私たちの身の回りのあらゆる情報がデジタルデータとして蓄積されたビッグデータは、デジタルマーケティング領域における消費者行動分析、ユーザー指向に合わせたレコメンド、製造業における故障予知や消耗品の消費予測、金融におけるFintechによる技術革新など、業務の生産性向上だけでなく、新市場の創出にも活用され、企業経営全般におけるデジタルを用いた企業変革につながっております。
しかしながら、昨今の企業経営を取り巻く環境は、生成AI・AIエージェント技術の急速な進展により大きく変容しております。従来のデータ分析・予測モデル提供にとどまらず、生成AIを活用した判断・実行・運用までを支援する能力までも、企業のAI活用パートナーに求められる時代となっています。
当社は創業以来、データサイエンスの専門性を核として様々な業界・業種の企業の課題解決を支援してきた実績を基盤としておりますが、コンサルティング領域・プロダクト領域のいずれにおいても生成AIエージェントに関連するサービスの比率を徐々に高めております。
当社は、データおよびAI活用のノウハウをコアバリュー(注)とするデータサイエンティストやエンジニアが、データ経営を目指す企業の業務改革や新事業構築を支援しております。
提供するサービスは「コンサルティングサービス」と「プロダクトサービス」に分類されますが、コンサルティングサービスには生成AIエージェントに関連するコンサルティングが含まれ、プロダクトサービスにはDifyやCognigyをはじめとする生成AIエージェント関連製品が含まれます。
両サービスにおいて生成AIエージェント関連の割合が相乗的に高まっていくことが、当社の事業成長の基本的な方向性です。(注)コアバリューとは、企業がビジネスを推進するにあたり、中核として重要視するもの、または価値観をいいます。
※ 本報告書では、顧客に提供するものについてご説明する際は「コンサルティングサービス」「プロダクトサービス」という表現を、それ以外については「コンサルティング事業」「プロダクト事業」という表現としております。
(1)サービス当社のビジネスは単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しておりますが、「コンサルティングサービス」と「プロダクトサービス」の2つに分類されます。
図:事業全体像 図:事業体系図 《 コンサルティングサービス 》コンサルティングサービスは、データ経営を目指す企業向けにAIを中心とした統合型ソリューションを提供するサービスです。
顧客企業が進める事業戦略に沿う形で、データ活用のテーマ抽出からデータ分析・AIモデル構築・AIシステム実装・教育まで一気通貫した支援を行います。
従来型のAIモデル構築・データ分析に加え、生成AIを活用したコンサルティングも本サービスに含まれており、AIエージェントの設計・構築・業務組み込みまで含めた支援へと対応範囲を広げています。
① DX/AIアセスメントDX推進に向けて、顧客が目指す姿と現状の課題を整理し、それら課題の中からデータ分析で解消できる課題の特定と分析・生成AIテーマの設定を支援します。
さらに洗い出された複数の分析・生成AIテーマについて、当社の知見を活かしながら期待できる効果と実行難易度によって優先度付けを行います。② DX/AIコンサルティングDX/AIアセスメントや分析支援と連動しながら、ビジネス価値創出に向けてロードマップを描き、実行フェーズへ移行する支援を行います。
当社のデータサイエンスとエンジニアリングの知見を元に、データ分析およびデータ活用に関連するシステム基盤や運用体制なども考慮した全体像を描くご支援を提供します。生成AIエージェントの導入戦略立案・ユースケース設計も本メニューに含まれます。
③ 分析設計/分析・AIモデル構築分析テーマに対して、具体的な分析やAIの設計をデータサイエンティストが策定し、実際に分析やAIの構築を実施します。
従来型の機械学習・統計解析モデルに加え、生成AIを活用したRAG(Retrieval-Augmented Generation)構築やファインチューニングなど高度なAI実装を提供します。また顧客のデータ活用人材育成の一環として、具体的な分析テーマをもとに顧客に対するOJTを実施するケースもあります。
④ システム構築/実装データサイエンティストが構築したAIや分析プロセスについて、エンジニアがシステムへの実装、基幹システムとの連携などを支援します。またロードマップに基づく分析基盤の構築や基盤上のデータ整備なども実施します。
AIエージェントのシステム組み込みや業務フローへの統合についても、本サービスの対応範囲に含まれます。⑤ 保守/チューニング実装したAIやシステムの保守・チューニングを実施します。
⑥ 教育DXの全社推進やデータ活用人材の内製化の要望に対応するため、当社のノウハウを活かした実践的な研修コンテンツ、育成コンテンツをご提供しております。生成AIの活用リテラシー向上から、AIエージェント開発の実践的なスキル習得まで幅広い教育メニューを展開しております。
《 プロダクトサービス 》プロダクトサービスは、当社独自のAI製品「TDSEシリーズ」や他社AI製品などの製品販売、または業務特有のAIモジュール(注)を顧客企業向けに提供するサービスです。
ソーシャルメディア分析製品・対話型AIプラットフォーム・生成AIプラットフォームなど、多様な製品群を展開しており、DifyやCognigyをはじめとする生成AIエージェント関連製品も本サービスに含まれます。
継続利用・契約に基づくストック型収益を担う領域として位置づけており、生成AIエージェント関連製品の拡充により、プロダクトサービス全体に占める生成AIエージェント関連の割合が高まっていく見込みです。
