(1) 事業の概要当社グループは、当社、子会社9社(連結子会社5社、持分法非適用非連結子会社4社)から構成されております。
主として主要国での販売拠点であるZOOM North America, LLC、Mogar Music S.r.l.、株式会社フックアップ、Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH、Sound Service U.K. Limited(いずれも連結子会社)と、その他4社から構成されております。
当社グループは、音楽用電子機器の開発及び販売を主な事業内容としており、「We're For Creators」という基本理念のもと、世界中のクリエイターがよりユニークでオリジナルな作品を創造できるツールを提供することによってブランド力を向上し、株主、従業員や取引先などの当社グループと関係するステークホルダーから評価される企業を目指しております。
当社グループでは、開発は当社(日本)で行っておりますが、現在、生産は全て生産委託先であるEMS企業(注1)に外注しており自社工場は有しておりません。
中国及び東南アジアで生産された当社ブランドの製品は、当社を通じて南ヨーロッパ向けはMogar Music S.r.l.へ、中央ヨーロッパ向けはSound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH及びSound Service U.K. Limitedへ、北米向けはZOOM North America, LLCへ、その他地域向けは各国の販売代理店へ出荷されます。
なお、製品自体は中国又は香港の倉庫から国内の倉庫又は各国の販売代理店へ直接出荷しております。また、国内倉庫及び各国の販売代理店からは、直接又は卸売を通じて楽器店や家電量販店、ネット通販業者などに出荷され、店頭あるいはインターネットにより最終顧客へ販売されます。
当社グループは音楽用電子機器事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、当社グループの主な製品は下記のカテゴリーに区分されます。
製品カテゴリー 製品例 ① ハンディオーディオレコーダー(HAR)当社グループのハンディオーディオレコーダーは、楽曲配信で使われるMP3(注2)のような圧縮されたデジタル音声では無く、非圧縮音声で録音する高音質リニアPCMレコーダー(注3)となります。
マルチトラックレコーダーで培った録音技術を応用し、ロックミュージックを演奏するミュージシャン向けに開発しましたが、ミュージシャンのみならず、映像や放送分野等のクリエイターの間においても音声レコーダーとして使用されております。
2024年にモデルチェンジとなった主力製品のessentialシリーズは、人間が聞き取れる音のダイナミクスのほぼ全域をカバーする32bitフロート録音(注4)技術により、誰でも REC ボタンを押すだけの手軽さで、音割れのないクリアなオーディオ録音を実現します。
また、2025年には32bitフロート録音かつゲイン調整可能な、より高機能であるstudioシリーズの発売を開始いたしました。
studioシリーズ ② デジタルミキサー/マルチトラックレコーダー(DMX/MTR)デジタルミキサーは、入力された複数の音声信号をデジタル信号に変換して音量や音質を調整し、複数の音声をミックスさせる電子機器となります。
マルチトラックレコーダーは、複数のトラック(録音データの単位)を自由に選択し、録音/再生を行う事ができる録音機器で、ベースとなる曲を作成し、別トラックに歌、更に別トラックに音階の異なる歌を録音するといった多重録音ができる製品となります。
2025年9月より、超小型モデル「LiveTrak L6」の上位版となるL6max、ポッドキャスト特化型のP4next、L12の後継機L12nextの計3モデルを連続して市場へ投入いたしました。
LiveTrak L6max ③ マルチエフェクター(MFX)当社グループのエフェクター(注5)は、デジタル処理を使った、複数のエフェクトを内蔵したマルチエフェクターとなります。
エフェクトは内蔵された種類を任意に組み合わせることが可能で、作成した音色は本体に記録して、フットスイッチを踏むことで、呼び出して使用することができます。
当社は1990年に“ギターのストラップに取り付けることのできる小型マルチエフェクター”をコンセプトとした9002を発売して以来、ベースギター用、アコースティックギター用、それらの価格帯別モデル、更にサックスやハーモニカといったアコースティック楽器全般に幅広く対応するモデルなど、幅広いラインナップを展開してまいりました。
2023年以降は、代表的シリーズである「MultiStomp」の刷新に注力してまいりました。
2023年11月発売の「MS-50G+」を皮切りに、2024年を通じて「MS-200D+」や「MS-80IR+」、「MS-90LP+」といったMS+シリーズを順次投入し、あらゆる奏者のニーズに応えるラインナップを完結させました。
MS+シリーズ ④ プロフェッショナルフィールドレコーダー(PFR)プロフェッショナルフィールドレコーダーは、屋外での使用を想定した、映像関連産業やサウンドデザイナーなどのクリエイター向けのレコーダーで、圧倒的に広大なダイナミックレンジ(注6)を持つ32bitフロート録音や映像との高精度な同期を実現するタイムコード(注7)などの機能を備えております。
フラッグシップモデルF8nPROを筆頭に、入力チャンネル数の異なる豊富なラインナップを展開しております。
F8nPRO 製品カテゴリー 製品例 ⑤ ハンディビデオレコーダー(HVR)当社グループのハンディビデオレコーダーは、ハイレゾオーディオ(注8)音質での録音に対応した音楽用ビデオレコーダーとなります。
現在販売している製品は4K画質に対応しており、Google LLCが提供する「YouTube」などの動画投稿サイトやSNSに、高画質・高音質の動画をアップロードすることができます。
