当社及び連結子会社3社(株式会社KINO BIM、株式会社木構造デザイン、株式会社翠豊)並びに持分法適用関連会社4社(N&S開発株式会社、株式会社MUJI HOUSE、SE住宅ローンサービス株式会社、株式会社イデーユニバーサル)により構成される当社グループは、「日本に安心・安全な木構造を普及させる。
」「日本に資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくる。
」ことを目標とし、主たる事業である木造耐震設計事業において、木造建築の耐震性を確保するための高度な構造計算を事業化するとともに、構造計算された耐震性の高い木造建築を実現するための当社独自の建築システムである「SE構法」(注1)を、工務店を中心としたSE構法登録施工店(以下、「登録施工店」という)ネットワークを通じて提供しております。
当社グループは創業以来約30年間、木造耐震設計事業を中心とした事業を展開しておりますが、構造計算や部材の安定供給だけでなく、省エネルギー計算サービスをはじめとする環境設計事業、BIMを活用したデジタル化支援まで、工務店や設計事務所の抱える課題をワンストップで解決できる木造建築プラットフォームとしてサービスを提供し、木造建築の耐震性の向上による安全性の確保と資産価値向上に寄与してまいりました。
当社グループが営む事業の内容は、以下のとおりであります。なお、当社グループは「木造耐震設計事業」が事業のほとんどを占めており、省エネルギー計算サービスやBIM事業等については「その他」として記載しております。
(1)木造耐震設計事業 施主よりSE構法による木造建築を受注した登録施工店に対して、設計段階で構造計算書を出荷するとともに、建設段階で構造加工品等を販売しております。また登録施工店からは登録料及び月会費を受領しております。
当社の構造計算の特徴 SE構法では、鉄骨造やRC造と同じ手法である許容応力度計算(注2)による構造計算を実施しております。構造計算においては、構造図面作成用CADと連動した立体解析による構造計算プログラムを使用することで、構造図と構造計算の整合性を確保する形で安全性を検証しております。
当社の構造加工品供給の特徴 SE構法では、構造部材として強度にばらつきのある無垢材ではなく、品質が高く一定の強度が保たれた構造用集成材を採用し、指定構造加工工場において加工した集成材(以下、「構造加工品」という)を登録施工店に供給しております。
また、接合部には独自開発した金物(以下、「SE金物」という)を採用するとともに、耐力壁や床には高耐力の構造用パーティクルボード及び構造用合板を採用しております。これにより高い耐震性と大空間を実現させることが可能となっております。
当社では、構造計算の際に作図される構造データを指定構造加工工場がそのまま加工データとして利用できるシステムを構築しており、正確に加工された構造加工品を供給するとともに、あわせてSE金物や構造用パーティクルボード、構造用合板も供給することで、木造建築の耐震性と安全性を実現しております。
木造耐震設計事業では、物件の規模や用途に応じて住宅分野と大規模木造建築(非住宅)分野に区分するとともに、住宅分野については、工務店ネットワークを通じて展開するネットワーク展開と、持分法適用関連会社である株式会社MUJI HOUSE等を通じて展開するハウスメーカー対応に分類して事業展開をしております。
① 住宅分野 ・ネットワーク展開 ネットワーク展開では、工務店を中心とする建設会社を登録施工店としてネットワーク化し、そのネットワークを通じてSE構法による耐震性の確保された木造住宅の普及促進に努めております。
また、全国各地の建設会社をネットワーク化することにより、地域性を熟知した登録施工店を通じて、地域それぞれの文化慣習と気候風土にあわせた機能的かつ資産性の高い住宅を提供しております。
登録施工店は、当社が実施する講習を受講した上で、当社独自の試験に合格し資格を取得したSE構法施工管理技士を配置した建設会社であり、SE構法施工管理技士が施工監理や現場検査を実施することで、高品質で耐震性の確保された木造住宅が提供できる体制を構築しております。
当社は、登録施工店向けのサービスとして、設計サービスや資材販売に加え、各種販促ツールの提供や勉強会での最新の技術や法改正に関する情報の提供、構造に関する瑕疵を保証する「SE住宅性能保証」の無償提供や長期優良住宅認定の代行サービス等を提供しております。
その他、情報誌「ネットワークSE」を定期発行しております。なお、「ネットワークSE」は4,000部を定期発行しており、登録施工店だけでなく、設計事務所や学識経験者に定期購読いただいております。
2026年3月末現在の登録施工店数は637社となっておりますが、登録施工店ネットワークの継続的な拡大に向けて、定期的に開催する勉強会やセミナーを通じて新規顧客の開拓に努めております。
・ハウスメーカー対応 ハウスメーカー対応では、規格型住宅を販売するハウスメーカー等のパートナー企業に対してSE構法をOEM提供しており、パートナー企業が規格型住宅を販売する際に、当社は構造計算書を出荷するとともに構造加工品等を販売しております。
当社の持分法適用関連会社である株式会社MUJI HOUSEが企画・開発・販売を行う「無印良品の家」にはSE構法が標準採用されているほか、大手ハウスメーカー数社を含むパートナー企業にSE構法を提供しております。当社では引き続きパートナー企業の開拓に努めております。
② 大規模木造建築(非住宅)分野 大規模木造建築(非住宅)分野では、延床面積500㎡以上の木造建築及び用途が住宅以外(非住宅)の木造建築を対象にSE構法の提供を行っております。
2010年10月に「公共建築物等木材利用促進法」が施行されたことにより、国や地方自治体の関与する公共建築物への木材利用が推進され、2021年10月には「公共建築物等木材利用促進法」を改正した「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が施行されたことにより、2050年のカーボンニュートラル実現と脱炭素社会の実現を目指し、木材利用を促進する対象が公共建築物だけでなく民間建築物にも拡大され、構造計算が必要となる大規模木造建築の建設需要が高まっております。