(注) AIモジュールとは、AIシステムを構成する機能となるツールであり、それ単体で活用するよりも業務システムやアプリケーション等と組合せて動かすものをいいます。
① 自社AI製品「TDSEシリーズ」当社はブランド戦略の一環として、自社及び自社プロダクトの認知度を向上させる目的から、「TDSEシリーズ」として自社ブランドの展開を進めております。
消費者レビューとLLMを組み合わせた分析製品「TDSE KAIZODE」、LLMの学習に使うドキュメントを自動成型するNLP技術を応用したAI製品「QAジェネレーター」、AI画像解析製品「TDSE Eye」等を提供しており、今後も生成AI機能との統合による競争力向上を進めてまいります。
今後もプロジェクトを通じて蓄積されたAI技術ノウハウを活用し、多くの顧客企業で共通しているビジネス課題に応じた製品およびサービスの充実を図ってまいります。② 海外等他社AI製品を活用したサービス当社は自社製品展開だけでなく、他社AI製品を活用したサービスも展開しています。
ソーシャルメディアマーケティング市場では、主力製品となる米QUID社製品(「Quid Monitor」「Quid Discover」等)を提供しており、生成AI機能「AI Search」「AI Summary」を搭載し顧客の事業効率化を支援しております。
カンバセーショナルAI市場では、コールセンター業務の自動化の実績が多い対話型AIプラットフォーム製品「Cognigy」(OpenAI・Claude・Gemini等LLM対応)を提供しています。
また生成AIプラットフォーム「Dify」、データ活用基盤「Databricks」をはじめとする生成AIエージェント関連製品の取り扱いを拡充しており、当社プロダクトサービスにおける生成AIエージェント関連の製品群として展開しております。
当社は、米国シリコンバレーや欧州・アジアを始めとして、国内外にあるベンチャー企業のリサーチを進めており、当該企業が持つテクノロジー及びプロダクトが、当社の新たなソリューションサービスとして適用できるかどうかの妥当性を調査し、導入が相応しいと判断した場合は、ビジネス化を図ることとしております。
図:当社プロダクトサービスの展開イメージ (2) 事業の特徴① 3つのコアコンピタンス当社は、創業より企業の経営課題解決を支えるAI/データ活用の専門集団として、コンサルティングからプロダクト提供までを行い、500社超の企業を支援しています。
今後も更なる発展に向けて、当社の事業推進の優位性である以下のコアコンピタンスを更に強化してまいります。図:コアコンピタンス ② 国内最高峰のデータサイエンティスト集団当社の社員は、8割以上がデータサイエンティストとエンジニアで構成されています。
データサイエンティスト職の9割が理系修士以上、その内5割が後期課程進学者・博士学位取得者で構成され、先進国の研究所で解析技術・知識を得た多彩な人財が多数おり、国内最高峰のデータサイエンティスト集団と自負しております。
これら有能な人財を確保することに加え、切磋琢磨しながら技術向上が進む態勢や文化、そして教育方法も改善を続けており、他社にない優位性を持ち備えています。
③ 人財教育に向けた取組 組織 技術要員の採用および育成を強化するため、人財強化組織を設置しており、採用と教育のクオリティを高め、業務のスピードアップを図っています。
風土 人財強化に繋がる教育ノウハウが豊富に蓄積されており、技術習得に関する教育カリキュラムを充実させ、また社外メンバーとも渡り合えるよう自律的人財へ促す風土作りも進めております。取組 スキル獲得と業績成果に応じた解像度の高い人事評価/報酬制度を運用しています。
一方で社員モチベーション維持・向上に役立てるため、社員満足度を定期的に確認、各階層とのコミュニケーションを行い、各種施策を見直し、会社と社員間においてフラットな風土作りを目指します。
④ ビジネス課題ファーストな技術力と実績創業以来、様々な業界・業種におけるコンサルティングにより経験してきたプロジェクト実績、AI技術、ノウハウを蓄積しております。
これらを当社の知的財産として活用することで、コンサルティングの高度化・効率化を図るとともに、経験の浅い技術社員への早期育成にも活用しております。
プロジェクト運営上必要となる先端技術の調査・取込みは率先して進め、生成AIエージェントを含む最新のAI技術を顧客の課題解決に役立つ実用的なノウハウとして積み上げております。
⑤ コンサルティングからプロダクト開発まで一気通貫の実現体制当社は、企業への実用化実績の知見を通じて、共通課題を抽出し、自社製品開発に取り込む体制を構築しております。
コンサルティングサービスで得た生成AIエージェント活用の知見がプロダクトサービスの製品開発に反映され、プロダクトサービスで提供する生成AIエージェント製品がコンサルティングサービスの高度化を支えるという好循環を実現しております。
常に新たな技術が誕生するAI市場に属する当社は何よりも変化に柔軟であることが必要であり、両サービスが連携しながら顧客企業の事業運営を支援してまいります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
