(1)ミッション 当社グループは「プロジェクト型社会の創出」をミッションに掲げております。
日本経済はバブル期以降長らく停滞が続いてきましたが、これは工業資本主義から情報資本主義に世界が転換し、求められる人材の質が、言われたことを速く・正確にこなす“タスク型の人材”から、自らの力でプロジェクトを推進できる“プロジェクト型の人材”に変わってきている中、残念ながら我が国の主要産業ではその変革が十分に進んでこなかったことに起因していると捉えています。
私たちは、日本企業が旧来型の縦割り・上意下達の「タスク型」の組織構造を脱却し、自らの力でプロジェクトを推進できる人材がミッションに基づいて有機的に結び付き、目的に向かってチームとして結集する「プロジェクト型」の体制に変革していくことが、日本社会が活力を取り戻す唯一の道と考えております。
そのため、プロジェクト型の人材の輩出、そして事業を通じて日本企業を変革していくことを目指しています。
(2)事業概要 当社グループは、当社、連結子会社(株式会社プロジェクトカンパニー、株式会社アルトワイズ、株式会社Dr.健康経営)の計4社で構成されており、「デジタルトランスフォーメーション事業」「DX×テクノロジー事業」「DX×HR事業」の3セグメントでデジタルトランスフォーメーション(DX)に関わる業務支援サービスを提供しています。
当社グループが属するデジタルトランスフォーメーション市場は、DX関連の国内市場規模が2030年に8兆円を超えるといった試算があるなど拡大基調の市場であり、国内企業においてDXへの取組みが浸透している状況です。
一方で、「DX動向2025」(独立行政法人情報処理推進機構)によると、DXを推進する人材の「量」について、2021年から2024年にわたって「やや不足している」「大幅に不足している」と回答した企業が約8割を占めているなどDXを推進する人材は多くの企業で不足しており、DXへの取組みによる、将来像やアクションの具体化が行えていない状況であると推察しています。
また、こうしたDXの急速な進展等に伴ってビジネス展開のスピードが求められるようになる中、大企業を中心に、経営戦略・事業戦略の実行を担う部課長など中間管理職層のキャパシティ不足が、戦略実行推進のボトルネックとなっていると考えております。
当社グループは、当事者意識・現場感を大切にして伴走し部課長が抱える課題をトータルサポートするパートナーになるべく、事業会社の部門を問わずビジネスを横断的に支援するポジションを取っております。
また、適切なソリューションを組み合わせて導入・運用まで伴走していくスタイルを志向し、プロジェクト単位のコンサルティングに留まらず、顧客企業の事業グロースを支援しています。各セグメントの位置付け及び事業内容は以下のとおりです。
(デジタルトランスフォーメーション事業) 本セグメントではコンサルティングサービス、マーケティングサービス、UIscopeサービスの3サービスを提供しています。
コンサルティングサービスにおいては、主に部課長といったミドル層に対してDXを通じた新規事業開発や既存事業変革、業務改善の支援を行っております。従来の経営コンサルティングは、主に経営層を対象に経営戦略・事業戦略の策定を支援するものでした。
一方、デジタル化の急速な進展等に伴って、ビジネス展開のスピードが求められるようになる中、大企業を中心にミドル層のキャパシティ不足がボトルネック化していると考えております。
こうした大企業ミドル層のボトルネックを解消し、顧客の事業グロースを実現するため、ミドル層に対して実際の事業展開の実行を支援しております。
新規事業開発については、新たな収益源を創出したいという顧客へ事業立ち上げのために検討すべき事項を洗い出し、DXの観点から事業スキームを検討、整理するなどの支援を行っております。顧客の既存事業についても、デジタルを活用した事業変革により、PL計画の達成等を支援しております。
また、業務改善という観点からはRPA※1・BI※2ツールの導入や、全社でのDX文化浸透のための組織変革など生産性向上のための支援を行っております。また、これらの支援に加え、2025年1月にAIコンサルティング本部を新設するなど、AIの利活用推進の支援も行っております。
現在、AI技術は既存業務の効率化やイノベーションを生み出す期待から、顧客企業において、経営ビジョンや中期経営計画へのAI利活用推進の方針の組込や、AIタスクフォースやAI CoE※3の組成等、取り組みニーズが高まっているものの、AI活用推進のためのリソースや知見が足りておらず、進捗が芳しくないといった課題が見受けられます。
そこで、当社の専門知見を持ったAIコンサルタントが顧客企業内でのAI利活用推進の旗振り役となり、AI利活用プロジェクトの推進を支援しております。
