提供であり、当連結会計年度(第20期)においては、以下の3つの事業領域を展開しております。
(1)アドプラットフォーム事業(LOGLY Marketing Nexus) (2)データプラットフォーム事業(ウルテク) (3)SNSマーケティング事業(株式会社EGG) なお、これらの事業は、当社グループが構築・運用する共通のデータおよびテクノロジー基盤「LOGLY Sphere」を基盤として、相互に連携・補完する形で展開されております。
また、当社グループは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。当社グループのサービス提供先は、主に以下となります。・広告主(広告代理店を含む。以下において「広告主」と記載する。) ・媒体社(一般社団法人日本インタラクティブ広告協会(以下において「JIAA」と記載する。
)の定義では、情報やサービスを提供するWEBサイトやアプリケーションなどのメディアを所有・運営し、それらの中に設けた広告枠を第三者の広告主に販売して広告を掲載する事業者) ・BtoB事業を展開する法人のマーケティング・営業部門 ・インフルエンサーマーケティング、SNSキャンペーンの発注企業 また、当社グループが配信した広告をインターネット上においてPCやスマートフォンを利用して「閲覧」または「クリック」する人をユーザーと言います。
図1 LOGLYグループの事業構造 (1)アドプラットフォーム事業「LOGLY Marketing Nexus」 当社グループは、2025年3月に従来複数のブランドで提供していたアドプラットフォーム関連プロダクトを「LOGLY Marketing Nexus」として統合し、ブランドおよび販売体制を一本化いたしました。
当連結会計年度においては、以下の主要プロダクトラインナップにより、広告主の課題解決を多角的に支援するアドプラットフォーム事業を展開しております。
① LOGLY Ads Context(旧 LOGLY lift) 当社グループは、2012年10月よりネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を提供してまいりましたが、2025年3月の上記ブランド統合に伴い、名称を「LOGLY Ads Context」へと変更いたしました。
JIAAの定義によれば、ネイティブ広告とは「デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一本化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告」とされており、当社グループは質・量ともに充実した媒体ネットワークを構築し、ネイティブ広告事業者としての地位を確立・維持してまいりました。
当社グループの強みは、コンテクスチュアル・ターゲティング配信(文脈解析技術による広告配信)であります。
当社グループの独自の文脈解析技術は、その開発開始を2008年11月に遡り、自然言語処理を活用したログリー独自のマッチング技術として、媒体社のWebサイトから取得した記事内容から本文部分を推測特定、推定された本文から形態素解析や意味解析を実施した上で、連想検索と呼ぶ文書の類似性を判断する検索インデックス化を行ったり、主要キーワードを抽出したり、サポートベクターマシン(パターン認識による機械学習法の一つであり、データ分類などが可能)を用いてカテゴリ分けをする技術の総称を指しております。
その文脈解析技術を用いて本文から主題(メインテーマ)を抽出して記事がどのような主題の下で作成されたかを推察することができ、文書の意味を機械的に把握させることが可能です。
製品として約13年間にわたる技術蓄積、Webサイトから蓄積された解析情報、当社サービスを継続利用しているクライアントとの取引関係は、当社グループの強みとなっております。
さらに、GDPR(*1)やITP(*2)等のユーザープライバシー保護に関する法律や仕組みが整備される中、当社グループはcookieに依存しないターゲティング手法を独自に開発し、「嫌われない広告」を実現すべく、ユーザーのプライバシーを考慮した広告配信技術の特許を取得してまいりました。
当連結会計年度においては、生成AI検索の普及によるオープンウェブメディア全体のトラフィック減少を背景に、当事業の市場成長は鈍化傾向にあるものの、新聞社・出版社との協同による高品質媒体ネットワークの維持、販売体制の再編およびプロダクト改善アクションの継続実行、既存クライアントとの関係深化等により、減収幅の縮小に取り組んでおります。
② LOGLY Ads Omni(旧 lift Plus) 2024年4月より提供を開始したマルチチャネル広告配信プロダクトです。
当社グループが取得・分析したファーストパーティデータを活用し、ネイティブ広告のみならず、国内有数のニュース配信アプリ等の大手プラットフォーマーが提供する各種広告プロダクト、SNS広告、動画広告等へとマルチチャネルでの配信を実現します。
当社グループの媒体社ネットワークの枠を越えて、運用型広告市場全般への商圏拡大を支えるプロダクトであり、大手代理店ルートを通じたパッケージ販売によって、当連結会計年度において案件数の拡大を進めております。
③ LOGLY Audience Analytics(旧 Juicer) ファーストパーティデータ・オーディエンスデータを取得・分析するデータマネジメントプラットフォーム(DMP)プロダクトです。
分析した結果を上記①および②の広告配信効果の最大化に活用するとともに、後述するデータおよびテクノロジー基盤「LOGLY Sphere」へのデータ供給源としても機能しております。
④ LOGLY Engage 媒体社のWebサイトに対し、レコメンドエンジンによりユーザーエンゲージメントを高めるメディアエンゲージメントサービスです。媒体社のサイト内回遊率向上と、当社グループの媒体ネットワーク強化を両立させるプロダクトとなっております。