主力製品のQ8n-4Kは、交換式マイクカプセルの最新規格V2に対応し、加えてマイク入力端子を2CH備えており、バンド練習の録画や弾き語りの自撮りはもちろん、PC/Mac用の高音質なWEBカメラとして、ライブ配信やWEB会議にも使用することができます。
Q8n-4K ⑥ Mogar取扱いブランド当社グループの南ヨーロッパ地区の販売代理店である連結子会社Mogar Music S.r.l.は、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。
Mogar Music S.r.l.が販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「Mogar取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。
― ⑦ フックアップ取扱いブランド当社グループの日本国内の輸入・販売代理店である連結子会社株式会社フックアップは、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。
株式会社フックアップが販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「フックアップ取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。
― ⑧ Sound Service取扱いブランド当社グループの中央ヨーロッパ地区の販売代理店である連結子会社Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH及びその子会社であるSound Service U.K. Limitedは、当社以外の製品ブランドを取り扱っております。
Sound-Service Musikanlagen-Vertriebsgesellschaft mbH及びSound Service U.K. Limitedが販売代理店として輸入・販売している当社以外のブランドについては「Sound Service取扱いブランド」として独立のカテゴリーとしております。
― なお、従来独立したカテゴリーとして記載しておりました「マイクロフォン」「ボーカルプロセッサー」及び「オーディオインターフェース」につきましては、直近の販売実績の推移及び今後の開発計画を鑑み、重要性が低下したことから、当連結会計年度より独立した説明を省略することといたしました。
<用語解説> 注番 用語 意味・内容 1 EMS企業 EMSはElectronics Manufacturing Serviceの略であり、EMS企業とは電子機器の受託生産を行う会社 2 MP3 音声ファイルを圧縮するための技術の1つであり、それから作られるファイルのフォーマット 3 リニアPCMレコーダー リニアPCM形式で音声データを圧縮せずに記録するICレコーダー。
リニアPCMは、音声などのアナログ信号をデジタルデータに変換する方式の一つであるが、音質が劣化する原因となる圧縮等の処理を行わない方式 4 32bitフロート録音 24bitリニアに8bitの指数乗数を加えた記録方式。
小さな音のボリューム(ゲイン)で録音されたものを編集で上げても音が劣化しないというメリットがある 5 エフェクター ギターやベース等の音色に変化を付ける機器で、単体のエフェクトペダルと、複数エフェクトが1つの筐体に内蔵されたマルチエフェクターに分類される 6 ダイナミックレンジ 処理可能な音声信号の最小値と最大値の比率をいい、音量の抑揚に関する情報量を表す 7 タイムコード 映画やTVなど映像作品の制作現場で必要とされる時間、時刻情報を符号化した電気信号 8 ハイレゾオーディオ JEITA(電子情報技術産業協会)の定義では、サンプリング周波数(kHz)と量子化ビット数(bit)のいずれかがCDスペックを超えているものをハイレゾオーディオといい、ここでいうCDスペックは16bit/44.1kHz又は48kHz (2) 事業系統図。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
29.88/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 60億 | 63億 ↑5.6% | 77億 ↑22.3% | 86億 ↑11.7% | 104億 ↑21.0% | 134億 ↑28.8% | 132億 ↓1.4% | 179億 ↑35.3% | 181億 ↑1.0% | 174億 ↓3.5% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 2億 | 3億 ↑48.2% | 3億 ↓20.5% | 3億 ↑11.8% | 8億 ↑159.4% | 13億 ↑66.6% | 7億 ↓47.2% | 6億 ↓13.6% | 5億 ↓7.3% | -5,696万 ↓110.7% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 2億 | 4億 ↑77.0% | 3億 ↓4.5% | 3億 ↓7.9% | 5億 ↑41.4% | 12億 ↑169.8% | 7億 ↓40.8% | 6億 ↓9.8% | 6億 ↓14.7% | -2億 ↓141.7% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 2億 | 3億 ↑61.0% | 3億 ↓4.7% | 3億 ↓6.0% | 5億 ↑98.9% | 9億 ↑76.6% | 4億 ↓56.6% | 3億 ↓19.3% | 2億 ↓46.5% | -16億 ↓1033.7% |