当社では創業以来、住宅を中心に3万棟以上の構造計算実績(2026年3月末時点)を有しており、その中で培った木造建築の耐震設計ノウハウを大規模木造建築へ転用し、非住宅分野での事業拡大を推進しております。
また、非住宅木造市場の拡大を受けて、SE構法以外の非住宅木造建築物の構造設計と生産設計を行うことを目的としてネットイーグル株式会社(福岡県福岡市 代表取締役社長 祖父江久好)との合弁会社である株式会社木構造デザインを2020年2月に設立し、大規模木造建築の構造計算ニーズの高まりに対応しております。
2022年10月には、大断面集成材加工や特殊加工、大規模木造建築の施工力に強みを持つ株式会社翠豊を子会社化し、大断面集成材の特殊加工や施工を事業化いたしました。
また、2025年5月には、非住宅木造建築の「設計・サプライチェーン・施工・品質」を提供することに特化した「大規模木造建築ネットワーク」を設立し、顕在化する木造化のニーズに対応することで、大規模木造建築の構造設計から施工までワンストップでサービス提供できる体制を構築しております。
(2)その他 当社グループでは、木造耐震設計事業を主軸としながら「日本に資産価値のある住宅を提供する仕組みをつくる。」という目標を実現するため、省エネルギー計算サービスや長期優良住宅認定の代行サービス等、住宅の資産価値向上に向けた様々なサービスを手がけております。
① 省エネルギー計算サービス等 当社において、省エネルギー計算サービス、補助金の受給に関するコンサルティングサービス及び長期優良住宅認定代行サービス等を提供しております。
省エネルギー計算サービスは、住宅の省エネルギーを表示する基準となるBEI値(住宅の一次エネルギー(注3)消費量)を計算するサービスを提供しております。
2021年4月から住宅の省エネルギー性能の説明が義務化され、2025年4月からは、法改正により、すべての建築物・住宅において省エネルギー基準への適合が義務化されました。
当社ではSE構法による住宅だけでなく、施設建築物やリノベ―ション物件などにもサービス領域を拡大し、木造建築の省エネルギー計算サービスの拡充を図っております。
また、補助金の受給に関するコンサルティングサービスにおいては、従来の木造住宅向けのサービスに加えて、木造非住宅物件向けの「ZEB(Net Zero Energy Building)(注4)」認証の取得申請サポートサービスを開始しております。
長期優良住宅認定の代行サービスは、国が認定する「長期優良住宅」の認定取得に係る各種手続きをサポートする登録施工店向けのサービスとして展開しております。
② BIM事業 当社の連結子会社である株式会社KINO BIMにおいて、木造住宅に対して3次元CADデータ(BIM(注5)データ)生成技術を普及促進する事業を行っております。
木造住宅の間取りやデザインに3次元CADデータ(BIMデータ)を用いることにより、構造加工品などの3次元製造図の自動作成、付属する部材のリスト作成、施工図の自動生成など、設計から施工までのデータの一元化を実現し、資産価値の高い住宅を提供するため、BIMソリューションの開発及び販売を行っております。
2021年10月より株式会社KINO BIMがこれまでに培ったBIMに関するノウハウとモデリング技術を活用した高画質空間シミュレーションサービス「MAKE ViZ」を提供しております。
また、BIMデータは、建築後の保守用途としても利用が可能であり、住宅の資産価値向上に寄与することから、当社はBIMソリューションの開発及び販売を積極的に推進してまいります。
(注1) SE構法 SE(Safety Engineering)構法は、従来、鉄骨造やRC造において主流だったラーメン構法を木造住宅に取り入れ、安全かつ便利に利用できるようにシステム化した当社独自の木造建築用の建築システムであります。
(注2) 許容応力度計算 許容応力度計算とは、小規模な建築物に用いられる構造計算方法であり、建築物にかかる固定荷重や積載荷重に地震力などの長期荷重、及び短期荷重を想定して応力(部材等の内部に生じる抵抗力のこと)を算出し、それぞれの部材が応力に耐えられるかどうかを許容応力度(限界点)と比較するものです。
(注3) 一次エネルギー 化石燃料、原子力燃料、水力・太陽光など自然から得られるエネルギーを「一次エネルギー」、これらを変換・加工して得られるエネルギー(電気、灯油、都市ガス等)を「二次エネルギー」といいます。
建築物では二次エネルギーが多く使用されており、それぞれ異なる計算単位(kWl、l、MJ等)で使用されています。それを一次エネルギー消費量へ換算することにより、建築物の総エネルギー消費量を同じ単位(MJ、GJ)で求めることができるようになります。
一次エネルギー計算とは、建築物に導入される設備機器の仕様から年間の設計一次エネルギー消費量を算出することです。
(注4) ZEB Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、建物で消費するエネルギーを削減し(省エネ)、使用するエネルギーは自ら生産する(創エネ)ことにより正味(Net)の年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。
(注5) BIM Building Information Modeling(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略称で、コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションです。
[当社グループの状況] 以上述べた事項について、事業展開している当社グループの状況を図によって示すと次のとおりであります。(注) 株式会社KINO BIM、株式会社木構造デザイン及び株式会社翠豊は連結子会社であります。
N&S開発株式会社、株式会社MUJI HOUSE、SE住宅ローンサービス株式会社及び株式会社イデーユニバーサルは、持分法適用関連会社であります。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