直近は、各種政策の効果や雇用・所得環境の改善等を背景に緩やかな持ち直しがみられた一方、物価上昇や外部環境の不確実性が継続し、企業においては生産性向上・収益力強化に向けた取り組みが引き続き重要となりました。
この状況を踏まえ、各社がDXを通じた新規サービス展開等に着手していることに加え、既存クライアントにおける事業変革(業務変革・組織変革・オペレーション改革・データ利活用等)テーマの拡大に伴い、当社グループによる支援需要が堅調に推移し、コンサルティングサービスの売上を牽引しております。
マーケティングサービスにおいては、戦略検討から実行までを支援しており、カスタマージャーニーの整理や広告出稿媒体ごとの戦略、KPI設計、訴求内容の仮説検証等を担っております。
ただし、前連結会計年度末をもって株式会社DCXforceの全株式を譲渡し当社の連結の範囲から除外された影響により、「マーケティングサービス」の売上高は前年同期比で大幅な減少となっております。
UIscopeサービスにおいては、UI/UX※5の改善のためのユーザビリティテストサービスである「UIscope」を活用し、サービス体験の改善・設計を支援しております。
「UIscope」は、スマートフォンアプリ・サイトに特化し、テストユーザーであるUIscopeモニターの操作を録画し、その行動を解析することでUI/UXを改善していくサービスです。
これまでの案件実績をもとに蓄積したUI/UX改善ノウハウをもとに、定性的なユーザビリティ評価が可能なサービスとして独自性を有しております。
スポットでサービスのUI/UXを調査・レポーティングした顧客について、その後中長期的にサービス体験の改善支援を行う提案を積極的に行うことで、UIscopeサービスから他サービスの継続的な支援へのアップセル※6にも成功しております。本セグメントの主な関係会社は、株式会社プロジェクトカンパニーです。
(DX×テクノロジー事業) 本セグメントでは、IT企業などを顧客として、プログラミングスキルを有するエンジニア人材が顧客企業に常駐し、システム開発・運用保守業務やソフトウエアテスト業務を支援するテクノロジーサービスを提供しています。
事業会社の事業グロースの過程では、システム開発工程において要件定義書や設計書に沿ったコーディング、システムテスト工程ではテスト項目作成・実施や抽出された不具合修正、またサービスリリース後には運用保守・機能追加開発の対応といったシステムエンジニアの業務が多く発生しております。
そのため、デジタルトランスフォーメーション事業で支援する新規事業開発案件の下流工程を担う形でのシナジーも一部において顕在化しており、商流の上位化による当セグメントの売上総利益率が向上しております。主な関係会社は、株式会社アルトワイズです。
(DX×HR事業) 本セグメントでは、企業の人事労務部門を顧客としてヘルスケアサービスを提供しています。
ヘルスケアサービスでは、産業医紹介サービス「産業医コンシェルジュ」を主軸として、顧客に対して従業員の健康やメンタルヘルスケアを支援しており、ストレスチェック制度の義務化や働き方改革関連法の施行、COVID-19の感染拡大を契機としたテレワークの普及等を背景に事業を拡大しています。
また、専門資格を有する保健師を顧客企業に派遣し、健康経営に関する課題解決を支援する「保健師コンサルティングサービス」も伸長しております。
ただし、前連結会計年度の2024年5月をもって「HRソリューションサービス」を手掛けていた株式会社プロジェクトHRソリューションズの全株式を譲渡し、当社の連結の範囲から除外されたことが、「DX×HR事業」の売上高の前年同期比での減少要因となっております。主な関係会社は、株式会社Dr.健康経営です。
これら3セグメントについて、2025年12月期における売上構成は、デジタルトランスフォーメーション事業が72.7%、DX×テクノロジー事業が23.4%、DX×HR事業が3.9%となっております。
(3)事業系統図 ※1.RPAとは、Robot Process Automationの略であり、定型的な事務作業をソフトウェアが自動化する仕組みです。※2.BIとは、Business Intelligenceツールの略であり、企業が保有するデータを集計・分析し、経営判断に活用するためのツールです。
※3.AI CoEとは、AI Center of Excellenceの略であり、AIに関する専門知識を集約し、全社的な活用推進をリードする組織です。※4.LPとは、Landing Pageの略であり、商品やサービスの紹介や問い合わせの受け付け、集客に特化したWebページのことを指します。
※5.UI/UXとは、ユーザーインターフェース/ユーザーエクスペリエンスの略であり、それぞれ、Webサイトのデザインやフォント等ユーザーの視覚に触れる情報、ユーザーが製品やサービスを通して得られる体験のことを指します。