| 収益性 | ||||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 89.7円 | 133.2円 ↑48.4% | 140.3円 ↑5.3% | 110.0円 ↓21.6% | 223.6円 ↑103.2% | 199.6円 ↓10.7% | 88.4円 ↓55.7% | 20.6円 ↓76.6% | 9.4円 ↓54.4% | -398.9円 ↓4338.6% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 4.50% | 6.70% ↑48.9% | 6.90% ↑3.0% | 5.20% ↓24.6% | 10.10% ↑94.2% | 15.60% ↑54.5% | 6.10% ↓60.9% | 1.40% ↓77.0% | 0.60% ↓57.1% | -27.00% ↓4600.0% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 2.93% | 4.24% ↑44.7% | 3.47% ↓18.2% | 3.29% ↓5.2% | 5.05% ↑53.5% | 8.39% ↑66.1% | 2.89% ↓65.6% | 1.65% ↓42.9% | 0.85% ↓48.5% | -8.48% ↓1097.6% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 3.70% | 5.20% ↑40.5% | 3.38% ↓35.0% | 3.38% ↑0.0% | 7.25% ↑114.5% | 9.38% ↑29.4% | 5.02% ↓46.5% | 3.20% ↓36.3% | 2.94% ↓8.1% | -0.33% ↓111.2% |
| キャッシュフロー | ||||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 4億 | 4億 ↓7.6% | -2億 ↓141.7% | -5,352万 ↑64.7% | 10億 ↑1950.0% | 6億 ↓35.7% | -6億 ↓192.1% | 8億 ↑239.3% | 6億 ↓28.5% | 6億 ↑3.0% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -2億 | -3億 ↓58.1% | -4億 ↓11.4% | -5億 ↓19.9% | -13億 ↓178.2% | -5億 ↑62.3% | -2億 ↑63.3% | -24億 ↓1290.8% | -2億 ↑90.1% | -7億 ↓185.6% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 5億 | 2億 ↓54.0% | 1,115万 ↓94.7% | -3,143万 ↓381.9% | 7億 ↑2378.6% | -9億 ↓230.9% | 7億 ↑177.5% | 22億 ↑207.4% | 1,511万 ↓99.3% | -1億 ↓848.4% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 2億 | 2,259万 ↓87.3% | -5億 ↓2457.2% | -5億 ↑4.2% | -3億 ↑45.2% | 2億 ↑156.8% | -8億 ↓580.1% | -16億 ↓113.4% | 3億 ↑121.1% | -8,817万 ↓125.7% |
| 財務 | ||||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 61億 | 68億 ↑11.2% | 79億 ↑16.6% | 79億 ↓1.0% | 102億 ↑29.8% | 108億 ↑6.2% | 137億 ↑26.0% | 193億 ↑41.1% | 201億 ↑4.3% | 187億 ↓6.7% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 40億 | 45億 ↑12.5% | 47億 ↑5.4% | 49億 ↑3.3% | 52億 ↑7.5% | 56億 ↑7.6% | 58億 ↑2.4% | 55億 ↓5.2% | 54億 ↓1.1% | 35億 ↓34.7% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 66.10% | 66.40% ↑0.5% | 59.60% ↓10.2% | 61.90% ↑3.9% | 50.20% ↓18.9% | 53.90% ↑7.4% | 47.50% ↓11.9% | 34.60% ↓27.2% | 35.70% ↑3.2% | 30.10% ↓15.7% |
| 配当 | ||||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 20.0円 | 40.0円 ↑100.0% | 43.0円 ↑7.5% | 34.0円 ↓20.9% | 62.0円 ↑82.4% | 102.0円 ↑64.5% | 50.0円 ↓51.0% | 30.0円 ↓40.0% | 31.0円 ↑3.3% | 32.0円 ↑3.2% |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 22.29% | 30.03% ↑34.7% | 30.65% ↑2.1% | 30.90% ↑0.8% | 27.73% ↓10.3% | 51.11% ↑84.3% | 56.59% ↑10.7% | 145.35% ↑156.8% | 329.44% ↑126.7% | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ 株式分割を考慮し、現在の株数基準に換算した調整後配当を表示しています
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。