37.62/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 65億 | 66億 ↑1.4% | 64億 ↓2.7% | 86億 ↑33.3% | 92億 ↑7.8% | 80億 ↓13.4% | 81億 ↑1.6% | 84億 ↑3.6% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 3億 | 2億 ↓12.3% | 3億 ↑23.3% | 4億 ↑40.1% | 4億 ↑6.6% | 8,313万 ↓80.3% | 2億 ↑114.7% | 2億 ↓14.6% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 3億 | 3億 ↓18.4% | 3億 ↑25.1% | 4億 ↑29.7% | 5億 ↑8.6% | 4,775万 ↓89.5% | 3億 ↑513.6% | 2億 ↓36.0% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 2億 | 2億 ↓23.4% | 2億 ↑23.7% | 3億 ↑24.8% | 3億 ↑3.9% | 144万 ↓99.5% | 2億 ↑16524.1% | 2億 ↓30.2% |
| 収益性 | ||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 95.7円 | 56.6円 ↓40.8% | 70.1円 ↑23.8% | 94.8円 ↑35.3% | 94.9円 ↑0.1% | 0.1円 ↓99.9% | 65.2円 ↑46457.1% | 48.7円 ↓25.3% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 17.70% | 10.30% ↓41.8% | 12.00% ↑16.5% | 14.90% ↑24.2% | 14.40% ↓3.4% | 0.00% ↓100.0% | 9.70% | 6.90% ↓28.9% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 5.03% | 3.95% ↓21.5% | 4.51% ↑14.2% | 4.21% ↓6.7% | 4.36% ↑3.6% | 0.03% ↓99.3% | 4.15% ↑13733.3% | 2.77% ↓33.3% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 4.01% | 3.47% ↓13.5% | 4.40% ↑26.8% | 4.62% ↑5.0% | 4.57% ↓1.1% | 1.04% ↓77.2% | 2.20% ↑111.5% | 1.81% ↓17.7% |
| キャッシュフロー | ||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 6億 | 7,440万 ↓86.5% | 5億 ↑533.1% | 10億 ↑111.7% | 6,119万 ↓93.9% | -1億 ↓335.9% | 7億 ↑575.1% | 4億 ↓44.7% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -1億 | -8,468万 ↑38.6% | -9,002万 ↓6.3% | -3億 ↓216.6% | -2億 ↑33.8% | -3億 ↓47.2% | -2億 ↑43.9% | 8,247万 ↑152.9% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 4億 | -5,386万 ↓112.1% | -8,231万 ↓52.8% | -8,032万 ↑2.4% | -6億 ↓595.8% | -2億 ↑58.2% | -2億 ↑32.6% | -2億 ↓1.0% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 4億 | -1,028万 ↓102.5% | 4億 ↑3805.6% | 7億 ↑86.9% | -1億 ↓117.9% | -4億 ↓230.9% | 5億 ↑225.5% | 5億 ↓12.9% |
| 財務 | ||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 48億 | 47億 ↓2.4% | 51億 ↑8.3% | 68億 ↑33.7% | 68億 ↑0.4% | 57億 ↓16.4% | 58億 ↑1.0% | 61億 ↑4.8% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 17億 | 18億 ↑6.3% | 20億 ↑7.8% | 22億 ↑11.0% | 20億 ↓6.5% | 19億 ↓5.8% | 21億 ↑7.4% | 21億 ↑2.9% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 35.40% | 38.30% ↑8.2% | 38.10% ↓0.5% | 31.70% ↓16.8% | 29.80% ↓6.0% | 33.60% ↑12.8% | 35.60% ↑6.0% | 35.00% ↓1.7% |
| 配当 | ||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 25.0円 | 26.0円 ↑4.0% | 28.0円 ↑7.7% | 37.0円 ↑32.1% | 40.0円 ↑8.1% | 22.0円 ↓45.0% | 29.0円 ↑31.8% | 31.0円 ↑6.9% |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 26.12% | 45.92% ↑75.8% | 39.94% ↓13.0% | 39.02% ↓2.3% | 42.15% ↑8.0% | 999.99% ↑2272.5% | 44.49% ↓95.6% | 63.63% ↑43.0% |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。