(1) 事業の内容について ⅰ.当社グループの事業の概要について 当社グループは、スパークス・グループ株式会社を持株会社として、日本及び海外子会社で構成される、資産運用業(投資顧問業・投資信託委託業)を中核業務とする企業集団であります。
当社グループが提供する資産運用業は主として、スパークス・アセット・マネジメント株式会社による日本株式、再生可能エネルギー発電事業(発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資)、未公開株式などを投資対象とした調査・運用のほか、スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社による不動産及び再生可能エネルギー発電事業(発電事業等の運転開始後の安定稼動フェーズ)などを投資対象とした調査・運用、SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.による韓国株式を投資対象とした調査・運用及びケイマン諸島籍のSPARX Asia Capital Management Limitedの100%子会社であり、香港を主要拠点とするSPARX Asia Investment Advisors Limitedによるアジア株式を投資対象とした調査・運用から成っております。
ⅱ.資産運用業の仕組みについて 投資顧問業とは、株式、債券などの有価証券に対する投資判断(有価証券の種類、銘柄、数、価格、売買時期などの判断)について、報酬を得て専門的立場から、投資家に助言を行う業務です。投資顧問業はさらに、「投資助言業務」と「投資一任業務」に大別されます。
このうち投資助言業務は投資家との間で「投資顧問契約」を結び、その契約内容にしたがって投資助言のみを行う業務です。この場合、実際の投資判断と有価証券の売買・発注は投資家自身で行うこととなります。
一方、投資一任業務は、投資家と「投資一任契約」を締結し、顧客から投資判断の全部又は一部と売買・発注などの投資に必要な権限を委任される業務です。投資一任契約の場合、どの有価証券への投資を通じて投資家の資産を運用するかという投資判断と実際の売買発注までを投資顧問会社が行います。
投資助言業務の仕組み 投資一任業務の仕組み 他方、投資信託委託業とは、業として委託者指図型の投資信託の委託者となることであります。
運用の専門家である投資信託委託業者(委託者)として、投資信託への投資として投資家(受益者)から集めた資金を一つにまとめ有価証券に分散投資し、その成果(運用損益)を投資家に配分することを業務としております。投資信託(契約型)の仕組み (注)投資信託には契約型と会社型があります。
このうち、わが国の主流は契約型でありますので、上記では契約型の仕組みを記載しております。
ⅲ.当社グループの提供する投資戦略の変遷について 当社は、1989年7月1日の業務開始以来、独立系の投資顧問会社として日本株を中心に企業への個別訪問によるボトムアップ・アプローチを軸に、店頭登録企業を主体とする中小型株への投資に専門性を持った投資顧問会社として創業し、独創的な資産運用を行ってまいりました。
日本経済に大規模な構造変革が起きることを想定し、その変革の担い手は大企業ではなく、店頭登録企業に代表される新興の成長企業、中でも経営者が自社のマネジメントに哲学をもつオーナー企業であるとの確信に基づき、そのような企業を対象とする運用に特化いたしました。
その結果、創業時より必然的に採用された運用調査手法が、会社訪問による企業調査を中心にした「ボトムアップ・アプローチ」です。当社の調査対象である企業の分析は公開情報を机上で検証するのみでは十分とは言えません。
投資対象企業に直接赴き、企業経営者の「生の声」を聞くことを通じて確認できる経営哲学、企業の現場でのみ体感できる成長企業の胎動を確認することで単なる文字や数字の羅列に過ぎない公開情報の奥に潜む真の企業像を浮き彫りにすることができると考えているからです。
この「ボトムアップ・アプローチ」に基づく個別企業訪問では主に「企業収益の質」「市場成長性」「経営戦略」を丹念に調査し、事業リスクなどを勘案したうえで将来の収益及びキャッシュ・フローの予測を行い、企業の実態面から見た株式価値を計測します。
この企業実態から見た株式価値と日々の株価との間に存在する乖離(バリュー・ギャップ)を投資機会として捉えます。これに独自の調査や投資仮説に基づき把握したバリュー・ギャップ解消のカタリスト(きっかけ・要因)を加味して投資判断を下しています。
1990年代の日本の株式市場では、市場における「勝ち組企業」と「負け組企業」の評価が明確化するとともに、大企業においても事業の再構築の進展度合いにより、市場の評価の二極化が進展しました。この結果、業種間の評価格差や同一業種内での株価の二極化が急速に進展し始めました。
この様な市場の変化に的確に対応するために、1997年6月よりロング・ショート運用を開始いたしました。また同年、世界各国のヘッジ・ファンドを投資対象としたファンド・オブ・ファンズ運用も開始いたしました。
1999年からは、TOPIXをベンチマークとする年金基金の運用を開始し、国内大手証券会社のラップ口座の運用を受託いたしました。また、投資対象銘柄数を絞り込んだ集中投資型のファンドも同年運用を開始しております。
加えて、2000年3月の投資信託委託業の認可取得後は国内公募投資信託、国内私募投資信託の運用を開始し、さらに2000年4月より国内の未公開企業を投資対象とした運用も開始いたしました。
2003年1月からは、企業統治(コーポレート・ガバナンス)を基軸とした日本企業の価値の拡大を促す投資ファンドの運用を開始いたしました。
この投資では、投資対象企業を絞り込むことで一社当たりの持ち株比率を大きくし、投資先の企業の経営者と建設的な意見交換や議論を行い、十分な理解を得た上で、株主、従業員、その他利害関係者の利益のために、企業価値向上のための諸施策を求めてまいりました。
この投資を行うに当たっても、投資先企業の選定方法は、当社が永年に渡り培ってきた「ボトムアップ・アプローチ」であることには変わりありません。
