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信用取引とは?仕組みとリスクをわかりやすく解説

2026年3月22日10分で読める
信用取引レバレッジ追証空売り現物取引リスク管理
信用取引とは?仕組みとリスクをわかりやすく解説

信用取引とは

信用取引とは、証券会社からお金や株式を借りて売買する取引のことです。自分の持っている資金や株式を「担保(委託保証金)」として差し入れ、その約3.3倍までの取引ができます。

現物取引では手持ちの資金の範囲内でしか株を買えませんが、信用取引なら100万円の資金で約330万円分の取引が可能です。これがいわゆる「レバレッジ」です。

また、現物取引ではできない「空売り」(株を借りて売り、後で安く買い戻して返却する取引)ができるのも信用取引の特徴です。

制度信用と一般信用の違い

信用取引には「制度信用」と「一般信用」の2種類があります。

制度信用取引

  • 証券取引所が銘柄や返済期限を定めている
  • 返済期限は6か月。6か月以内に反対売買か現引き・現渡しで決済する必要がある
  • 貸借銘柄であれば空売りが可能
  • 一般信用に比べて金利(買方金利)が低い傾向
  • 逆日歩(ぎゃくひぶ)が発生する場合がある

一般信用取引

  • 各証券会社が独自にルールを設定
  • 返済期限は証券会社によって異なる(無期限の場合もある)
  • 制度信用で空売りできない銘柄も取引可能な場合がある
  • 金利は制度信用より高めの傾向
  • 逆日歩は発生しない

株主優待のクロス取引(権利確定日だけ現物買い+信用売りで優待を取得する手法)では、逆日歩リスクを避けるために一般信用を使うのが一般的です。

レバレッジの仕組み

信用取引の最大レバレッジは約3.3倍です。これは委託保証金率が最低30%と定められているためです(100% / 30% = 約3.3倍)。

レバレッジの効果

具体例で見てみましょう。100万円の資金(保証金)で300万円分の株を信用買いしたとします。

  • 株価が10%上昇した場合:300万円 x 10% = 30万円の利益。自己資金100万円に対して利益率は30%
  • 株価が10%下落した場合:300万円 x 10% = 30万円の損失。自己資金100万円に対して損失率は30%

現物取引なら100万円で100万円分しか買えず、10%の変動で利益も損失も10万円。レバレッジをかけると利益も損失も3倍になるのです。

利益が3倍になるのは魅力的に見えますが、損失も3倍になることを忘れてはいけません。ここが信用取引の最大のリスクです。

追証(おいしょう)とは

信用取引で最も怖いのが「追証」、正確には「追加保証金」です。

信用取引では委託保証金率を一定水準(通常20〜25%)以上に維持する必要があります。保有している建玉(信用で買った株)の含み損が拡大し、保証金率がこの水準を下回ると、追加で保証金を差し入れるよう求められます。これが追証です。

追証が発生するとどうなるか

  1. 証券会社から追証の連絡が来る(通常、翌営業日の正午までに入金が必要)
  2. 期限内に追加保証金を入金できない場合、証券会社が強制的に建玉を決済する
  3. 強制決済は通常、成行注文で行われるため、不利な価格で約定する可能性が高い
  4. さらに相場が急落している場面では、強制決済しても保証金が不足し、借金(追加入金の義務)が残ることもある

これは本当に怖い話です。現物取引なら最悪でも投資した金額がゼロになるだけですが、信用取引では投資額以上の損失を被る可能性があります。私の知人にも、追証をきっかけに投資資金の大半を失った人がいます。レバレッジは諸刃の剣です。

投資のリスク管理のイメージ
追証リスクを正しく理解し、無理のない範囲で取引することが重要

空売りの仕組み

空売りは「持っていない株を売る」取引です。手順は以下の通りです。

  1. 証券会社から株式を借りる
  2. 借りた株を市場で売却する(ここで売り代金を受け取る)
  3. 後日、市場で株を買い戻す
  4. 買い戻した株を証券会社に返却する
  5. 売却価格と買い戻し価格の差額が損益になる

株価が下がると利益が出る仕組みなので、相場全体が下落する局面でも利益を狙える手段です。

空売りのリスク

空売りには現物取引や信用買いにはない独特のリスクがあります。

  • 損失が無限大:株価の下落幅は最大で株価がゼロまでですが、上昇幅には理論上限りがない。つまり、空売りの損失は際限なく膨らむ可能性がある
  • 貸株料・逆日歩:株を借りるコストがかかる。人気の空売り銘柄は逆日歩が高額になることも
  • 踏み上げ:空売りが溜まっている銘柄が急騰すると、空売り勢の損切り(買い戻し)がさらなる株価上昇を引き起こす悪循環に

「株価が高すぎるから空売りしよう」という安易な発想は非常に危険です。割高な株がさらに割高になることは珍しくありません。

現物取引との比較

改めて、現物取引と信用取引の違いを整理します。

  • 最大損失:現物は投資額まで。信用は投資額を超える可能性あり
  • レバレッジ:現物は1倍。信用は最大約3.3倍
  • 空売り:現物は不可。信用は可能
  • 保有期限:現物はなし。信用は制度信用で6か月
  • コスト:現物は売買手数料のみ。信用は手数料に加えて金利、貸株料などが発生
  • 配当金:現物は受け取れる。信用買いは配当金相当額を受け取れるが、信用売りは配当金相当額を支払う

初心者は慎重に

ここまで読んで「信用取引は危ない」と感じた方、その感覚は正しいです。

信用取引自体は合法的な取引手段であり、上手に使えば投資の幅を広げることができます。しかし、レバレッジと追証のリスクを正しく理解しないまま始めるのは、間違いなくお勧めしません。

信用取引を始める前のチェックリスト

  1. 現物取引で十分な経験を積んだか:最低でも1〜2年は現物取引で利益と損失の両方を経験すべき
  2. 損切りのルールを守れるか:信用取引では損切りの遅れが致命傷になる。現物で損切りできない人は信用取引を使うべきではない
  3. 余裕資金で行うか:追証が発生しても生活に影響がない範囲の資金で行う。生活費を保証金に入れるのは論外
  4. レバレッジを控えめにする意志があるか:最大3.3倍まで使えるからといって限界まで使う必要はない。1.5倍程度に抑えるだけでリスクは大幅に軽減される
  5. 建玉の管理ができるか:日々の保証金率を確認し、追証ラインに近づいたら早めに対処する習慣があるか

投資は自分の資産を守りながら増やしていくものです。信用取引のレバレッジは、使い方を間違えると資産を一瞬で吹き飛ばす力を持っています。まずは現物取引でしっかり基礎を固めて、ファンダメンタルズ分析で銘柄を選ぶ力を身につけてから検討しても遅くはありません。

カブスクの銘柄一覧やランキングを活用して、まずは現物で投資したい銘柄を見つけることから始めてみてください。

免責事項:本記事は信用取引の仕組みを解説する目的で作成されたものであり、信用取引を推奨するものではありません。信用取引は元本を超える損失が生じる可能性がある取引です。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行ってください。信用取引を行う際は、各証券会社の契約締結前交付書面を必ずお読みください。

カブスク運営者

10年以上の個人投資家経験を持つソフトウェアエンジニア。NISA制度を活用した長期分散投資を実践中。「難しい決算書を読まなくても銘柄の実力がわかる」をコンセプトに、カブスクを開発・運営しています。

※ 本記事は筆者の投資経験に基づく個人的な見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。

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