(2)データプラットフォーム事業「ウルテク」 2024年9月に提供を開始したBtoBマーケティングエージェントサービスです。
サイト訪問企業の可視化、AIインテント分析、データを活用した広告・営業施策の自動化を通じて、顧客企業のマーケティング・営業戦略の立案から実行までを一気通貫で支援するプロダクト群です。当連結会計年度においては、以下の5つのプロダクトによる一気通貫支援体制を構築いたしました。
① ウルテク アナリティクス(「把握」フェーズ) お客様のサイトを訪れた企業の企業名や行動履歴をリアルタイムに可視化し、「誰が」自社に関心を持っているかを明確にいたします。
② ウルテク AIチャット β(「分析」フェーズ) 生成AIがサイト内外の行動データ(インテントデータ)を深く分析し、顧客が「今、何に興味を持ち、何を求めているか」を対話形式で明らかにいたします。
③ ウルテク広告(「実行」フェーズ・2025年11月リリース) 分析結果に基づき、ターゲット企業の決裁者層に対してピンポイントで広告配信を行うプロダクトです。
④ ウルテク フォームエージェント(「実行」フェーズ・2026年2月リリース) インテントデータに基づいて自動的にフォーム送信を行い、ターゲット企業に対する営業アプローチを効率化するプロダクトです。
⑤ ウルテク スタジオ(「実行」フェーズ・2026年3月リリース) 匿名企業の検知から商談誘導までを支援し、Web上での顧客接点を最適化するプロダクトです。
ウルテクは、SaaS型の月額課金モデルに加え、商談化・成約に連動する成功報酬型課金要素を組み合わせることで、顧客企業の事業成果と当社グループの収益を直接連動させるビジネスモデルを採用しております。
また、顧客企業ごとに学習・最適化される独自のAIエージェントを構築することにより、汎用SaaSでは提供困難な差別化を実現しております。
(3)SNSマーケティング事業「株式会社EGG」 2025年1月(みなし取得日 2025年3月31日)に株式の100%を取得し、当社の完全子会社化を完了した株式会社EGG(以下「EGG社」)が運営するSNSマーケティング事業です。
前連結会計年度においては貸借対照表のみを連結しておりましたが、当連結会計年度(第20期)より連結損益計算書にも業績を反映しております。
同社は、メガインフルエンサーとの専属契約モデルを基盤としたインフルエンサーマーケティング、SNSキャンペーンにおける再生回数保証型キャスティング・制作支援、SNS運用代行、コンテンツ制作を主たる事業内容としております。
当社グループの広告主基盤、データ分析基盤との連携により、急成長を続けるインフルエンサーマーケティング市場・SNSマーケティング市場における事業拡大を推進しております。当連結会計年度の第4四半期以降は、国内最大手広告代理店との連携を軸に受注が拡大し、SNS事業はストック型の受注構造を構築しつつあります。
(4)データおよびテクノロジー基盤「LOGLY Sphere」 当社グループでは、上記(1)〜(3)の各事業から得られる膨大なデータを蓄積・分析し、各サービスのパフォーマンスを最大化するためのデータおよびテクノロジー基盤として「LOGLY Sphere(ログリースフィア)」を2024年1月に開発・基盤化いたしました。
LOGLY Sphereには、当社グループが創業以来蓄積してきたデータ分析アルゴリズムや知的資産が集約されており、そこに集められたデータを独自の手法で分解・整理し、それぞれの事業向けに提供されています。
なお、LOGLY Sphere自体は販売用の製品やサービスではないため単独では収益を生みませんが、当社グループのコアコンピテンシーとして、上記3事業の差別化に貢献しております。
図2 データおよびテクノロジー基盤であるLOGLY Sphere (5)AIエージェント時代の広告運用フレームワーク「mureo」(業界貢献) 当社グループは、10年以上にわたり蓄積してきた広告運用ノウハウを、AIエージェント時代の広告運用フレームワークとしてオープンソース化し、当連結会計年度末後の2026年4月、GitHub上にて公開いたしました。
本取組は、短期的な業績への直接的な貢献を目的としたものではなく、AIエージェント時代における広告運用市場での当社グループのポジショニング再定義と、業界全体の発展への貢献を目的として実施しております。
(注) *1 GDPR General Data Protection Regulationの略称で、EU一般データ保護規則とも呼ばれています。EU内で適用される個人のデータ保護を目的とした制定で、2018年5月25日から施行されました。
*2 ITP Intelligent Tracking Preventionの略称で、Apple社が2017年にプライバシー保護とセキュリティ強化を目的にiOS/macOSに実装した機能で、Safariブラウザ内においてcookieの働きを制限することで、サイト間のトラッキング(ユーザー追跡)を抑制する機能です。
[事業系統図] 当社の事業系統図は次のとおりであります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