※6.アップセルとは、顧客が購入済みのものと比べてより単価の高いモノ・サービスの購買を促すことを指します。
株価チャートは以下の外部サービスでご確認ください。
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
28.4/ 100
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書・四半期報告書をもとに作成
| 指標 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 損益 | |||||
| 売上高企業の本業での収入の合計 | 21億 | 44億 ↑103.4% | 63億 ↑44.4% | 53億 ↓16.0% | 55億 ↑3.9% |
| 営業利益本業で稼いだ利益。売上高から原価と販管費を引いたもの | 5億 | 10億 ↑87.7% | 9億 ↓10.5% | -2億 ↓121.9% | 2億 ↑182.9% |
| 経常利益営業利益に金融収支等を加えた、通常の事業活動による利益 | 5億 | 9億 ↑88.9% | 8億 ↓11.8% | -2億 ↓127.4% | 1億 ↑163.1% |
| 純利益税金や特別損益を差し引いた最終的な利益。株主に帰属する利益 | 4億 | 7億 ↑88.1% | 6億 ↓13.1% | -4億 ↓167.0% | 1億 ↑132.2% |
| 収益性 | |||||
| EPS1株あたり純利益。純利益÷発行済株式数で算出。高いほど収益力が高い | 69.6円 | 119.2円 ↑71.3% | 102.2円 ↓14.3% | -72.6円 ↓171.1% | 23.7円 ↑132.7% |
| ROE自己資本利益率。株主の出資金でどれだけ利益を生んだかの指標。8%以上が目安 | 28.00% | 27.80% ↓0.7% | 21.60% ↓22.3% | -17.56% ↓181.3% | 5.60% ↑131.9% |
| ROA総資産利益率。全資産を使ってどれだけ利益を出したかの指標。5%以上が目安 | 12.92% | 15.79% ↑22.2% | 10.43% ↓33.9% | -7.10% ↓168.1% | 2.73% ↑138.5% |
| 営業利益率売上高に対する営業利益の割合。本業の収益力を示し、10%以上なら優良 | 23.87% | 22.02% ↓7.8% | 13.65% ↓38.0% | -3.56% ↓126.1% | 2.84% ↑179.8% |
| キャッシュフロー | |||||
| 営業CF本業から実際に入ってきた現金。プラスが大きいほど稼ぐ力が強い | 4億 | 8億 ↑83.1% | 5億 ↓42.2% | -1億 ↓129.2% | 6億 ↑531.6% |
| 投資CF設備投資や企業買収等に使った現金。成長企業は通常マイナスが大きい | -2,522万 | -12億 ↓4730.4% | -7億 ↑42.0% | 604万 ↑100.9% | 3,573万 ↑491.5% |
| 財務CF借入・返済・配当金支払い等による現金の動き | 11億 | 4億 ↓64.1% | 7億 ↑79.1% | -2,183万 ↓103.0% | -11億 ↓5094.4% |
| フリーCF企業が自由に使えるお金。営業CF+投資CFで算出。配当や成長投資の原資 | 4億 | -4億 ↓208.3% | -3億 ↑41.6% | -1億 ↑50.5% | 6億 ↑580.6% |
| 財務 | |||||
| 総資産企業が保有する全ての資産(現金・設備・投資等)の合計 | 28億 | 43億 ↑53.9% | 56億 ↑31.6% | 55億 ↓1.7% | 46億 ↓16.4% |
| 自己資本返済不要な資本。株主からの出資金と利益の蓄積で構成される | 21億 | 28億 ↑33.6% | 26億 ↓5.1% | 22億 ↓15.3% | 23億 ↑0.4% |
| 自己資本比率総資産に占める自己資本の割合。高いほど財務が安定。40%以上が目安 | 75.00% | 65.10% ↓13.2% | 46.90% ↓28.0% | 40.50% ↓13.6% | 48.60% ↑20.0% |
| 配当 | |||||
| 一株配当1株あたりの年間配当金額。株主への利益還元額 | - | - | - | - | - |
| 配当性向純利益のうち配当に回す割合。30〜50%が健全な目安。高すぎると持続性に懸念 | - | - | - | - | - |
※ EDINET(金融庁 電子開示システム)の有価証券報告書をもとに作成
総合スコアは5軸(安定性・成長性・配当力・割安度・財務健全性)をそれぞれ100点満点で評価し、加重平均で算出します。
※ 各軸100点満点。データ不足の場合は該当項目が0点になります。