これは、企業価値の本質を深く調査する従来のリサーチを進める過程でコーポレート・ガバナンスの観点から効率的な経営に転換できる企業を発掘することが可能であると判断しているためであります。
その後は、世界中の投資家の皆様にアジアの投資インテリジェンスを提供する最強のブランドを構築すべく、「Center for Asia Investment Intelligence」の旗印を掲げ、アジア経済の発展を享受すべくアジア地域での業務拡大を積極的に行ってまいりました。
具体的には、2005年2月に韓国の資産運用会社 旧Cosmo Investment Management Co.,Ltd.(現、SPARX Korea社)の株式の過半数を取得し、韓国株式の調査・運用拠点をグループ内に持つことといたしました。
さらに2006年6月に、日本を除くアジア地域で最大規模のオルタナティブ運用資産を保有する旧PMA Capital Management Limited(現 SPARX Asia社)の全株式を取得し、SPARXグループが培ってきた運用手法・ノウハウをグループ全体で共有しつつ、経営資源を配分しております。
また、近年では、アジア地域の投資機会のさらなる拡大を見据え、インド株式市場への取り組みも開始しております。当社グループが日本株式運用で培ってきた投資哲学及びボトムアップ調査手法を活かし、インド株式市場における中長期的な資本成長の獲得を目指しております。
2012年からは、世界的な低金利と資金余剰を背景に、安定的なインカム・ゲインが期待できる投資に、国内外からの強い関心が寄せられていたことから、2012年9月にSPARX Asia Capital Management Limitedにおいて、海外の機関投資家を対象に日本の居住用不動産を投資対象としたファンドを設定いたしました。
更に2014年4月に全株式を取得したSATM社における不動産投資のノウハウを活かし、住宅、オフィスビル、倉庫、商業施設のみならず、ヘルスケア関連施設等への投資も開始いたしました。
また、2012年6月に東京都の官民連携インフラファンドの運用事業者に指名され、太陽光を中心とする再生可能エネルギー発電事業を投資対象とする投資事業組合を組成し、その具体的な運用を開始いたしました。現在では複数のファンドからの投資実績が着実に積み上がっております。
また、これまで提供してきた発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資(グリーン・フィールド投資)に加えて、運転開始後のフェーズにおける投資(ブラウン・フィールド投資)にフォーカスした、長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドを設立し、運用を開始しております。
さらに再生可能エネルギーを中心とする実物資産投資においては、発電事業への投資に加え、電力需給の調整機能や安定供給に資する蓄電所事業、及び地域のGX推進に資する投資領域へと取り組みを拡大しております。
2015年11月には、次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため、トヨタ自動車株式会社及び株式会社三井住友銀行と未来創生ファンドを設立し、国内外のベンチャー企業への投資を開始いたしました。
その後、未来創生2号、3号ファンドへと取り組みを拡大しております。また、2020年には宇宙関連企業に投資を行う宇宙フロンティアファンドを設立し、2024年には宇宙フロンティア2号の運用を開始いたしました。
さらに日本における高い技術・技能を維持しモノづくりの力を今後も発展させていくために、優れた技術・人材・サービスを有する国内のモノづくり企業に投資する日本モノづくり未来ファンドを設立いたしました。
今後も、日本株式、OneAsia、実物資産、プライベート・エクイティの各投資戦略を柱として、投資家の皆様のニーズに応える多様な運用商品を提供するとともに、収益源の多様化と安定化を通じて、バランスの取れた事業構造を確立してまいります。
(事業系統図) 当社グループの主要な取引の概略を以下に図示いたします。(注)スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社は2025年4月1日付でスパークス・インベストメント株式会社に社名変更しております。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
59.4/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | ||||||||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 89億 | 132億 ↑48.5% | 112億 ↓15.0% | 125億 ↑11.0% | 143億 ↑14.6% | 140億 ↓1.8% | 134億 ↓4.9% | 165億 ↑23.5% | 180億 ↑8.9% | 196億 ↑9.0% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 32億 | 66億 ↑107.3% | 39億 ↓40.6% | 45億 ↑14.8% | 63億 ↑41.8% | 65億 ↑1.8% | 57億 ↓11.8% | 75億 ↑31.1% | 77億 ↑3.2% | 90億 ↑16.9% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 32億 | 67億 ↑109.8% | 41億 ↓39.2% | 44億 ↑9.2% | 62億 ↑39.9% | 62億 ↑0.8% | 63億 ↑0.8% | 81億 ↑28.6% | 78億 ↓3.9% | 89億 ↑14.5% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 24億 | 47億 ↑99.4% | 32億 ↓31.9% | 23億 ↓27.9% | 35億 ↑50.7% | 41億 ↑17.4% | 45億 ↑11.1% | 65億 ↑43.7% | 52億 ↓19.9% | 64億 ↑22.6% |