14.87/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | |||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 16億 | 24億 ↑47.8% | 27億 ↑14.1% | 40億 ↑46.3% | 27億 ↓32.3% | 27億 ↑0.3% | 21億 ↓23.6% | 16億 ↓21.9% | 14億 ↓11.3% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 1億 | 2億 ↑39.8% | 6,359万 ↓63.8% | 2億 ↑174.7% | 2,524万 ↓85.5% | 1億 ↑417.8% | -224万 ↓101.7% | -2億 ↓7152.2% | -4,504万 ↑72.2% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 1億 | 2億 ↑29.6% | 5,980万 ↓62.7% | 2億 ↑243.6% | 2,324万 ↓88.7% | 1億 ↑465.4% | -235万 ↓101.8% | -2億 ↓6917.2% | -5,011万 ↑69.6% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 1億 | 1億 ↓0.3% | 4,096万 ↓60.8% | -3,220万 ↓178.6% | -7億 ↓2004.4% | 1億 ↑118.7% | -4,698万 ↓137.2% | -2億 ↓303.1% | -7,348万 ↑61.2% |
| 収益性 | |||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 68.1円 | 58.2円 ↓14.5% | 22.0円 ↓62.2% | -7.1円 ↓132.2% | -184.3円 ↓2499.9% | 34.6円 ↑118.8% | -12.5円 ↓136.2% | -49.8円 ↓297.4% | -19.3円 ↑61.2% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 20.90% | 11.80% ↓43.5% | 3.50% ↓70.3% | -2.66% ↓176.0% | -141.63% ↓5224.4% | 23.30% ↑116.5% | -7.07% ↓130.3% | -39.87% ↓463.9% | -18.30% ↑54.1% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 10.85% | 6.01% ↓44.6% | 1.77% ↓70.5% | -1.42% ↓180.2% | -34.55% ↓2333.1% | 6.68% ↑119.3% | -3.17% ↓147.5% | -16.96% ↓435.0% | -8.05% ↑52.5% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 7.82% | 7.39% ↓5.5% | 2.35% ↓68.2% | 4.41% ↑87.7% | 0.94% ↓78.7% | 4.86% ↑417.0% | -0.11% ↓102.3% | -10.10% ↓9081.8% | -3.16% ↑68.7% |
| キャッシュフロー | |||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 3億 | 2億 ↓29.3% | 1億 ↓44.7% | 2億 ↑124.1% | -2億 ↓180.9% | 2億 ↑206.2% | -1億 ↓154.2% | -1億 ↓16.8% | -1億 ↑15.5% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -142万 | -9,955万 ↓6915.6% | -3億 ↓237.9% | -5,504万 ↑83.6% | -6億 ↓1037.0% | 64万 ↑100.1% | -1,113万 ↓1850.6% | 2,706万 ↑343.0% | -2,473万 ↓191.4% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | -4万 | 5億 ↑1236395.5% | 4億 ↓27.1% | -1億 ↓127.1% | 6億 ↑621.3% | -3億 ↓145.5% | -2億 ↑26.3% | -2億 ↑14.6% | -2億 ↑0.1% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 3億 | 9,549万 ↓65.2% | -2億 ↓339.4% | 2億 ↑181.7% | -8億 ↓540.1% | 2億 ↑125.4% | -1億 ↓159.4% | -1億 ↑15.6% | -1億 ↓30.1% |
| 財務 | |||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 10億 | 17億 ↑79.9% | 23億 ↑33.1% | 23億 ↓1.9% | 20億 ↓13.5% | 19億 ↓3.5% | 15億 ↓21.6% | 11億 ↓24.7% | 9億 ↓18.2% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 6億 | 12億 ↑119.2% | 12億 ↓2.7% | 12億 ↑2.5% | 5億 ↓60.5% | 6億 ↑26.4% | 7億 ↑9.8% | 5億 ↓28.5% | 4億 ↓15.5% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 57.40% | 69.90% ↑21.8% | 51.10% ↓26.9% | 53.40% ↑4.5% | 24.40% ↓54.3% | 32.00% ↑31.1% | 44.90% ↑40.3% | 42.80% ↓4.7% | 45.50% ↑6.3% |
| 配当 | |||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - | - | - | - | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。