39.45/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 14億 | 14億 ↑1.9% | 13億 ↓3.9% | 17億 ↑30.2% | 24億 ↑40.2% | 25億 ↑4.4% | 27億 ↑7.0% | 30億 ↑11.4% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 2億 | 1億 ↓35.3% | 5,064万 ↓59.9% | 2億 ↑330.4% | 3億 ↑21.9% | 3億 ↑2.2% | 2億 ↓26.8% | 2億 ↑7.8% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 2億 | 1億 ↓39.8% | 6,861万 ↓46.3% | 2億 ↑220.0% | 3億 ↑21.8% | 3億 ↑2.7% | 2億 ↓26.7% | 2億 ↑15.4% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 1億 | 9,037万 ↓38.2% | 2億 ↑111.2% | 1億 ↓22.3% | 2億 ↑13.8% | 2億 ↑18.6% | 1億 ↓31.8% | 2億 ↑27.8% |
| 収益性 | ||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 76.4円 | 44.1円 ↓42.3% | 93.1円 ↑111.2% | 72.2円 ↓22.5% | 81.8円 ↑13.3% | 96.6円 ↑18.1% | 65.6円 ↓32.1% | 83.5円 ↑27.3% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 14.60% | 6.80% ↓53.4% | 13.20% ↑94.1% | 9.00% ↓31.8% | 9.40% ↑4.4% | 10.20% ↑8.5% | 6.40% ↓37.3% | 7.60% ↑18.7% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 9.50% | 4.62% ↓51.4% | 10.58% ↑129.0% | 7.23% ↓31.7% | 7.21% ↓0.3% | 8.21% ↑13.9% | 5.00% ↓39.1% | 5.86% ↑17.2% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 14.44% | 9.16% ↓36.6% | 3.83% ↓58.2% | 12.65% ↑230.3% | 11.00% ↓13.0% | 10.77% ↓2.1% | 7.36% ↓31.7% | 7.13% ↓3.1% |
| キャッシュフロー | ||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 2億 | 7,542万 ↓55.2% | 4,734万 ↓37.2% | 2億 ↑373.5% | 2億 ↓12.8% | 1億 ↓45.1% | 2億 ↑84.1% | 2億 ↓1.9% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -7,318万 | -8億 ↓1018.0% | 10億 ↑223.3% | -1,313万 ↓101.3% | -1,280万 ↑2.5% | -6,865万 ↓436.5% | -1,170万 ↑83.0% | 756万 ↑164.6% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 5億 | 5億 ↓11.8% | -5億 ↓208.5% | -4,076万 ↑92.2% | -2,053万 ↑49.6% | -2,167万 ↓5.5% | -2,206万 ↓1.8% | -2,212万 ↓0.2% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 9,534万 | -7億 ↓879.0% | 11億 ↑242.2% | 2億 ↓80.0% | 2億 ↓13.5% | 3,853万 ↓78.9% | 2億 ↑381.9% | 2億 ↑8.3% |
| 財務 | ||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 15億 | 20億 ↑27.0% | 18億 ↓7.8% | 21億 ↑13.7% | 23億 ↑14.0% | 24億 ↑4.3% | 27億 ↑11.9% | 30億 ↑9.0% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 14億 | 14億 ↑5.2% | 16億 ↑12.0% | 17億 ↑7.4% | 19億 ↑9.4% | 21億 ↑11.0% | 22億 ↑6.5% | 24億 ↑7.6% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 87.70% | 66.50% ↓24.2% | 88.20% ↑32.6% | 83.30% ↓5.6% | 79.90% ↓4.1% | 85.00% ↑6.4% | 80.80% ↓4.9% | 79.70% ↓1.4% |
| 配当 | ||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 10.0円 | 10.0円 ↑0.0% | 20.0円 ↑100.0% | 10.0円 ↓50.0% | 10.0円 ↑0.0% | 10.0円 ↑0.0% | 10.0円 ↑0.0% | 10.0円 ↑0.0% |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 13.09% | 22.69% ↑73.3% | 21.48% ↓5.3% | 13.85% ↓35.5% | 12.23% ↓11.7% | 10.35% ↓15.4% | 15.25% ↑47.3% | 11.98% ↓21.4% |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。