| 収益性 | ||||||||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 11.6円 | 23.2円 ↑101.1% | 16.1円 ↓30.6% | 11.5円 ↓28.8% | 17.4円 ↑51.1% | 20.4円 ↑17.4% | 113.4円 ↑456.6% | 163.8円 ↑44.5% | 132.2円 ↓19.3% | 161.4円 ↑22.1% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 15.70% | 26.60% ↑69.4% | 16.20% ↓39.1% | 11.40% ↓29.6% | 16.10% ↑41.2% | 17.10% ↑6.2% | 18.00% ↑5.3% | 22.70% ↑26.1% | 16.20% ↓28.6% | 17.60% ↑8.6% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 9.99% | 14.90% ↑49.1% | 10.19% ↓31.6% | 6.83% ↓33.0% | 9.13% ↑33.7% | 10.96% ↑20.0% | 11.48% ↑4.7% | 14.09% ↑22.7% | 10.42% ↓26.0% | 11.08% ↑6.3% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 35.58% | 49.66% ↑39.6% | 34.71% ↓30.1% | 35.90% ↑3.4% | 44.41% ↑23.7% | 46.03% ↑3.6% | 42.69% ↓7.3% | 45.31% ↑6.1% | 42.97% ↓5.2% | 46.10% ↑7.3% |
| キャッシュフロー | ||||||||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 20億 | 71億 ↑262.3% | 7億 ↓90.5% | 45億 ↑568.9% | 61億 ↑34.9% | 27億 ↓56.5% | 31億 ↑16.7% | 60億 ↑93.0% | 51億 ↓15.5% | 59億 ↑16.6% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -17億 | -21億 ↓23.6% | -7億 ↑65.4% | -26億 ↓264.0% | -29億 ↓12.4% | -12億 ↑59.3% | 20億 ↑269.6% | -31億 ↓256.2% | -21億 ↑32.1% | -39億 ↓82.7% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 9億 | -8億 ↓183.5% | -15億 ↓97.8% | -3億 ↑80.3% | -18億 ↓520.9% | -25億 ↓34.5% | -24億 ↑2.9% | -33億 ↓36.7% | -34億 ↓3.0% | -40億 ↓18.5% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 3億 | 51億 ↑1522.3% | -3,100万 ↓100.6% | 20億 ↑6403.2% | 32億 ↑64.7% | 15億 ↓54.0% | 51億 ↑244.8% | 29億 ↓43.8% | 29億 ↑2.5% | 20億 ↓31.2% |
| 財務 | ||||||||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 235億 | 315億 ↑33.7% | 313億 ↓0.5% | 337億 ↑7.6% | 380億 ↑12.7% | 371億 ↓2.2% | 394億 ↑6.0% | 461億 ↑17.1% | 499億 ↑8.3% | 576億 ↑15.3% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 145億 | 180億 ↑24.5% | 191億 ↑6.0% | 190億 ↓0.4% | 207億 ↑8.8% | 222億 ↑7.4% | 241億 ↑8.3% | 278億 ↑15.5% | 303億 ↑9.1% | 337億 ↑11.2% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 66.70% | 62.00% ↓7.0% | 65.50% ↑5.6% | 58.60% ↓10.5% | 61.30% ↑4.6% | 65.50% ↑6.9% | 66.10% ↑0.9% | 68.20% ↑3.2% | 67.10% ↓1.6% | 68.10% ↑1.5% |
| 配当 | ||||||||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | 4.0円 | 7.0円 ↑75.0% | 10.0円 ↑42.9% | 9.0円 ↓10.0% | 11.0円 ↑22.2% | 12.0円 ↑9.1% | 60.0円 ↑400.0% | 66.0円 ↑10.0% | 68.0円 ↑3.0% | 90.0円 ↑32.4% |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | 34.63% | 30.13% ↓13.0% | 62.03% ↑105.9% | 78.40% ↑26.4% | 63.40% ↓19.1% | 58.91% ↓7.1% | 52.92% ↓10.2% | 40.30% ↓23.8% | 51.45% ↑27.7% | 55.76% ↑8.4% |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
※ 株式分割を考慮し、現在の株数基準に換算した調整後配当を表示しています
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。